2015年12月31日木曜日

ウルトラマンコスモス 第50話 カオスの敵

マザルガス登場


遂に、カオスヘッダーに天敵が出現。


カオスヘッダーは、結果的に番組打ち切りを前提として放送された「特別総集編2 コスモス最後の戦い」によれば、「人工的に造られた生命体」との事だが、人工生命体に天敵が存在するのは近未来を先取りした展開だ。


体内に、分解・消化「酵素」(ドイガキ隊員が、カオスキメラと命名)を有し、カオスヘッダーを頭部(各隊員のセリフでは、「口」と表現されているが、ならば顔の中に配置されている両目の下の口は、デザイン的には不要なのでは?)から取り込むマザルガス。


天敵の出現に、「TEAM EYES」は保護を試みるが、西条武官の「彼なりの正義」が仇に。


ハズミ科学主任に開発させ、結果的に脅威の破壊力(怪獣を、細胞レベルから死に追いやる。)を持ってしまった「ダビデス909」を使用。


ハズミの、身を呈しての阻止も実らなかった。


「ダビデス909」を発射した防衛軍の戦闘機に、立体感が無かったのは残念。


CGの悪い面?


「ダビデス909」を撃ち込まれた事により、カオスキメラが破壊され、マザルガスがカオス化したのは何と言う皮肉だろうか。


怒りのコスモスが、カオス化したマザルガスとカオスヘッダーを倒すが、人類がカオスヘッダーへの対抗手段を失ってしまったのは事実。


「民間」に籍を移したハズミさんの研究に期待。


PS


バンダイのソフビ怪獣マザルガスは、タグの裏面に「第51話」と表記されているが、これは当初の放映予定の第50話だったのがカットされたので仕方の無い事。


珍しいケースですね。

2015年12月30日水曜日

ウルトラマンコスモス 第49話 宇宙の雪

アルケラ スノースター登場


いったい、ここ数ケ月の騒動は何だったのか。


結果的に『ウルトラマンコスモス』の放映が打ち切りから一転、放送再開になったから良かったものの、汚点が生じたのは否めない。


番組の冒頭(キー局では第50話、地方では第49話)では、ムサシ隊員が「春野ムサシ隊員、戻りました。これから、TEAM EYESのみんな、そしてウルトラマンコスモスと一緒に頑張ります。」と、15秒間あいさつ。


誤認逮捕を前提とした対処だったが、「作品」のエンターティメント性から見れば、「夢」が無いようにも・・・。


スノースター、宇宙に浮遊する美しいそれは、「願い事をすれば叶う。」という。


また、宇宙に捨てられた放射性廃棄物を食べてくれるそうだ。


突然、姿を現した怪獣アルケラ。


破壊力抜群の攻撃力を持っているが、いきなりダウン。


一度は途絶えた命だが、復活。


仕方なく攻撃する「TEAM EYES」だったが、コスモスはアルケラを庇う。


アルケラにそんな同情が通じるはずもなく、コスモスに襲い掛かるが、万事休すで息途絶える。


もっと凶暴な姿に変態すると思いきや、なんとなんと、体内から産み出されたのはスノースター。


コスモスは、この事を知っていたのだろうか。


凶暴で醜い姿から生まれるのは、必ずしも同じとは限らないという事。


その場、その時の姿恰好だけでは、全てを判断出来ないという訳だ。


大変な時こそ、相手を信じていたヒウラキャップとコスモスが、本当の勝利を得た瞬間だった。


自分達の都合だけで、怪獣の存在意義を決めつけてはならないのだ。


これは、人間社会にも当てはまる事。


願わくばスノースターが永遠に、その姿を保ち続けて欲しいのだが、これが人間の身勝手なんですね。


PS


キー局では、「怪獣密輸!?」の予告編のみ、オンエアー済み。


だが、第50話として放送されたのは、「カオスの敵」。と言う事は、「カオスの敵」の予告編は、キー局の本放送時にはオンエアーされなかったのだ。


逆に、1週遅れの地方では、「怪獣密輸!?」の予告編がオンエアーされず、「カオスの敵」の予告編はオンエアーという「腸捻転」のような現象が起きてしまったのだ。

2015年12月29日火曜日

ウルトラマンコスモス 第48話 ワロガ逆襲

ワロガ登場


防衛軍鷹平天文台が捕えた宇宙電波の内容は、特務の石井さんからムサシに伝えられた。


ワロガの予告襲撃を、コスモスへのメッセージとして「TEAM EYES」の中から敢えてムサシに伝えた。


石井さんは、知っているのだ。


ムサシがコスモスであるという事を・・・。


シノブリーダーとフブキ隊員は納得していないが、迎え撃つ「TEAM EYES」は防衛軍との共同戦線で、ポイントMW3で待機。


戦車部隊が移動すると、もちろん自転車が転倒。


ベンガル戦車部隊の中には、牛島さん=加賀谷 圭さん(『ウルトラマンガイア』チーム・ハーキュリーズの志摩 貢)の姿が。


転職したのか(な訳ねーだろ)。


夜の市街地での、ワロガとの攻防戦は迫力満点。


黒い巨体のワロガの顔の赤色が暗闇に映え、作業用クレーンの指示灯も赤く点滅。


もちろん、街並みの造り込みも含めてだ。


言葉を発しない宇宙人が、夜の街にそびえ立つ姿は不気味。


ムサシはシェパードで前進するが、車両諸共吹き飛ばされてしまった。


目的を果たしたのか、ワロガは夜の街に姿を消してしまった。


CGの処理も美しい。


意識不明の重体に陥ってしまったムサシ。


またしても、予告後に出現したワロガ(夜勤専門なのかな)。


今度は、予告時間より早めにポイントHS7、SRC医療基地の近くにだ。


全ての戦力を失ったかに見えたが、ベンガルズの牛島さんが「エンジン再始動、前進!」との掛け声で戦車が動き出した。


それが、シノブの出撃と、悪夢(自分の亡骸と対面)から目覚めたムサシの変身へと繋がる。


シノブは、気付いた。


ワロガの弱点が顔面の発光体である事に。


顔面の攻撃で怯んだスキに、コスモスが撃破。


皆は喜びに沸き返っていたが、非難の最中にムサシは、ベッドに置き去りにされていたのだ。


ワロガは、悪質な知的生命体だ。


襲撃予告時間を信じ込ませた後に、それを逆手に取りムサシが横たわる医療機関を襲い、照明設備を破壊した。


夜の暗闇では、人間側には不利な状況なのだ。


さらに、全ての戦力を破壊してから、留めを刺そうとした。


だけど、牛島さんの気合、シノブの不屈の闘志、ムサシの底力は計算外だったようです。


アヤノ隊員も勝利を喜んでいたが、手にはカエルを握りしめていました。

2015年12月28日月曜日

ウルトラマンコスモス 第47話 空の魔女

ギリバネス登場


3年前の防衛軍時代、新人隊員の最終テストの訓練生の中にいたフブキ隊員は、積乱雲に吸い込まれてしまった。


試験官のシノブはテストに合格後、「回避」するように告げていたので、フブキのワンマンプレーのようにも見受けられたのだが、映像では定かではない。


最終日のテスト前に、フブキは「海の見える公園」に行こうと、同僚のミサキ・アイを誘っていた。


彼女の返答は明示されなかったが、黒いサングラスをかけフブキを見つめる姿からは、無言の内にも拒否しているようにも見受けられた。


その彼女が、フブキを助けようとして、姿を消してしまったのだ。


2つの生命反応を持つギリバネス。


「羽根型」は他に寄生して血を吸い、「人型」に飛行能力を与えているとの事。


フブキ隊員の前に、突然姿を現したアイ。


「覚えてる?あの約束。」と、彼の首筋から血を吸い上げる。


と言う事は、3年前の彼女の返答は「イエス」という事だったのか。


だが、今のアイは「羽根型」が利用した姿に過ぎなかった。


「空の魔女」ゆえなのか。


誘惑を断ち切り、テックスピナー2号で「羽根型」を撃つと、「人型」は自爆してしまった。


彼女の気持ち、返事を「こういう形」でしか確認出来なかったのは、フブキにとっては辛すぎる現実。


これからは、カスミちゃんと幸せになって欲しいですね。


侵略目的の宇宙船団は撤退したが、後日登場の予感が・・・。
 

2015年12月27日日曜日

ウルトラマンコスモス 第46話 奇跡の花

キュリア星人登場


ドイガキ隊員と吉井ちゃんの交際は、順調のようだ。


霧隠村の近くに遺跡の調査に行った吉井ちゃんは、巨大化したキュリア星人の大暴れに巻き込まれ、記憶喪失になってしまった。


等身大の星人を追い詰めたものの、そこには意外な事実が。


何と、霧隠村の人々は遠い昔、何百年も前からキュリア星人と一緒に暮らしているいるとの事。


先生(星人は、村人からこう呼ばれている。)は、隕石が運んで来た花が撒き散らす、人間には害がある花粉を吸収してくれているのだ。


そう、吉井ちゃんはキュリア星人の活躍により、結果的に被害を被ってしまったのだ。


新鮮な展開ですね。


だけど、この地での地球外生命体の存在に気が付かない「TEAM EYES」にも問題があるような・・・。


今回の事は、防衛軍には内緒とのヒウラキャップの判断。


つまり、防衛軍でも探知していないという事なのだろう。


でも、キュリア星人には、ムサシが異星人である事は見破られていた。


ラブラブモードから、一気に奈落の底に落とされたのはドイガキ。


アヤノ隊員の恋愛論「思い出してもらえなくても、見守っててあげるっていう、ステキな恋の形もある。」に励まされ、何とか食欲だけは回復。


花粉の吸収も限界に近付き、人間体を保つのが困難になったと、ムサシに打ち明ける星人。


左右非対称の姿は、その影響なのだろうか。


自分の身体を犠牲にしてまでも、この地球を守ろうとする姿は、ウルトラセブンのように頼もしい存在だ。


今度大暴れしてしまったら、僕に優しくしてくれた人達を傷つけてしまう。


そうなったら、自分の事を・・・。


再び、巨大化してしまった星人に対して、「先生を助けて下さい。」と懇願する村人も、妙な光景のように見受けられるのだが、哀愁を伴っているのも事実。


記憶喪失の吉井ちゃんを守るドイガキの姿と、巨大化して暴れている星人を助けたいとの村人の願いがオーバーラップする。


彼を助けるために、コスモスが姿を現す。


星人が撒き散らすビームの大爆発で、記憶を取り戻した吉井ちゃん。


コスモスの活躍で、花の害がある個所が取り除かれ、キュリア星人は人間体に戻る事が。


「ありがとう」の言葉をムサシに投げかける。


きっと、この地球で平和に暮らしていけるだろう。


ドイガキは吉井ちゃんに、将来、結婚しようと告白。


彼女の返事は、「OK」。


エンディングに、第15話と第34話での、2人の映像が使われていた。


新しいエンディングの活用の仕方であり、2人の時の積み重ねを、見事に表現していました。 


2015年12月26日土曜日

ウルトラマンコスモス 第45話 遊園地伝説

ムゲラ登場


宇宙ポイントA26に出現したワームホール。


そこから出現した、巨大なUFO。


根源的破滅招来体とグランスフィアを連想させるには十分だったが、勿論、登場するはずもない事。


しかし、「らくだ便」は、しっかりと顔出しを。


「ファンタジーランド」の閉演に伴う、こうだい君の引っ越し用の荷造りに、その段ボール箱が使用されていたのだ。


「大人の都合」(不景気の影響のようだが、今の時代を反映している。)で居場所を失ってしまうムゲラの行く末を心配するこうだい君。


ワームホール出現により、「ファンタジーランド」でデート中のムサシ隊員とアヤノ隊員は、緊急呼び出しを受ける。


2人の仲は、公認なのかな?


2人が過ごした学生時代には、遊園地に居るらしいムゲラが話題になった時期があったそうだが、個人的には少し現実味に欠けると思われるのだが・・・。


少女時代のアヤノ(近内里緒ちゃん=準レギュラー!?)ちゃんは、傷んでバラバラになってしまったお人形さんを、ムゲラに治してもらった事があったのだ。


こういうのは、「夢」があって良いですね。


ムゲラの居場所を守ろうと、園内を探すこうだい君。


彼を見つけた防衛軍の誤射が、謎の巨大UFOの攻撃を引き起こす。


当然、武力行使で対抗する防衛軍戦車部隊。


登場したコスモスが、戦車の砲弾を捕え、炸裂する前に束ねて佐原司令官の前に「お返し」する姿は圧巻。


いかにもバツが悪そうな、彼の表情が面白い。


こちらの都合で攻撃する事がなければ、無用の争いは避けられたのだが、コスモスが現れなければ、それに気が付かない「大人の都合」にはウンザリだ。


巨大なUFOの正体が、ムゲラの母船だったとは驚き。


しかも、その一部は遊園地によく似た構造をしていた。


なぜ、ムゲラが遊園地に潜んでいたのかが納得。


アヤノの眼にも、ムゲラの姿が映っていた。


佐原司令官も、シノブリーダー、フブキ隊員、ドイガキ隊員と万事解決として万歳をしていたが、今回は彼らの「心」をも救う事が出来たのだろうか。


少なくとも「遊園地伝説」は、こうだい君とアヤノの心の中に生き続けていくに違いない。


ムゲラって、赤ちゃんのような「プニュプニュ」した感触がありそうで、とても可愛い。


「円谷版キューピーさん」みたいですね。

2015年12月25日金曜日

ウルトラマンコスモス 第44話 ギギVSゴン

ギギドクター 三面次元人ギギ  クレバーゴン クレバーゴンジャイアント 登場


ダダ(『ウルトラマン』)とクレージーゴン(『ウルトラセブン』)の対決が、「平成」の時代に実現と
言ったところだ。


ゴン(クレバーゴン)をシェパードに乗せて、帰還するムサシ。


「治療、痛くなかったか、ゴン?」と語りかけていたが、本木博士のところで「治療」してもらったのだろうか。


せめて、木本博士のセリフが欲しかったですね。


ムサシ曰く「カミナリおばさん」ことサワグチ女史の「量子次元移送システム」の実験中に姿を現した、ドクターでもあるギギ(ドクターXX01)。


しかも、翻訳機を持参していた。


次元崩壊の危機のため、軍人達(ギギ=赤、青、黄の眼を持つ種族)は、再び数千億人の移転先として地球を求めていた。


眼の形状により、軍人と科学者に分類されているという事は、彼らの頭部は、フルフェイスのヘルメットにゴーグル仕様なのだろうか。


移送システムは既に地球に設置されており、人間の科学力では破壊は出来ないが、ギギドクターなら移送システムの目的地を、別の次元に変更出来るとの事。


しかし、3時間の時間稼ぎが必要。


3種の軍人ギギが、合体(トリプルファイターみたい!?)して、巨大化。


迎え撃つ、コスモス。


シノブリーダーに、変身の場面を見られたのではと肝を冷やしたが、「コスモス、ムサシ隊員を守って。」と叫んでいたので一安心のようだ。


ギギは前回の教訓を生かし、頭部にバリヤーを張り防御力を高めており、コスモスを圧倒。


3体に分離し、攻撃をたたみ掛ける。


駆け付けるフブキ隊員とドイガキ隊員だったが、先程、ギギの頭上から攻撃したテックサンダーは、誰が操縦していたのだろうか?


コスモスのピンチを救ったのは、「逆もまた真なり。」との日本の諺(ことわざ)を知っていたギギドクターの機転だった。


原子間の重力を操る専用銃のビームを、ゴンに浴びせ巨大化させたのだ。


でも、ヒウラキャップとサワグチ女史とギギドクターは、ゴンの体内に収容され移動した後に、巨大化してから等身大に戻っていたので、少しインパクトが薄かったように感じられた。


ゴンに背後から頭を叩かれ、青眼のギギが怯んだ隙に、体勢を立て直すコスモス。


ギギは、再び三位一体となるも、コスモスの敵ではなかった。


「ウルトラマンコスモス、我々にチャンスを!」とギギドクターが叫ぶ。


次元間でさ迷うギギを生みだす事もなく、無事解決。


「倒すべき敵と、守るべき者。」が明快であるだけに、説得力十分。


ヒウラがヤキモキしていた、サワグチ女史とギギドクターの仲も、同性間の情と知り「一件落着」。


しかし、「XX」が女性の染色体を現し、翻訳装置の音声が男性のものに過ぎなかったとは・・・。



2015年12月24日木曜日

ウルトラマンコスモス 第43話 操り怪獣

ノワール星人 テールダス(メカレーター) ネルドラント(メカレーター)登場


パトロール中に、「カスミちゃん」との仲を話題にするムサシ隊員。


自分から切り出さないと、逆にフブキにコスモスの事を問いただされ兼ねないので、ある種の自己防衛のようなものなのだろうか。


ノワール星人、こいつがラグストーン(第35話「魔法の石」)を送り込んできた張本人で、怪獣を資源として有効利用するとは・・・。


だが、この場合の資源とは、単なる消耗品との意なのだ。


ムサシの「夢」の中に入り込み、ポイントKS8に誘い込むとは、かなりの策略家だ。


なんと、そこは銭湯でした。


ムサシを選んだのは、彼が「宇宙人と対話出来る人間」である事を知っていたからだ。


救出に来たフブキによれば、「見当違いもいいところ。」。


このセリフからも、ムサシ=コスモスは、フブキにとっては既成の事実に間違いないようだ。


宇宙人と対話どころか、一心同体だからだ。


夕陽をバックに激突する、コスモスとネルドラント(メカレーター)。


夕陽と言えば、『ウルトラセブン』第8話「狙われた街」のメトロン星人や、『帰ってきたウルトラマン』第5話「二大怪獣 東京を襲撃」、第6話「決戦!怪獣対マット」のグドンとツインテール、第37話「ウルトラマン 夕陽に死す」、第38話「ウルトラの星 光る時」のナックル星人とブラックキングが脳裏に浮かぶ。


しかし、夕陽の中の戦いだけでなく、地球の一部である怪獣を救ったという点に於いては、本話の夕陽は屈指の名シーンだろう。


水面に写る、コスモスのモードチェンジ(コロナからエクリプス)も、秀逸なシーンだ。


とても綺麗ですね。


体内の機能は停止させる事が出来ても、改造された影響によるショック死からは免れる事は出来なかった。


ヒウラキャップは、「コスモスは神ではない。」と語っていたが、深読みすれば、「コスモスは人間(ムサシ)。」だという事を知っていればこそなのでは。


最後の場面は、夕陽に包まれているのではなく夕闇になっていたが、コスモスの活動制限時間を鑑みれば、夕陽のままの方が自然ではなかろうか。

2015年12月23日水曜日

ウルトラマンコスモス 第42話 ともだち

デルゴラン カオスデルゴラン登場


「ともだち」・・・素朴だけど、こういうサブタイトルで作品が製作出来るのも「ウルトラ」だけになってしまった昨今なのかな。


堀村俊司くんが要になり、転校前と転校先の空方中学と、ソルとの別れと出会いが骨格のお話。


彗星接近の影響によるストーリーは、『ウルトラマン』第25話「怪彗星ツイフォン」が頭に浮かぶが、今回は宇宙スケールの展開だけではなく、1人の人間に及ぼす影響を描いている。


父と2人でデルゴランを追って宇宙を旅するソル。


しかし、カオス化したデルゴランに襲われ、小惑星プティワールに不時着してしまった。


ソルの円盤は、石肌の外観といいデザインといい秀逸。


いかにも、宇宙人の円盤らしく、『ウルトラセブン』に度々登場し、我々を楽しませてくれたそれと遜色が無い。


円盤の魅力にも、再度迫ってみたいと思わせるものだ。


宇宙からの交信が不可能でありながら、テックブースターで宇宙に飛び立つシノブリーダー、フブキ隊員、ドイガキ隊員の3名。


デルゴランをレーダーに捕えるも、ワープされてしまった。


テックブースターの活躍が描き切れていないようで、ちょっと消化不良。


ソルの希望、父の仇であるデルゴランも本来はおとなしいので助けて欲しいと、ムサシに託された。


コスモスにより、憑依したカオスヘッダーを切り離され、宇宙へと旅立つデルゴラン。


ソルとの二人三脚が始まるのだろう。


家族の都合等で転校して来た俊司くんと、カオスヘッダーに取り付かれデルゴランに父を殺されたソル。


不慮の出来事により、環境の変化を余儀なくされた両者の対比。


また、父を殺したカオスデルゴランを倒しても、何も変わらないと逆恨みをしなかったソル。


そして、何度も「ともだち」になろうと呼び掛けたにも関わらず、俊司くんの方からの歩み寄りを笑顔で受け入れたようこちゃん。


ここでの両者の対比も、お見事。


エンディング主題歌も新しくなり、1クールの放送延長が決定したラストへ向かって行くのだ。

2015年12月22日火曜日

ウルトラマンコスモス 第41話 緑の逃亡者 

サイドバクター登場
 
オープニングの映像が、大幅に変更。


オカルト女子大生のカスミちゃんが、第23話「ルナ対ルナ」以来の登場。


彼女が、戦国時代の落ち武者の幽霊を撮影しようとしていたトンネルって、戀鬼(れんき)が現れるのかな?


シノブリーダーが、幽霊トンネルの事を語っていただけに・・・。


そんなカスミちゃんも、植物生命体(宇宙人)に種を植え付けられて、突然変異の大ピンチ。


しかも、宇宙人の記憶まで受け継いでいた。


でも、彼女自身の記憶は残っていて、「カラオケ行った事なくて」、「恋人いない」とフブキ隊員に話していた。


これが、衝(笑)撃のラストへの伏線になるとは・・・。


サイドバクターは、ありそうで無かったデザイン。


飛行体も機能美で、ロボット体への変形もスムーズ。


CG(平面)と特撮(立体感)の融合への違和感の解決も、時間の問題のようだ。


飛行形態で、頭部の発光箇所が青色から黄色に変色するのは、ちょっとした驚きでした。


サイドバクターに踏み潰されそうになった時、車中(シェパード)にも関わらず、カスミちゃんに覆い被さったフブキ。


これが、彼女に対する返答と確信。


コスモス登場で、ピンチを逃れた。


コスモスの身体に着いていた弾着が、爆発後に残っていたにも関わらず、次のカットでは無くなっていたのが気になった。


身体に受けたダメージとして、視覚的にも、そのままの方が・・・。


医療班の尽力とフブキの徹夜の看病により、カスミちゃんは無事回復。


「カラオケなら、俺が連れてってやる。恋人が欲しけりゃ、俺がなってやる。だから、だから死ぬなよカスミ。」のフブキの呼び掛け(愛の告白!!)も功を奏したのだろう。


眠っていたにも関わらず、これらの事を覚えていたカスミちゃんは、やはり霊感が強そう。


フブキは、3才で亡くなった妹・サヤカちゃんの面影を、カスミちゃんに重ね合わせたのだろうか。


エンディングで、カラオケで2人が歌っていたのは『ウルトラマンコスモス』のエンディング主題歌でした。


第24話「ぬくもりの記憶」でも同様の場面がありましたが、良いものはドンドン受け継いで欲しいですね。


2015年12月21日月曜日

ウルトラマンコスモス 本放送時未放映 予定話数第54話 人間転送機

タブリス登場


タブリスのデザインは、ダイゴロウ(劇場用作品『怪獣大奮戦ダイゴロウ対ゴリス』)みたいで可愛らしい。


プニュプニュした素材で、ソフビ人形化して欲しいですね。


かつて12年前に、SRC設立以前に起きた事件。


怪獣は倒して当然という時代(どれだけの怪獣を葬っているのかも気になる。)に、タブリスが車イスの少女を救い、「保護、捕獲」が選択肢に加わったエポックメーキングの出来事だったようだ。


モノクロで回想された、無抵抗のタブリスを攻撃する防衛軍には、正直腹立たしい。


相手が無抵抗の時に、傘にかけての攻撃なのだ。


タブリスは、その後に鏑矢諸島の一角(イケヤマ管理官の姿も懐かしい)の朋友島に保護されていた。


車イスの少女・守沢佳奈ちゃんのタブリスとの交流を「美談」として、マスコミが過剰に取り上げた為に起きてしまった実生活での歪み(仲間外れ等)。


それを無くす為に、その場しのぎで交わした約束「10年経ったら、また来るから。」を信じていたタブリス(涙を流す眼の描写は、CGならでは。表情、鳴き声、涙に感情移入してしまった。)が、かつて佳奈ちゃんが住んでいた夢川町に、複製だが姿わ現したのだ。


マンションの一室を覗くタブリスを、室内から捉えたショットは素晴らしいミニチュアワーク。


仕方のない選択とはいえ、私生活を守る為にタブリスとの関わりを避けた佳奈ちゃんの気持ちが解からないでもないが、人間誰しもが持っている身勝手さを露呈しているのだ。


また同時に、怪獣との共生の難しさを物語っている。


ドイガキが開発途中の「物体ファクシミリ」を使用し、佳奈ちゃんの複製をタブリスの実体の前に転送するが、誤魔化しは通用しない。


それだけ、佳奈ちゃんを信じていたのだろう。


かえって、怒りを買ってしまう。


コスモスも、実体の無いタブリスの攻撃を受ける一方で、反撃もままならない。


その姿、そして町の惨劇を目の当たりにして、佳奈ちゃんは朋友島のタブリスに会いに行く決意を固めた。


コスモスの能力で、瞬間移動。


 「私、自分の事しか、自分のさみしさしか考えてなかった。もう、さみしがらなくていいよタブリス。
私、何度でも会いに来る。ごめんね、タブリス。」


彼女の姿と、その言葉だけで十分だった。


ここで、またひとつ、怪獣と人間の共存の絆が深まったからだ。



ウルトラマンコスモス 第40話 邪悪の巨人

カオスウルトラマン ネルドラントⅡ


ニセウルトラマン登場による、前後編の後編だ。


ニセウルトラマンはイベント性が高いにも関わらず、2話連続登場の機会が少なく、単発のストーリーが多かったのも事実。


ムサシを包む青い球体(カオスヘッダー)は、『うルトラマン』第1話「ウルトラ作戦第一号」での、ハヤタ隊員を包み込んだ赤い玉とは対照的。


その光が、カオスウルトラマンに実体化し、ポイントJK4に出現したネルドラントⅡをカオス化してしまった。


この一部始終を目の当たりにしていたフブキ隊員は、ムサシがコスモスである事を確信しちゃいましたよね。


ムサシの心を読み取った為に、「全ての怪獣を仲間に。」が悪用されようとしている。


単体カオスヘッダーの、およそ50倍のエネルギーで、50匹の怪獣をカオス化しようとしているのだ。


鏑屋諸島を急襲するが、コスモスをカオス化した為に、その弱点である「バトルリミッター」が活動の限界を示した為に間一髪セーフ。


しかし、防衛軍の首脳は、24時間の期限付きで、ヒウラキャップに決断を迫る。


怪獣達がカオス化する前に、処分してしまおうというのだ。


ドイガキ隊員が、対カオスヘッダーの秘密兵器を完成。


ラウンダーショットに装填され、ムサシを包み込むカオスヘッダーに照射。


慌てたカオスヘッダーは、分散してしまった。


ムサシは宇宙空間に一気に飛翔。


右手に吸い込まれるようにコスモプラックが現出し、実体化。


カオスウルトラマンも姿を現し、カオスネルドラントⅡと共闘。


1カットに、3者が斜めに映された映像は、立体感が溢れている。


後部パーツの差し替えによるテックスピナー2号が、カオス抗体ミサイルを放つ。


ネルドラントⅡは、元の姿に戻り、残るはカオスウルトラマンのみ。


両者の激突は、TVゲームのようだった。


なかでも、コスモスのキックの映像は、平面の切り貼りのようで残念。


その後、カオスウルトラマンがキックの衝撃で、腹這いのままで大地が煙を巻き上げ後退する場面にリアリティがあっただけに、余計にだ。


何とかコスモスが勝利し、ムサシも無事な姿を見せてくれた。


だが、「ムサシ、お前まさか?」と問いかけるフブキの言葉と表情が、全てを悟っているかのようであった・・・。
 

2015年12月20日日曜日

ウルトラマンコスモス 第39話 邪悪の光

カオスウルトラマン登場


「テックスピナー1号」完成の喜びも束の間に、カオスヘッダーがトレジャーベースに侵入してしまった。


執拗に、ムサシ=コスモスを襲う。


そして、ムサシに取り付いてしまった。


庇い切れないと判断したコスモスは、ムサシに変身を促す。


しかし、同時にカオスウルトラマンが誕生してしまった。


かつてのニセウルトラマンは、宇宙人(ザラブ星人=にせウルトラマン、ババルウ星人=にせアストラ、アルギュロス=ニセウルトラマンアグル)が変身した姿。


もしくは、姿を似せたロボット(にせウルトラセブン、エースロボット、テラノイド)や、データをサンプリングして姿、形を模した者(ニセウルトラマンガイア)であった。


(その他として、妄想ウルトラセブン、イーヴィルティガ、幻影ウルトラマンアグルが存在。)


しかし、今回は直接ウルトラマンコスモス(ムサシ)に、カオスヘッダーが憑依し実体化してしまった。


すなわち、最強のニセウルトラマンである事に異存はない。


(テラノイドに、スフィアが取り付いた例もあり。)


そんなカオスウルトラマンを迎え撃ったコスモスであったが、エネルギーを消耗し力尽きてしまう。


ムサシの姿に戻ったが、所詮はカオスウルトラマンの敵ではない。


邪悪な光に姿を変えたカオスヘッダーに、全身を包み込まれてしまった。


今回は、ここまで。


ちょっと、辛口な意見を。


あれだけ「TEAM EYES」を敵視していた「防衛軍」が、素直にドイガキ隊員が持つカオスヘッダーのデータを必要としているのは・・・。


地球の一大事と言えば、それまでだが。


彼らの、プライドの葛藤を描写して欲しかったのだ。


また、群衆が逃げ惑うシーン、人々がTVモニターを食い入るように見つめるシーンがあれば、もっとリアリティが感じられたのではなかろうか。


「防衛軍」のワッペンは「JADF」なのに、「防衛軍」と「TEAM EYES」の対策会議のモニターのテロップが、「JDAF」になっていたのは、ちょっと変?


PSコスモスが姿を消した地点にムサシが現れ、カオスヘッダーにさらわれてしまったのだから、もうコスモスの正体はバレバレなのでは・・・。

2015年12月19日土曜日

ウルトラマンコスモス 第38話 オヤジ星人

ヘルズキング登場


「オヤジ星人」・・・意味深なサブタイトルだけど、草野香織の父親・忠雄は、本当にオヤジ星人だった。


地球侵略の為に、用意周到に準備を進めていたベリル星人だったのだ。


しかも、ムサシがコスモスである事も知っていた。


何と、香織も実は「ネコ座第3惑星から来たニャントロ星人」だった(自称)。


仲間である、警官の姿をしたベリル星人を殺害してまでも、ムサシを救った草野忠雄(喜多浦食品株式会社第三営業部、紙袋には北浦監督の似顔絵が!!)=ベリル星人。


草野さんの身体を隠れ蓑にして、彼の生活を送った事が、ベリル星人の心を揺り動かした。


「大きな過ちを犯してしまった。」と言っていたが、家族愛を知ってしまった事が、地球の平和に繋がったからだ。


たこ焼きの味も覚えてしまったし・・・。


彼の身体を返し、ベリル星の裏切り者として、地球の家族に迷惑がかからないよう地球を去って行ったベリル星人。


まるで、平成版『ウルトラセブン』のダンみたいに・・・。


赤星昇一郎さんにしか演じられない、役柄のようでもありました。


コスモス対ヘルズキングの戦いは、BGMも含めてかなり異色。


これが鈴木健二(『ゴジラ2000』、『ゴジラ×メガギラスG消滅作戦』の特殊技術担当)特技監督のカラーなのか。


何はともあれ、未成年の時に見ておきたい「家族愛」を、「ウルトラテイスト」で魅せてくれた本話。


父娘の世代のギャップを、見事に埋めて見せた。


エンディングの映像はテックサンダーの出撃シーンのみで、次回の新テックサンダー登場への布石のようだ。

2015年12月18日金曜日

ウルトラマンコスモス 第37話 フブキ退任?!

テールダス登場


主人公以外が、サブタイトルに名を連ねるのは多くはない。


しかも、「退任」という大事件。


主人公が暴走して身勝手な行動を取った為に、責任を感じた他者が退任を自己申告するのではなく、その隊員自身がそうするは、各隊員のキャラが明快に確立されているがゆえの事。


今回登場した佐原司令官と西條武官の名前の由来は、勿論『ウルトラQ』(佐原健二氏=万城目淳、西條康彦氏=戸川一平)ですね。


知っていれば、「一粒で二度おいしい」です。


ムサシが「TEAM EYES」に入隊する1年前、怪獣保護の姿勢が自分のものになっていなかったフブキ隊員が怪獣に放った、「NX-0117弾」。


しかし、不発に終わってしまう。


あれから1年経ったある日、防衛軍の指揮下に入るよう、「TEAM EYES」に打診があった。


先頭に立って反発したのが、フブキだった。


ひとつの「出会い」が、彼の姿勢を変えたそうだ。


後に判るのだが、コスモスとの「出会い」が、彼をそうさせたのだ。


そんな時、例の怪獣であるテールダスが、1年振りに姿を現す。


しかも、不発弾を撃ち込まれたままで。


焦りから、一瞬フブキの心に芽生えた「怪獣を殺してしまおう。」という思い。


眼前の怪獣を保護するのではなく、殺してしまえば、事件が早期解決するのは明白。


結局、怪獣には逃げられてしまうのだが、フブキは自分自身の心を隠せず、ヒウラキャップに退任を申し出、トレジャーベースを後にしたのだ。


フブキの為にも、今回のオペレーションに必勝を期す隊員たち。


逃げ惑う群衆の中に、ひとり佇むフブキ。


コスモスが、怪獣を迎え撃つ。


倒れるコスモスの前の黄色いショベルカーが、画面の奥行きを見事に表現。


ひとり、不発弾を解除するフブキ。


これって1分の1サイズの小道具?CG?汚しがリアルだ。


「フブキさん、逃げちゃダメだ。コスモスは、逃げない。どんな時も、どんな事があっても。」と言うムサシの言葉(BGMには、主題歌のピアノアレンジ。内容との相乗効果が素晴らしい。心情的に、迫ってきます。)が、フブキの胸中に刻まれていたに違いない。


無事、事件は解決し「フブキさん、成長しましたね。」と言うムサシに、見事に関節技を決めるフブキ隊員。


今まで以上の存在感と信頼感が深まっていたようだ。



2015年12月17日木曜日

ウルトラマンコスモス 第36話 妖怪の山

ヤマワラワ マハゲノム登場


今回は、思わぬところからアヤノ隊員が大活躍。


ヤマワラワの再登場は、嬉しい限り。


鏑矢諸島に保護されていなくても、自然の中で人間と共存しているのは何よりだ。


ヤマワラワ山脈の麓の、日高村で巻き起こった大(珍?)事件。


ヤマワラワが町に行こうとして乗り込んだのは、やはり「らくだ便」。


原田監督の作品は、アヤノ隊員のカエルの縫いぐるみ、場面転換での木の実を使ったスライドシーン等、小道具が冴え渡る。


登場する子供たちも、首に携帯電話を吊り下げています。


神楽による伝説の如く、民芸品のような赤鬼妖怪(怪獣)マハゲノムが、防衛軍戦闘部隊「ベンガルズ」から逃走した先は、日高村だった。


戦車だけで、隊員が登場していないので、「ベンガルズ」の印象が薄いのは否めない。


「TEAM EYES」がマハゲノム対策に追われていた為、アヤノの「単独調査」が実現。


日高村は、年に一度の「鬼まつり」を翌日に控えていたが、過去の伝説が現実に起こってしまったのだ。


妖怪様が、悪い鬼・マハゲラを退治するという・・・。


サクラちゃんら4人とアヤノはヤマワラワをかくまうが、マハゲノムが暴れまくる為、巨大化して対峙。


ボクサー顔負けのパンチを乱打。


平成版『キングコング対ゴジラ』と言うのは、ちょっと言い過ぎかな。


ウルトラシリーズで、妖怪同士が激突するのも珍しい。


彼女達のもとを、そっと離れコスモスに変身するムサシ。


同時に、アヤノが怪訝な表情を浮かべる。


今回ばかりはアヤノも、コスモス=ムサシと確信したのではなかろうか。


ラストシーンで、アヤノの髪型も含めて茶化していたが、後の祭りなのでは・・・。


伝説の如く、マハゲノムを封印したのはヤマワラワだった。


マハゲノムを「さば折り」状態で抱え込み、ヤマワラワが発光。


共に縮小化すると共に封印。


ヤマワラワは、「光の獣人(巨人)」なのだろうか。


また、会えるよね。


祐一くん(第9話「森の友だち」)だって、会いたいのだから。

2015年12月16日水曜日

ウルトラマンコスモス 第35話 魔法の石

ラグストーン登場


新型のテックサンダーを開発すべく、「テック00(ゼロゼロ)テスト機」が颯爽と空を駆ける。


スピードはアップはするものの、機体の安定が不十分で、ドイガキ隊員の苦悩が続く。


しかし、アヤノ隊員(女流名人?)対フブキ隊員の「将棋対決」からヒントを得る。


まさに、「瓢箪から駒」。


敵陣に侵入した将棋の駒の裏返しを見て、何かを思いついたようだ。


次回へと続く伏線は、シリーズ構成の成せる技。


今回のカワヤ医師は女性のみならず、右田医師、更にラグストーンにまで嫌われていた。


結果的には、これで良かったのだが・・・。


ラグストーンの「光」を浴びて眠っていた脳が全開しても、その代償として感情を吸い取られていたのでは、生きているとは言えない。


ラグストーンが巨大化し、催眠術で人々を連れ去ろうとしている。


それを阻止すべく、コスモスが登場。


コスモスを吹っ飛ばしたラグストーンが、その勢いのまま、建設途中の建物に突っ込む姿は圧巻。


砕け散る建物を内部から捉えたカットは、特撮ならでは。


こういうカットを、積み重ねて欲しい。


「怒り」の感情のままに迫り来るラグストーンに、コスモスは防戦を余儀なくされ、ネイバスター光線も効果無し。


だが、「愛」が欲しいカワヤ医師の的確なアドバイスが、コスモスの効果的な攻撃を促し、人々に感情が蘇った。


感情を解き放ってしまったラグストーンはバラバラになり、円盤に吸収されて飛び去ってしまった。


カワヤ医師に助けられ、好感を抱いたシノブリーダーだったが、彼の寝言(他の女性の名前を連呼!!)が全てを御破算に。


「春」は、まだまだ訪れそうにありません。

2015年12月15日火曜日

ウルトラマンコスモス 第58話 カオス激襲 

エリガル カオスエリガル登場


「探査宇宙船ワルツ3号」のパイロットであるミツヤが、太陽系のはずれP87ポイント近くの小惑星から持ち帰った鉱石。


それは、文字情報の記録媒体だった。


一部が翻訳され、「人々の考えは様々に混じり合い、乱れ、この星は、とてつもない混沌の中に・・・。」とカオスヘッダーの事が記されていた。


この鉱石は、カオスヘッダーに襲われた星のものらしい。


翌日の総攻撃を前にして、表情が冴えないムサシ隊員に対し、「何、考えてたの。」、「あたしの事だ。」とアヤノ隊員が冗談を。


「迷ってるの、ムサシだけじゃないよ。あたしだって。」と諭すアヤノ。


今回は、テックブースターのモジュールファィターにカオスキメラを大量に搭載し、P87ポイントに打ち込む作戦。


テックブースターの操縦は、ヒウラキャップ自らが。


しかし、キャップが一番危険な任務を遂行するのは、指揮官として軽率ではないのかとシノブリーダーが詰め寄る。


ヒウラの弁、それは「TEAM EYES」の本当の任務である「怪獣達を守る事」ではない任務だからだ。


本来の目的と異なる任務に、部下を携わらせる訳にはいかないという事だ。


ヒウラは、成すべき事の「原点」、「基本」を忘れていない素晴らしい指揮官。


世間や官僚の中には、部下を私利私欲の為に利用する輩が多いが、是非とも見習って欲しいものだ。


本来の目的に戻る為にも、P87ポイントへ向かわなければならないとの2人の会話を耳にしてしまったムサシの表情が雲る。


そのためには、カオスヘッダーを「倒す」しかないのかと。


エリガル出現の報を受け、「こんな時に」との表情を浮かべるシノブ。


シノブに被る、エリガルの鳴き声。


そして、エリガルが登場だったが、エリガルの鳴き声で尺を切って姿を映さなかった方が、緊迫感が伝わり易かったのでは。


なぜ、今回の登場怪獣がエリガルなのか。


選択肢としては、ゴルメデや主流の怪獣と思われるのだが。


逆に言えば、これこそが『ウルトラマンコスモス』の世界観なのだろう。


それとも、地上に出現しても救われない種族なのだろうか(初代、2代目は死亡。更に2代目は、2度もカオス化した挙句の果てに消滅)。


カオスヘッダーは、こちらの作戦を読んでいたようだ。


同時にトレジャーベースを覆い尽くし、機能を麻痺させてしまう。


対抗策を失ったヒウラは、足止めを食らい出撃不能に。


防衛軍の戦闘機が、あっさりと撃沈。


操縦者の顔を映し命の尊さを描写した方が、命の重さをテーマにしている『コスモス』の世界観とマッチするのではなかろうか。


前回のカオスウルトラマンカラミティとの戦いでの苦戦が、脳裏に浮かびながらも変身するムサシ。


カオスエリガルの細胞組織を変化させ、毒ガスの放出を停止。


カオスヘッダーを分離させ、何とかひと段落。


だが、カオスヘッダーは是非を問う。


逆に、我々の秩序を乱していると。


最終回に向けての7部作の構成。


本編には無かった、ドイガキと吉井ちゃんが手と手を取り合う場面が、エンディングの映像にありました。

ウルトラマンコスモス 第34話 海神(かいじん)の怒り

レイキュラ登場


ドイガキ隊員が、遂に吉井ユカリをゲット。


これまでは、隊員の「恋」はなかなか成就しなかった。


今回は、それを覆したお話なのだ。


海底で発見された、遺跡を巡る物語。


人類を滅ぼそうとした、石像(海の番人)が復活。


それを封じたのは、ユカリが発見した、彼女の耳にだけ聞こえる不思議な音色の貝だった。


これが今回のあらすじだが、最近の『コスモス』は、ちょっとパワーダウンしているのでは?


確かに、これまでのシリーズでは数えるほどしか登場しなかった海底メカが、度々登場しているのは素晴らしい。


だが、「古代の遺跡を発見」、「ウルトラマンの活躍だけでは手に負えない」、「それを封じる為、アイテムで解決」といった流れ(『ウルトラマン』第7話「バラージの青い石」)には、新しいものへの挑戦が感じられない。


さらに、ドイガキとユカリを中心にしたストーリーの是非を問うつもりは無いが、大事件にも関わらず、民間人の反応に一切触れられていないのも、悪い意味で現実離れしている。


昭和の第1期の作品『ウルトラQ』、『ウルトラマン』、『ウルトラセブン』には、当時は理想に過ぎないが、何年後かには実現するかもしれないという「メカニック」、「構想」等の「驚き」や「夢」(良い意味での現実離れ)が満ち溢れていた。


あらゆるものが氾濫し、出し尽くされてしまった昨今かもしれないが、「ウルトラシリーズ」を永遠に継続させるには、思い切った「大革新」が必要なのではなかろうか。


昨今の『ウルトラマンティガ』、『ウルトラマンダイナ』、『ウルトラマンガイア』という、一連の進化の流れを経験しているだけに、余計に痛感してならない。


もう最後だと思っていた、オリジナルビデオ版『ウルトラセブン』が、何度かにわたり製作され続けたが、もう『ウルトラセブン』を製作しなくても大丈夫な「新作」にも期待したいが、それだけ『ウルトラマンコスモス』への期待は計り知れないのだ。

2015年12月14日月曜日

ウルトラマンコスモス 第33話 怪獣狙撃手(ハンター)

ネルドラント カオスネルドラント登場


怪獣殲滅兵器開発チーム「ガウス」のチーフ、ナガレジュンヤ(『ブルースワット』ショウ役)。


人々を守る為に怪獣は殲滅させるという、防衛軍の思想は絶対悪ではない。


だからこそ、その都度、怪獣保護を主張する「TEAM YEYS」とは、意見が衝突してしまう。


防衛軍の姿勢は、『コスモス』放映開始時のテーマに対する、スタッフ自らへの問い掛けであり、挑戦でもあるのだろう。


怪獣を無暗矢鱈に攻撃しないという難題に、毎回挑んでいるであろう。


怪獣保護の理念を、もっと世間一般に受け入れてもらうべく、鏑矢諸島の「怪獣保護センター」を見学して貰い、「生命」の尊さを見て、感じてもらうのも一考ではなかろうか。


「TEAM EYES」のメンバーに、「優しさを語り合う弱い集団」。


「優しさじゃ、平和は得られない。」、「力こそ、平和を手にする事が出来るんだ。」と、持論をぶちまけるナガレチーフ。


しかし、ムサシは毅然と切り返してみせた。


「力でねじ伏せて、ただ殺すだけだったら、人殺しと変わらない。」と。


えクリプスモードへの、苦闘があったからこその確信だ。


だが、ナガレには「深い傷」があった。


怪獣災害で、友達を助けようとして犠牲になった妹・みゆきの死。


平和を守る為に、怪獣を殺す。


少し、偏りかもしれないが、難しいところでもある。


殺人事件の犯人に対する復讐の念を、全ての人々に向けていると言えなくもないからだ。


ネルドラントに留めを刺そうとするナガレと、それを阻むムサシ。


なんと、そこにカオスヘッダーが。


ネルドラントは、元気に、しかも凶暴になってしまったから最悪の事態だ。


極限の状況の中で、お互いを守りあうナガレとムサシ。


炎に包まれたムサシが、コスモスへ変身。


苦戦の末、カオスネルドラントを何とか撃滅したコスモス。


ネルドラントは鏑矢諸島に運ばれ、リハビリに励んでいるとの事。


「TEAM EYES」の作戦室に、再びナガレがやって来た。


「人命と街を守りたいという願いは同じだ。」との1点に於いて、共通項を見出したのであった。


この時、ナガレが妹のお墓に立ち寄ってから「TEAM EYES」の作戦室を訪れていたのかもしれません。


更なる誓いを胸に秘め、少しは「深い傷」が埋まろうとしていたのではなかろうか。

2015年12月13日日曜日

ウルトラマンコスモス 第32話 悪夢の実験

ゴルメデβ 鏑矢諸島の怪獣たち登場


リドリアス、スピットル、モグルドン(万国旗で派手に、どこかへお出かけ?)、ミーニン(額の絆創膏が取れてないね!)、イフェメラ(の卵)、ジェルガ、ボルギルス、と錚々たる顔ぶれ。


「鏑矢怪獣総進撃」と言ったところだろうか。


「強力麻酔弾実験計画」、対怪獣強力麻酔弾「Dream sleep」の実験を、保護している怪獣たちで試そうとしたが、ムサシが人選(怪獣選?)に迷っている時、B5エリアにゴルメデβが出現。


怪獣出現の報は、「怪獣保護管理センター」にも、逐一連絡があるようだ。


なぜ、怪獣が出現して暴れるのか?


ムサシの問い掛けに、ドイガキ隊員が答える間もなく防衛軍が登場。


怪獣保護を唱える「TEAM EYES」と西條が、イデオロギーの闘争だ。


「Dream sleep」の使用を躊躇うムサシを尻目に、防衛軍が攻撃を開始したのだが、退治するどころか、ゴルメデβの生命力反応が増してしまった。


怪獣の体内の汚れた産業廃棄物は、防衛軍の開発工場から汚染物質として地下水脈を通じてタレ流されていたのが原因であった。


怪獣が大暴れする原因、要因は人間にあったのだ。


環境問題と同様で、結局は人災でもあるようだ。


怪獣の攻撃により、墜落するテックサンダー3号。


ムサシがコスモスに変身するのは、ちょっと違和感が。


撃墜され、踏み潰されているのに、いきなり右手にコスモプラックをアップで映されても・・・。


ゴルメデβも、コスモスの活躍で無事に保護された。


鏑矢諸島の新入りとして、第2の人生(獣生?)を歩むのだろう。


モグルドンは、ボルギルスに友達になって貰えなかったのかな?


鏑矢諸島を訪れたアヤノ隊員を追い回していたけど、結構、寂しがり屋みたい。


モグルドンとボルギルスの新撮は、やはり嬉しいですね。

2015年12月12日土曜日

ウルトラマンコスモス 第31話 ゴンを救え

クレバーゴン カオスクレバーゴン登場


オープニング映像に、コスモスのエクリプスモードがワンカット挿入された。


遂に、カオスヘッダーが直接コスモスを狙い始めた。


ムサシ隊員を襲ったが、クレバーゴンの身代わりにより、ゴン(クレバーゴン)が取り付かれてしまう。


カオスクレバーゴンが体内に車を放り込む姿は、『ウルトラセブン』第38話「勇気ある戦い」そのもの。


昭和の「セブン対クレージーゴーン」が、平成で「コスモス対クレバーゴーン」として蘇りワクワクする。


「信頼と勇気」がないとゴンを救えないと、コスモスへの変身を拒まれたムサシだが、カワヤ医師の助言により再び立ち上がる。


カワヤ医師は、かつては臨床医だったが、友達の重い病を救う手術を勇気が無かった為に引き受けられなかったと。


友は助かったが信頼を裏切った為、研究班に移ったのだ。


カオスヘッダーに取り付かれたゴンだったが、ムサシと過ごした楽しかった日々の記憶は失われてはいなかった。


彼を信頼するかのように、ゴンは動きを停止。


ゴンの勇気だったのだろう。


コスモスは、エクリプスモードにチェンジし、ゴンま中のバイオチップに取り付いていたカオスヘッダーだけを見事にコズミューム光線で撃ち抜いたのだ。


お互いの、「信頼と良勇」が呼んだ勝利だった。

2015年12月11日金曜日

ウルトラマンコスモス 第30話 エクリプス

カオスヘッダー・メビュート りドリアス登場


コスモスが倒された今、「TEAM EYES」も防衛軍をバックアップする事になった。


実体カオスヘッダーを保護する訳にもいかず、妥当な案だ。


コスモスを探すムサシは、ユウキくんが持って来たゴンと再会。


ユウキくんがムサシを元気づける為にやって来たのだ。


ムサシはいつも他人を励まし、元気にし勇気を与えていた。


だから、自分が困難に遭遇した時に、それが自分に還元されたのだ。


すなわち、他人を励ます事は、自分自身を励ます事でもあるのだ。


V3エリアに出現した実体カオスヘッダーだったが、防衛軍はもとより「TEAM EYES」も歯が立たない。


やはり、コスモスの力が必要なのだ。


コスモスを発見したムサシは、アヤノ、ショージ、ユウキくん、ゴンと一緒に「光」を照射する。


ムサシ以外にはコスモスが見えないので、ゴンが鏡を持って「ここかな。」というのがカワイイ。


だが、数千年に一度の7分を超える皆既日食が、コスモスの交信信号(1420mhz)を弱らせてしまう。


避難せずに、コスモスに「光」を照射し続けるアヤノ隊員の姿には、ムサシ同様に私も感動。


見せかけの勇気ではなく、本当の勇気を垣間見たようだ。


実体カオスヘッダーが襲いかかって来る。


その大ピンチを救ったのは、癒し系怪獣だと思っていたリドリアスだった。


とても逞しく、かっこ良く見えた。


イケヤマ管理官の判断で解放されたリドリアスだったが、ヒウラキャップの悪い予感が的中。


リドリアスが、カオスヘッダーに乗っとられようとしてしまう。


しかし、過去に取り付かれていた為に、一時的にカオスヘッダーを抑える抗体を作り出していたのだ。


エリガル同様、今後の対カオスヘッダー対策の糸口が掴めたのだ。


コスモスの姿が、アヤノにも見えた。


「怪獣を守りたいという、夢があるからだよ。夢を見続ける勇気があれば、ウルトラマンはきっと見える。」とムサシが言う。


アヤノの、そして皆の勇気を持ちえたムサシの心が、コスモスに見えた。


コスモスがムサシと分離したのは、彼の命を守る為だった事を告げる。


皆既日食という最悪の状況の中での「輝き」がムサシを包み込み、コスモスと一体化したその時、コスモスは蘇った。


ムサシが皆から貰った優しさと強さ、そして勇気が新しいコスモスを誕生させた。


もしも、コスモスが地球を再度訪れなかったら、またムサシがアヤノと出会っていなければ、突然変異体のようなエクリプスモードは誕生していなかっただろう。

2015年12月10日木曜日

ウルトラマンコスモス 第29話 夢見る勇気

カオスエリガル カオスヘッダー・メビュート リドリアス登場


「ルナ対コスモス」の戦い、夢か・・・。


エリガルを救えなかった事が、ムサシの胸に深い傷となって残っているようだ。


準レギュラーのようなリドリアスに問い掛けるが、怪獣保護の限界をアヤノも感じている様子。


ムサシは、幼なじみのショウジと久々の再会。


なんとクレバーゴンは2年前に、足の手術を受ける「勇気」と一緒に、彼の弟ユウキくんにプレゼントされていたのだった。


本話のサブタイトルだけでなく、内容も『ウルトラセブン』第38話「勇気ある戦い」と重ね合わせる事が出来る。


そして、ムサシが誰にも信じてもらえなかった事(コスモスとの出会い)を、真剣に聞いてくれたのはゴン(クレバーゴン)だった。


だから、他の人が信じてしれなくても「勇気を持って、何を言われても我慢出来た。」と。


「今の時代、我慢する事が結構出来ないんだよね。すぐ、キレてしまって。」とショウジくんがアヤノに語っていたけど、「夢を見続ける勇気」をムサシの姿から学んだようだ。


またまた出現した、カオスエリガル。


リドリアスと準レギュラーを争っているのか(冗談です)。


何とか救いたいとの思いから、辛抱強くフルムーンレクトを照射するが、姿を現したのは実体カオスヘッダー。


その鳴き声はガタノゾーア(『ウルトラマンティガ』)のようであり、それだけで邪悪さを感じてしまう。


しかも、ずる賢い事にエリガルの姿で、コスモスのエネルギーを使い果たしてやろうとの算段だ。


ムサシの悪夢、コロナが実体カオスヘッダーであり、激突した両者だったが、その衝撃でムサシとコスモスが分離してしまった。


こんなの初めてだ、まだ最終回でもないのに。


しかも、コスモプラックも輝石に戻ってしまい、正にダブルインバクト!!


エネルギーを消耗し、姿を消してしまったコスモス。


何かを感じたのだろう。


鏑矢諸島では、リドリアスが悲しそうに悲鳴を上げていた。


そして次回へと続く。

2015年12月9日水曜日

ウルトラマンコスモス 第28話 強さと力

エリガル カオスエリガル登場


今回のムサシは、ちょっと変で、かなりイライラしている。


カオスヘッダー・イブリースとの戦い(第26話「カオスを倒す力」)で、自分の力不足を感じたからだろうが、唐突の感が否めない。


せっかく長期のシリーズ構成が出来ているのだから、第27話で多少なりとも、ムサシの微妙な心理を表現して欲しかった。


でも、サブタイトルは素晴らしい。


第26話の「カオスを倒す力」には、今回の「強さ」が必要だという「力」が、合わせ鏡のようになっているからだ。


怪獣保護に賛同していた我々だったが、収録に訪れたテレビレポーターの言葉「怪獣の生き死にの権利を、あなた(ヒウラキャップ)や、TEAM EYESが握っているわけですよね。」は、結構ショックだった。


しかも、「安易に攻撃に移りすぎている。」と。


たしかに、そうかもしれない。


他者の生存権を左右する事は、誰にも出来ないはず。


主題歌の歌詞にもある「力で勝つだけじゃ何かが足りない♪」に対する双方からの疑問を、2クールを過ぎて、作品にしてしまうとは思ってもいなかった。


何を焦っているんだ、ムサシ隊員。


ヒウラキャップは、彼の全てを見通していた。


「強くなる事と、力をつける事は同じだと思うか。」、「力に頼らない、強さもあると思うがな。」と優しく諭す。


38連敗中の対フブキ戦での空手に、初勝利したムサシの後味の悪さを見事に指摘していた。


今のムサシの姿は、「勝つ為なら、何でもしてやる。」という、一昔前の凶器を振りかざしていた外人レスラーのように見えてしまった。


初代、2代と現れた怪獣エリガル。


見かけは可愛らしいが、ストーリーは結構シビア。


初代はやむおえず退治されたが、2代目は自分の力で取り付いていたカオスヘッダーを抑えつけていた。


しかし、「TEAM EYES」が決行した事が、カオスヘッダーの力を解放してしまった。


良かれと思った事が仇となり、「小さな親切、大きなお世話」状態になってしまったのだ。


我々の日常にも多々ある事だが、悲しいかなカオスエリガルを倒したものの、コロナエキストラクトを最大の力で放っていたために、2代目エリガルも絶命。


まるで、エリガルの種族が呪われているかのように。


夕陽が沈むまで、エリガルの亡骸を抱き抱えるコスモス。


ムサシが叫ぶ。


「何故だ、何故なんだコスモス。僕が力を、力を求め過ぎたのがいけなかったのか。力は、優しさを消してしまうのか。返事をしてくれ、コスモス、コスモス。」


ウルトラマンを宿す人間が、ここまで不信感を露わにした事が、かつてあっただろうか。


ムサシとコスモスの存在が対等である以上に、お互いの信頼関係に亀裂が入ろうとしているようだ。

2015年12月8日火曜日

ウルトラマンコスモス 第27話 地球生まれの宇宙怪獣

ザランガ ベビーザランガ登場


アヤノ隊員の「落ちました。」から始まった宇宙怪獣の「捕獲作戦」。


宇宙から落下し、下半身が地面に埋まってしまった怪獣を、ケーブルで引き上げようというのだ。


テックサンダーが両腕を引っ張る様子は、傍から見ていると、怪獣が「凧揚げ」をしているようでした。


宇宙怪獣の飛来を、妙に喜んでいたムサシが、作戦失敗を見かね「もう、世話の焼ける奴だな。」と嬉しそうに変身。


やっとこさと、怪獣を地面から引き上げると、デッカイお腹が。


シノブリーダーに「お腹の中に、赤ちゃんがいるの。」と聞かされて大慌て。


いきなり、コスモスのカラータイマーが赤色の点滅を始める。


まるで動揺して、心臓の鼓動が高鳴っているようだ。


そうか、実はカラータイマーの点滅音は、焦った時の心臓の鼓動音だったのか・・・違います!


怪獣は出産の為に地球にやって来たと、名推理をするアヤノ。


でも、マグロとシャケの習性を間違えちゃあダメですよ。


イケヤマ管理官によれば、怪獣ザランガは過去に何度か子供を産みに、地球にやって来たらしい。


江戸時代の記録に残っているとは、驚き。


体温を下げる為に、海を目指してやって来るのだが、目測を誤ったらしい。


実は、花火大会の火薬を避けただけ。


自分の鼻風船がはじけ、目を覚ますなんてノンビリ屋さんですね。


「TEAM EYES」の尽力により海岸へと誘導するのだが、それを遮ったのは無邪気で無責任な人々だった。


お祭り騒ぎで怪獣の進路を阻止し、挙句の果ては花火を打ち上げる始末。


突然の来訪者に対して、この仕打ち。


本当の被害者になりつつあったのは、地球人ではなくザランガの方だ。


再度、コスモスが登場し、球体に包み込んだザランガを「にしはま海岸」に運び、無事に出産に成功。


ベビーザランガのかわいい事。


帰巣本能で、親子共々また地球にやってくるのかな。



2015年12月6日日曜日

ウルトラマンコスモス 第25話 異星の少女(ひと)

グインジェ登場


殺伐とした社会情勢にあって、人々の中にある「善の心」を垣間見せられた、「心温まる」良質な作品だった。


ムサシが、J4エリアをパトロール中に出会った風貌の冴えない男が、SRCの名物男カワヤ ノボル医師だったとは。


演じる影丸茂樹さんの、芸の幅って広いですね。


SRCの全女性職員にふられていたとは。


しかも、シノブリーダー、アヤノ隊員も含まれているのだから・・・。


でも、その都度、自称「王子様」が「お姫様達」にキスしているのだから、それはそれで美味しい気もするのだが・・・。


S2エリア上空を通過した未確認飛行物体に、いきなり攻撃を仕掛ける「防衛軍」の戦闘機。


「シャークス」時代の体質が、そのまま残っているようだ。


墜落した人工冬眠装置の中の異星人を追う、防衛軍のリーダー格の男。


なんと、「リザード」(『ウルトラマンガイア』)の瀬沼さん(石井 浩氏)では。


そうか、同業他社に転職していたのか・・・。


いえいえ、もちろん違います。


街中を蹂躙する防衛軍戦車部隊「ベンガル」の光景は、特撮の世界では、ある種定番の非日常的な世界。


戦車が通過すると、自転車が倒れるのは、もはや(お遊びの)の定番だ。


ラミアの星は、他の星からの攻撃で文明を崩壊させられた過去を持っていた。


そこで、「転ばぬ先の杖」の如く、事前に危険な星を抹消する任務「破壊指令ゼロゼロ」を帯びて、グインジェを伴い地球にやって来たのだった。


彼女達なりの、正当な理由に違いない。


ある種、氷のように冷え切ったラミアの心を溶かしたのは、事前に好戦的な星と調査され、一度は、それを見せつけられた地球人であった。


ラミアから、グインジェのコントロール装置を奪った3人の若者達は、カワヤ医師の優しさに触れ、それを返却。


防衛軍の男達から、ラミアを守ろうとして被弾したカワヤ医師の、自分を犠牲にしても他人を守ろうとする行為。


それが、偏っていたラミアの認識、評価を覆した。


振られ続けのカワヤ医師が、ラミアに恋心を抱いていなければ、地球のコアはグインジェの惑星消滅ミサイルを免れていなかったかもしれない。


つまり、間接的だが、「カワヤ医師の限りなきチャレンジ魂」(『ウルトラマン80』第45話のサブタイトルのようだ!)が地球を救ってくれたのだ。


最初は、ラミアにチョッカイを出し、カワヤ医師に暴行を働いた3人の若者達の1人が、足を負傷。


それをカワヤ医師に救われ、彼らは口々に「ありがとう」の言葉を。


誰の中にも、「善の心」があるのだという、この場面が昨今のドラマに欠けている大切な部分だと思う。


ラミアは、グインジェと共に故郷の星に帰り、「地球人が必ずしも好戦的な種族だけではない事。」を訴えるとの事。


ラミアの誇りとピアノ伴奏が、見事な二重奏を奏でていた。


「私は、あなたに会えて良かった。」との言葉を、直接耳にする事が無かったカワヤ医師だが、その身体からは、銃弾が取り除かれていた。


カワヤ医師、トレジャーベースに復帰したのでした。

2015年12月5日土曜日

ウルトラマンコスモス 第24話 ぬくもりの記憶

グラガス登場


アヤノ隊員2回目のエピソードは、ズバリ「名作」だ。


唸らされてしまった。


鈴木繭菓ちゃん筆による「題字」から、アヤノワールドへと突入。


携帯電話には、カエルのグッズが。


彼女の故郷は「神流(jinryu)市」で、そこにはママが居て、「藤堂ちか」という幼なじみ(東京在住)がいる。


そこでは、悪魔のような姿をしたグラガスが、街の電磁波を吸い込んでいた。


電磁波を吸い込んだ為、こんなにも恐ろしい姿になってしまったのだろうか。


だとしたら、携帯電話の普及した昨今であるが、数年後は更に恐ろしいかもしれない。


電磁波の塊を除去する作戦に失敗した「TEAM EYES」は、弁償問題に発展し兼ねなかったが、現実感があり生活感が漂っている。


アヤノにだけ姿が見える高杉純(『ブースカ!ブースカ!!』、『ウルトラマンティガ外伝』でお馴染の上條誠くん)は、交通事故で入院中。


また、彼にだけグラガスの姿が見えるのだが、電磁波の影響により信号機が誤作動し事故ったのなら、グラガスの大チョンボだ。


怪獣が居る事を街中で叫んでいて、アヤノと再会。


彼の少年時代の回想シーンは、秀逸だった。


その当時、迷子になり幼き日のアヤノちゃん(第8話で登場済み)と出会っていたのだ。


BGMには、エンディングの「君にできるなにか」のピアノ演奏が。


これだけでもグッときてしまうのに、その伴奏に合わせて、2人が歌詞を声に出して歌っているのには感動!!


皆の前に姿を現したグラガス。


その、いかにも悪そうな姿を見て悟ったのか、コスモスもいきなりコロナモードへとチェンジ。


テックサンダー3号で、単身駆け付けるアヤノの操縦席の前方には「若葉マーク」が。


空を飛んでいるのだから、「道路交通法」は関係ないのでは・・・。


グラガスを退治し、病院に駆け付けるアヤノ。


案の定、純くんは何も覚えていなかった。


その場に母親も居たので、一瞬気まずい雰囲気に。


だが、無邪気なアヤノが「でも、純くんが元気になって良かった。」と握手した瞬間に、純くんの中にあった「ぬくもりの記憶」が蘇った。


以前、アヤノに自ら差し出した手を引っ込めてしまったが、幼き日に貰った元気「手つないだら、疲れないよ。」を覚えていたのだ。


2人の口からは再び「夢を追いかけて すべてが変わる♪」か゛、そしてエンディングへと。


この時ばかりは、ムサシも子供扱いされた様子。


今回は、写真店に飾られていた純くんの幼い日の姿が、現在の姿に見えていたりと、良い意味で幼く純粋な心を持っているアヤノだからこその大活躍。


怪獣(グラガスは、怪獣というよりも悪魔!)が登場しなくても、SFの要素、幻想的な映像美、センスオブワンダーが随所にちりばめられた人間ドラマの「名作」だったようです。

2015年12月4日金曜日

ウルトラマンコスモス 第23話 ルナ対ルナ

ゲルワーム登場


前回の回想シーンが、ムサシの口の中に収まってしまうとは・・・。


さすがは北浦嗣巳監督。


フブキ隊員とムサシは、大学の校内から発せられている未知の怪電波を探る為に、私服潜入捜査を開始。


大学のガードマンを演じているのは、二家本辰巳(『ウルトラマンレオ』のスーツアクター)氏。


「オカルト研究会」のカスミちゃんによれば、フブキの前世は「ミジンコ」との事。


ドッペルゲンガー騒動が、彼の以外な過去を暴いてしまった。


もしかして、プライバシーの侵害?


ムサシに、弱みを握られてしまったようだ。


謎の怪電波は「鉱物研究室」で調査中の、質量不明の隕石から発せられていた。


後に判明するのだが、取り残されたゲルワーム(ピンク色の小さなイモムシ)が、隕石のテスト中の時だけ発信していたものだ。


外を徘徊しているゲルワーム(青色の小さなイモムシ)は、それを探す為に人間に取り憑いていたのだ。


だが、本当の不幸は、この後に起きてしまった。


鷹村教授の姿をしたゲルワーム(青色)は、「バイオ工学研究室」に逃げ込み、足を滑らせスイッチに手を触れたため、頭から人工細胞を増殖させる液化ガスを浴びてしまう。


そして、突然変異して巨大化。


偶然の積み重ねが、事態を深刻化させてしまったのだ。


ゲルワームの着ぐるみって、かなりデカイですね。


コスモスの出現は、ゲルワームの姿をコスモスの姿に変えてしまうのに、時間はかからなかった。


今までの「ホンモノ対ニセモノ」は激闘が多かったが、今回のそれは趣が異なっていた。


本当は「戦いたくない者同士」が、真正面から渡り合っているだけなのだ。


まるで、合わせ鏡のように。


しかも、ニセコスモス(ルナモード)には「光」が宿っていないので、決着も早かった。


本来の小さな姿を取り戻したゲルワームは、隕石から出て来た相方と再会し、隕石もろとも空高く舞い戻って行った。


ゲルワームにとっての受難は、終りを告げたのだ。

2015年12月3日木曜日

ウルトラマンコスモス 第22話 テックブースター出動せよ(後編)

カオスパラスタン パラスタン 登場




コスモスの援護を、グラップアームで行うテックブースター。




どこかで見たと思ったら、劇場版『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』で活躍した、「SRC」のライドメカであるトロイトータルのドデカグローブの改良型のようだ。




遊星ジュランの洞窟で、ミツヤ隊員を発見したムサシ。




遊星ジュランの文明を築いたのは、異星からやって来た宇宙人との事。




石碑に記されていた魔獣が、今また暴れているのだ。




カオスヘッダーが取り憑付いたのはカオスパラスタンだけでなく、遊星ジュランそのものにも取り憑き、その軌道を変えていたのだ。




カオスヘッダーは光の粒子状のまま、ムサシを襲撃。


その頃、「TEAM EYES」も石碑の解読に成功。




「文明を破壊され、力も無い我らの前に光の巨人が現れ、悪の光を打ち倒した時、魔獣、守護獣に戻り、星の軌道も戻った。」と記されていた。




宇宙人は遊星ジュランを去ってしまったが、この宇宙人はもとより、もっと気になるのが「光の巨人」というフレーズ。




ラストで、フブキ隊員も同様の事を口にしているが、コスモスの事を指しているのか、それとも、『ウルトラマン』第7話や『ウルトラマン80』第8話に登場した「光の巨人」なのかと想像すると、「夢」が広がります。




しかし、カオスヘッダーの存在が、遥か遠い昔から存在していたのも事実なのは怖い。




洞窟内で巨大化し、地上に再び姿を現したカオスパラスタン。




その口から放たれた破壊光線を、身を呈して遮ったのはコスモスだった。




しかも変身、登場と同時に、まばゆいばかりの姿を現したコスモスの何と美しい事。




光の巨人に相応しく、光の姿で実体化。




ワンカットの中に、CGが見事に生かされている。




しかも、足元のヒウラキャップ達も違和感無く収められている。




コスモスの光線を浴び、カオスパラスタンは守護獣の姿を取り戻すが、カオスヘッダーはしつこい。




光の集合体を実体化させ、頭部の角は邪悪さを増し、更に凶暴化。




だが、コロナモードにチェンジしたコスモスの敵ではなかった。




遊星ジュランの軌道は変わらず、地球を目指していたが、弱っていた守護獣が、コスモスから光のエネルギーを分け与えられた事により、事態は解決へと向かったのだ。

2015年12月2日水曜日

ウルトラマンコスモス 第21話 テックブースター出動せよ(前編)

カオスパラスタン登場


オープニングの前に、いきなりハイライトシーンが映し出された。


本話より登場のテックブースターが、オープニング映像にも挿入されている。


1000年に1度、太陽系にある軌道上を通過する遊星ジュランに、生命反応が。


「SRC宇宙開発センター探査部」は、探査船ワルツを打ち上げて調査を行っていた。


パイロットのミツヤ隊員は、宇宙開発センターでムサシと同期だった人物。


しかし、ムサシらとの交信中に、突然音信が不通に。


しかも、遊星ジュランは軌道を変え、地球へと向かっていた。


4日後、96時間後には地球と衝突してしまうのだ。


防衛軍は、超高性能ミサイルでの迎撃を決定。


しかし、ヒウラキャップ、シノブリーダーは最新鋭のテックブースターを使い、行方不明のミツヤ隊員の救出と共に、遊星ジュランの軌道を元に戻そうと、佐原司令官、宍倉副司令官に食い下がる。


タイムリミットまでに作戦が成功しなければ、ミサイル発射という殉職覚悟の背水の陣で挑む「TEAM EYES」のメンバー達。


アヤノが、叶わぬ願いと知りながらも、ヒウラに対し「私も、みんなと一緒にジュランに行かせて下さい。」と。


メンバーそれぞれの激励を受け、自分の持ち場で責任を全うする事が、自身の使命だと自覚したアヤノ。


「了解しました。」との敬礼が、今までに無く頼もしさを感じさせてくれる。


颯爽と宇宙を駆けるテックブースターは、テクノプラズマ・キネテックシステムを発動させ、時間を一気に短縮。


遊星ジュランの大気圏に突入しようとした、その時だ。


ミツヤ隊員の声が。


だが、遊星ジュランで発見したのは、ワルツの残骸だった。


そこに姿を現したのは、無数の光の粒子で構成されたカオスパラスタン。


しかも、カオスヘッダーに取り憑かれていた。


カオスヘッダーは所構わずで、かなり厄介な存在。


「この星から、出て行くんだ。ムサシ、帰るんだ。」と、どこからともなくミツヤ隊員の声が通信に入って来る。


ワルツの残骸を目指し駆け出すムサシは、援護射撃をしてくれたテックブースターを救うべくコスモスに変身。


カオスパラスタンは強い為、大苦戦を余儀なくされるコスモス。


その間にも、遊星ジュランは刻一刻と地球へと迫りつつある。『コスモス』2回目の前後編は壮大なスケールなのだ。

2015年12月1日火曜日

ウルトラマンコスモス 第20話 ムサシの空

ボルギルス登場


帰還早々、基地内で倒れ込んでしまうムサシ隊員。


怪獣保護で、オーバーワークだそうだが、コスモスとの融合による戦いの影響もありそうだ。


それは、ヒウラキャップの決断を促すには十分だった。


ムサシは「SRC宇宙開発センター」の顧問から、テックブースターの最終調整依頼の御指名を受けていたのだ。


ヒウラの、ムサシの身体を気遣う思いやりが、彼を「SRC宇宙開発センター」へと移動させる事を決断させたのだろう。


地底から土を巻き上げ、砂埃と共に出現したボルギルス。


やはり、怪獣の出現は、これがセオリーだ。


しかも、四つ足歩行で、後ろ足のデザインも違和感がない。


2ケ月前にパリで、1ケ月前には上海に出現したそうだ。


そして、日本ではお馴染のJ9エリアに出現。


ムサシのオーバーワークによる体調不良も影響してか、「TEAM EYES」はボルギルスを取り逃がしてしまった。


「自己管理も出来ん奴が、保護とか偉そうに怪獣の心配なんかしてんな。」と、フブキ隊員は言い放つ。


ムサシが、「TEAM EYES」を辞めてしまう事を知っていた為に、彼の精一杯の思いやりなのだろう。


かくして、ムサシは旅立とうとしていた。


アヤノ隊員は、ムサシを待っていた。


「怪獣達にも、ムサシ隊員が必要じゃないのかな?」


ムサシは、「アヤノちゃん云々」とからかう事もなく、一段と足音を高く鳴らしながら去って行った。


アヤノの本音、「私だって」の言葉は、彼の耳に届いていなかった。


やはりアヤノは、ムサシに対し特別な感情を抱いていたようだ。


木本研作博士と、8年振りの再会を果たしたムサシ。


「SRC宇宙開発センター」の顧問だったのだ。


劇場版『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』のムサシの少年時代やクレバーゴンの映像も懐かしい限り。


ボルギルスは、テクノプラズマに反応していたのだ。


2ケ月前にはパリで動力部を造り、1ケ月前には上海でテクノプラズマ・キネテックシステムの最終テストを行っていた。


お腹を空かせて、「SRC宇宙開発センター」へと向かうボルギルス。


ムサシは怪獣を保護し、テックブースターを守る為に「TEAM YEYS」の制服を身に纏う。


何かを成し遂げる為に、他の事を犠牲にするのではなく、全てに打ち勝つ姿勢を我々に示してくれたのだ。


その思いは、木本博士も同じだった。


「君が正しいと思うのなら、そうしなさい。後悔しないように、君の道を進みなさい。」と、暖かくムサシを送り出した。


登場したコスモスは、高エネルギーをボルギルスに与え、満腹感に浸った怪獣を眠りに就かせた。


鏑矢諸島に保護されたボルギルスは、テクノプラズマ700年分をコスモスから受けていたそうだ。


怪獣の寿命は、かなり長いようだ。


2度目の「入隊式」を無事に記念撮影で終え、ムサシは若くして早くも「出戻り」になってしまいました。

2015年11月30日月曜日

ウルトラマンコスモス 第19話 星の恋人

アングリラ登場


5年前、「地球平和宣言」が採択された際に、軍事衛星は宇宙へ廃棄処分された。


広大無辺な宇宙は、無限のゴミ箱ではない。


自分達が造り出した物を、最後まで面倒を見ずに安易に放置していた為に、今回の悲劇が起きてしまった。


旧軍事衛星「アンジェリカ」(DS36-0529)が、誤って未確認飛行物体を攻撃。


自動迎撃プログラムをインプットしたまま、放置していたからだ。


その中には、ミゲロン星人レダとレカが乗っていた。


レダの恋人、レカは亡くなっていた。


アヤノ隊員は、ムサシ隊員をお供にしてショッピングを満喫。


ムサシは、尻に敷かれるタイプなのかもしれない。


買い物の紙袋には、あの「カエル」のイラストが。


復讐に燃えるレダは、知的な報復を開始。


洗脳した車の運転手をアヤノに突っ込ませ、彼女を救い心を掴む。


「施設見学」の案内日が、アヤノの担当日を狙い彼女を洗脳。


「TEAM EYES」の指令室に潜入し、コンピューターを操作させる。


「アンジェリカ」を再起動し、何と「ジェルミナⅢ」へ衝突させようというのだ。


我々も「ジェルミナⅢ」の歴史を知っているので、二重にショック。


ムサシは「復讐と破壊は、何も生み出さない。」とレダに訴えるが、限界が近い体でありながら、彼の耳には届かない。


「怒りと憎しみの情念」が、1匹の怪獣アングリラを生み出した。


そま歪んだ心ゆえか、おぞましい姿をしている。


レダは「ウルトラマンコスモス」と口にしていたが、既知のようだ。


苦戦するコスモスを救ったのは、今は亡き恋人のレカ。


アヤノを利用したつもりが、レカの心がアヤノの中に入り込み、凍てついたレダの復讐心を溶かしてしまった。


2人は、やがて「光」になり昇天。


怪獣アングリラ、そして衛星「アンジェリカ」もコスモスにより消滅させられた。


地球人が、地球中心の考え方を改め、宇宙規模の思考に改めなければ、同じ悲劇が繰り返されるだろう。

2015年11月29日日曜日

ウルトラマンコスモス 第18話 二人山(にびとやま)伝説

戀鬼(れんき)登場


岩手県閉伊部香野ですか。


川上脚本は、いつも時間がゆるやかに流れ、安堵感がありますね。


シノブリーダーは、かつての上官・竹越チーフに思いを寄せていた事が発覚。


妻を亡くし、娘・みどりちゃんがいるようだ。


話が逸れるが、「TEAM EYES」の指令室の壁は、コンディションレベル(レッドなら赤色)に応じて変色しているのだ。


竹越から「シノブ、良かったら、ここで暮さないか。」と、間接的にプロポーズを受けるシノブ。


出会いから、6年が経過していた。


その返事は、ラストまでお預け・・・。


ダムの建設業者が、封印の刀石を破壊した為に謎の地震が発生。


いや、何者かが地面の下を移動している為で、テックダイバー(ランドダイバー)が出撃。


地中に潜るのだが、地表に穴を開けなければ、怨霊鬼・戀鬼が地上に姿を現す事は無かったかも。


戀鬼を封印していたのは、錦田(小十朗)景竜だった。


彼が封印していたのは、宿那鬼(『ウルトラマンティガ』第16話「よみがえる鬼神」)だけではなかったのだ。


川上脚本の成せる技だ。


シノブと竹越が乗ったシェパードを鷲掴みにする戀鬼。


フロントガラスから覗き込む戀鬼が、結構怖い。


ライドメカやコスモスの光線技を一切受け付けず、透過させてしまう戀鬼。


ある種の無敵状態だっが、それを打ち破ったのはシノブの「心」だった。


「いつの時代だって、恋をするって大変な事なの。人を愛するって、簡単な事じゃない。みんなが、悩んで苦しんで、そして傷ついたりしてるの。自分の恋が成就しないからって他の人を傷つけるなんてヒドイよ。」と、涙ながらに訴えるシノブの後ろには、竹越親子が。


竹越チーフも娘のみどりも、シノブの心中を知り、彼女の苦悩を垣間見たのだろう。


決して、悩んでいるのは自分達だけではないと。


やがて戀鬼は地に伏し、赤と青の光になって昇天。


やはり、武力行使だけでは、根本的な解決にはならないのだ。


「思い出を、ありがとうございました。」と竹越に対し、敬礼するシノプ。


彼は、問い掛ける。


「君の幸せは?」と。


シノブは躊躇う事なく「TEAM YEYSの一員である事。」と答える。


駅で帰路につくシノブの元へ「シノブさん」と、みどりが見送りに。


「これからは、シノブ姉さんと呼びなさい。」と優しく微笑みかける。


「わかりました。シノブ姉さん。いつでも、来て下さい。」と、みどりが応じるのだった。

2015年11月28日土曜日

ウルトラマンコスモス 第17話 異次元の罠

ギギ登場


「ヒウラちゃん」


キヤップの事を、こう呼べるサワグチ女史。


ラウンダーショットやりストペーサーなど、様々なメカを生み出したサワグチ女史が、新たな装備品を開発。


しかも、完璧すぎる出来栄え。


ヒウラキャップの主張「科学があって人間があるんじゃなくて、人間がいて科学を・。」の言葉さえ遮ってしまう。


しかも彼の事を「大雑把で不完全」と言い切ってしまう。


デシダルとアナログの攻防戦のようだ。


が、ヒウラに言わせれば、彼女の開発装備品には「使う人間にも、完璧が求められる。」そうだ。


キヤップがムサシを伴い、サワグチ女史のいるSRC開発施設に到着した時には、既にギギ達の支配に陥っていた。


2人もキギ達の手により、縮小され、迷路の中に放り込まれてしまう。


これは、キギの体表の縞模様からのアイデアなのだろう。ギギ達は、飛躍的に進んだ量子学を応用し、次元を移動するシステムを完成させた。


彼らの次元は、崩壊の危機に直面しているのだ。


そこで、2000億人を地球へ移住させる事を目的にやって来たのだ。


しかも、100億人の地球人は「100分の1に縮小」して暮せと。


今回の実験が成功し、彼らなりに手ごたえを掴んだのだから迷惑な話だ。


「論理的で完璧」と自らを誇示するギギに、サワグチ女史は自分を重ね合わせたのだろうか。


「完璧なんて、世の中にある訳無いでしょう。」と言い返す。


その後ろで、少し遠慮がちに「その通り。」と言うキャップが、少しオチャメ。


リストペーサーによる通信は不可能だったが、古いタイプのラウンダーグリップは通信可能で、施設の内部の様子を外部に伝える事に成功。


ムサシは「脱出口を探して来ます。」とヒウラキャップ達の元を離れ、いきなりコスモスが登場。


ヒウラ達を等身大の姿に戻す。


「ムサシ隊員は、先に救出した。」と言い訳をしていたが、バレバレなのでは・・・。


ギギ達3体は、合体し巨大化。


しかし、輸送装置を破壊され、コスモスに留めを刺される。


今回は、ヒウラからの唯一のプレゼントであるリングが、サワグチ女史が入れ替わっていた事を知るキッカケになった。


サワグチ女史は「相変わらず、不完全な人ね。」とヒウラに言い放つ。


彼も、それを肯定しエンゲージリングを送る日は来そうに無いとの意を口にする。


しかし「世の中に、完璧なんて無いんだから。」とサラリと言うサワグチ女史の言葉が、2人の未来を照らし出しているようだ。

2015年11月26日木曜日

ウルトラマンコスモス 第26話 カオスを倒す力

カオスヘッダー・イブリース登場


遂に地球上のR6エリア、湾岸町の三番倉庫で自らを実体化させたカオスヘッダー(あくまでも、地球人の呼称)が出現。


東京では、謎の光を見た人々の失踪事件が相次いでいた。


回想シーンに登場する、正太くんの父親である犠牲者の、狩野(かのう)良一パパが、バルタン星人のお面をつけ、両手のハサミの代わりにスリッパを2つ折りにして代用していたが、生活感がありホノボノとします。


目の前にあった、「東京-群馬」間の宅急便(社名は「パンダ便」)で、群馬県から上京して、パパの救出に向かう正太くん。


この間に、ムサシの幼い頃のエピソードが語られる。


地方に行っていた父が災害に巻き込まれ、しは゛らく連絡が取れない事があった。


ムサシは家を飛び出し、「父に会いたい一心」で、一晩中歩いたそうだ。


「人の感情は、おもしろい。」と言い放ち、地球人の身体に取り付き、分析を繰り返していたカオスヘッダー。


正太くんの父親の姿で、ムサシに攻撃を仕掛けるも、息子である正太くんの呼び掛けに敵意を保つ事が出来ず、遂に実体化。


コスモスとのバトルは細かいカットで区切られており、コスモスの苦戦を上手く表現していた。


そして、コスモスの分析を始めるカオスヘッダー。


コロナモードにチェンジしても、大苦戦だ。


バトルーンの手前に、狩野親子とシノブリーダーがワンカットに収められており、リアリティ満点。


意識を取り戻し、正太を抱きしめる父親の慈愛がカオスヘッダーにシンクロしたのか、動きが乱れコスモスに倒されてしまった。


コスモスがエネルギーを使い果たし、片膝を付いたまま縮小化するのだが、出来ればムサシの姿まで繋げて欲しいカットだった。


結果的に、誕生日におねだりしていた携帯電話が、父親の救出に一役買ったのだから、間接的とはいえ正太くんの大手柄だ。


彼のパソコンのメールソフトが「COSMOS MAIL」になっており、隊員セットに身を包んでいる正太くんにピッタリ。


もし、カオスヘッダーが正太くんのパパに取り付かず、暴走族や犯罪者、変質者等に取り付いていたとしたら、かなりヤバかったかも。


と言う事は、ムサシ隊員も「人の心にあるのは、怒りや憎しみばかりじゃないんだ。」と言っていたが、善人に取り付かせれば、どうなるのだろうか。


PS 狩野家が住む町の看板「群馬ハレルヤニュー」(画面で映し出されたのは、ここまで)と、父親が治療(入院?)を受けた「愛育病院」の看板の作りが酷似していたようでしたが・・・。


予算の関係かな。 

ウルトラマンコスモス 第15話 深海の死闘

ジェルガ登場


防衛軍空手選手権の3連覇の猛者、フブキ隊員。


空手着の胸には、「TEAM EYES」のマークが。


しかし、3連覇を達成した時は、途中から意識が無いまま戦っていたのだった。


だが、彼の特異な?体質が、ムサシを救う事になろうとは・・・。


深海のシールドに保護されている、怪獣ジェルガ。


既存している怪獣の日常の断面を描写するというのも、世界観の拡がりを感じさせてくれる。


今回は、テックダイバーが初出動。


「EYES」の基地から深海への発進シーンはCGだったが、海の描写に違和感が。


ここは、「吊り」による特撮の方が画面に馴染んだと思われるのだが・・・。


今回も、「春風コンビ」が出撃。


ヒウラキャップは、2人の本質を見極めた上でコンビを組ませていた。


「あいつらは、仲が悪くてぶつかりあっている訳じゃない。2人とも、自分の考えをちゃんと持っているからな。まあ、意見のぶつかり合いってとこだ。」と。


さすがは、キャップ。


なあなあの馴れ合いや、表面的なうわべだけのの繋がりよりは、好ましい人間関係ではなかろうか。


カオスヘッダーにより、ジェルガが凶暴化。


テックダイバーは破損。


艦内の酸素が低下。


ここで、ムサシがコスモスに変身すれば、テックダイバーもジェルガも救える。


しかし、フブキが近くにいるため変身を躊躇う。


自分がウルトラマンである事を知られてはならないという、「王道」である正体隠しだ。


カオスヘッダーが海底にまで現れる事を、事前に想定していたフブキ。


だからこそ彼は、海底シールドに賛成したと。


それが、カオスヘッダーからか怪獣を守る「盾」になるのならと。


生命のピンチ、極限状態の中でフブキの考えを知り、ムサシは態度を改める。


「そこまで、怪獣の事を。なのに、なのに僕は、偉そうな事ばかり言って、結局何も解っていなかったんだ。」


自らが無言のうちに、破損した酸素ボンベを使用していたフブキの行いが、余計にムサシの思いを募らせた。


だからこそ、自分がウルトラマンである事を知られてしまう「リスク」を承知のうえで、コスモプラックをかざしたのであろう。


脱出したはずのフブキがテックダイバーを操縦し、コスモスとジェルガの戦いの場所へと戻って来た。


これには、ムサシも観念したようだ。


だが、フブキの記憶が飛んでいようとは・・・。ムサシ隊員、良かったね。



2015年11月25日水曜日

ウルトラマンコスモス 第14話 時の娘(後編)

ワロガ ガルバス 登場


防衛軍戦車部隊「ベンガルズ」の出撃により、凶暴化したガルバスだが、何とか地底に逃げ込んだ。


戦車部隊の進行の際、黄色い自転車が転倒。


『ウルトラマンガイア』の赤い自転車のように、定番になるのかな。


しかし、「TEAM YEYS」は出動停止に。


さらに、ガルバスによる被害により、首都圏のライフライン(電気、ガス)が一時停止。


「こんな事位で怪獣の保護を諦めるなんて、馬鹿げてます。」と粋がるムサシだったが、シノブリーダーが突き付けた現実、「ライフラインが止まれば、もっとも被害を受けるのは、病人や乳幼児、老人なのよ。」には反論出来なかった。


怪獣の捕獲、保護は一歩間違えば、今回のように弱者を苦しめる事に成りかねない。


『コスモス』のテーマに対するアンチテーゼであり、製作スタッフの挑戦のようにも感じられた。


ワロガが消滅すれば、レニの命も消えてしまう事を耳にしたムサシは、彼女を探し救す。


だが、レニを助けるつもりのムサシは、逆にレニに励まされるのだった。


怪獣の保護を諦め、意気消沈するムサシだが、レニは不可能を可能にした。


過去の様々な史実を挙げ、「実現するまでは、いつも夢物語だったんだよ。」(これは、後世に残る名セリフだ。)と、優しく語りかける。


建設クルーが、ジェルミナⅢを「時の娘」と呼んだのは、「自分達が、夢を継ぐ者のひとりだっていう誇りがあったからだよ。」と。


レニとの出会いは、ムサシにとって、コスモスとの出会いに次ぐターニングポイントのようだ。


シノブリーダーは推測した。


ワロガの狙いは、人間が怪獣との共存を否定し、それらを排除する事により、人類を自滅に追い込む事なのではないかと。


ワロガにより、頭部に変調機を埋め込まれたガルバスは、G2エリアのエネルギープラントを目指す。


遠景でガルバスが、夕焼け雲の下を前進するカットは、操られる者の哀愁を醸し出していた。


それに引き換え、戦車部隊の砲塔から発射される際の、炎のCGは迫力不足。


ここは、やはり火薬を仕込んで「特撮」して欲しかった。


エネルギープラントの、タービン停止に成功したレニとムサシ。


と同時に、ガルバスは自我意識を取り戻した。


チャンスとばかりに、戦車部隊が攻撃を仕掛ける。


劇場版『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』でのワンシーン、音楽で眠りについたバルタン星人を、チャンスとばかりに攻撃した防衛軍国家緊急部隊「シャークス」と同じやり方には激怒!!


後退するガルバスに、ワロガが襲いかかる。


ガルバスを救うには、怪獣を保護するためには、ワロガを倒すしかない。


しかし、それはレニの消滅をも意味している。


「僕には、出来ない。」と躊躇するムサシ。


「あいつを倒して、私を眠らせて、ウルトラマンコスモス。」とレニ。


コスモスの優しさを利用し、レニを生かす為には、自分を倒す事をためらうであろうと計算した上で、ニセの記憶を植え付けていたワロガ。


何という、卑怯で卑劣な生命体なのだろう。


それでも、ムサシに会えて良かったとの思いを告げるレニ。


「あんたの手で、あたしを人間に戻して。あの空に、時の娘を造ろうとしてた、レニに戻して。」と。


ここで言う「人間に戻して。」とは、レニの消滅。


だが、ムサシに、もう迷いは無かった。


優しい光が、ムサシの身体を包み、コスモスが登場。


夜に佇むコスモス(ルナモード)は、なんとも神秘的。


優雅な佇まいとでも言うのだろうか。


コロナモードにチェンジして、ピアノの調べをバックに激突する両者。


姿を消し卑怯な戦法を駆使するが、皮肉にも自分が送り込んだレニの能力により、姿を露呈してしまう。


必殺技を放つ直前、コスモスはレニとアイコンタクト。


レニは・・・。


「レニ、僕は夢を継いでいく。人間と怪獣と、この星を守る夢だ。」の決意を、ムサシは決して忘れないだろう。

2015年11月24日火曜日

ウルトラマンコスモス 第13話 時の娘(前編)

ワロガ ガルバス 登場


遂に、太田愛さんの脚本だ。


今回は、『コスモス』初の前後編という事で、更に期待が高まる。


オープニングの映像が、一部変更に。


テンポアップした映像は、より主題歌にマッチしているようだ。


ある夜、J9エリアに出現した未確認の生命体ワロガ。


なぜか、若き女性を襲撃。


コスモスとの第1ラウンドは、顔合わせ程度だった。


ムサシに「トレジャーベース」へと運ばれた女性は、記憶喪失だった。


彼女は、ムサシのタイプのようです。


その頃、誰も知らないところで、ワロガの手によってガルバスが目覚めようとしていた。


彼女の正体は、レニ・クロサキ。


4年前に、本格的居住型宇宙ステーション「ジェルミナⅢ」(時の娘)の建設クルーとして参加していたが、事故により既に死亡していた。


だが、何者かに前頭葉にバイオチップを埋め込まれていたのだ。


ワロガと同質のパルスを発するチップにより、擬似生命活動を開始していたのだ。


それにしても、人の運命とは不思議なものだ。


彼女が事故で宇宙に吸い込まれた時に、ワロガではなくウルトラマンと遭遇していたら、全く異なった人生になっていたはず。


バイオチップを外せば、彼女は数分で死んでしまうとの事。


そこで、「コールドスリープ」の処置が取られる事に。


医療基地で、記憶の回復を行う為に、右田医師(演、右田昌万氏)に案内されるレニを救ったのはムサシだった。


しかも、規律を破ってまでも。


ムサシは、彼女を「女性」として見ていたに違いない。


しかし、こんな時にガルバスが出現。


ワロガの計画通りなのだろうか。


ガルバスはムサシの言によれば、一度保護した事があるそうだ。


映像化されていない、時間の経過の中での出来事なのだろう。


世界観が広がります。


一方トレジャーベースでは、レニのバイオチップを解析した時に、メインのコンピューターが汚染されており使用不能に。


ムサシが、関教授を訪ねた折に受け取っていた写真を、シェパードの車内で発見したレニ。


彼女は自分の過去を、自分の死を思い出した。


ガルバスに苦戦するコスモス。


その頭上には、ワロガの光球が浮かんでいる。


ムサシとレニの間には、いったいどんな「愛」が芽生えるのだろうか。


次回に、期待だ!!

2015年11月23日月曜日

ウルトラマンコスモス 第12話 生命(いのち)の輝き

イフェメラ登場


500年毎に現れる怪獣イフェメラ。


今は亡き、フブキ隊員の妹サヤカは、3才でこの世を去ってしまった。


なのに、成長した姿で、兄のフブキ隊員の前に姿を現した。


彼女が言う、イフェメラとは。


それは、カゲロウを捕獲したフブキ少年の前に現れた。


(少年時代のフブキも、第5話「蛍の復讐」と同じキャストだ。)


1日しか成虫の姿で生きられないカゲロウと、3才で亡くなった妹を重ね合わせるには十分だ。


イフェメラとは、ラテン語で「1日の生命(いのち)」との意味。


幼くして亡くなてしまった彼女だからこそ、生命の重さを誰よりも知っているのだろう。


悲しいかな若干の被害はあったものの、放置しておいても息絶えてしまう存在。


されど、「防衛軍」の佐原指令の命令により、ミサイルが発射されてしまった。


まるでフブキはイフェメラを、いや亡くなった妹を守るかのように、ミサイルの迎撃に向かった。


間一髪、イフェメラの寿命を知っていたコスモスは、先程とは状況が異なっていたため姿を現した。


ミサイルの迎撃は、1発を除き成功。


だが、その1発はイフェメラに命中してしまった。


やがて、絶命。


ティグリス(『ウルトラマンガイア』)の姿を、思い出してしまった。


しかし、イフェメラの亡骸の後には、一筋の光明が。


卵を産み落とす為だけに、その1日を生きていたかのようだ。


500年後には、鏑矢諸島で姿を現すのだろう。


アメリカのテロ事件(2001年9月11日)により、世界の情勢が一変しつつあるのは紛れもない事実。


だからこそ私達は、1日1日を精一杯生きて、生命を輝かせていかなければならない。


自分は何のために生まれ、何のために生きているのかという事を自問しながら。


サヤカちゃんの「今日も、セミがいっぱい鳴いているね(大勢の人たちが、精一杯生きているね)。」の言葉を忘れないように。

2015年11月22日日曜日

ウルトラマンコスモス 第16話 飛ぶクジラ

カオスジラーク登場


「クジラと一緒に泳ぐのが夢。」と語る茜ちゃん。


それを、真っ向から否定する浩太少年。


茜は身体が弱くて泳ぐ事が出来ないからだ、と。


「叶わない夢なら、見ない方がマシだよ。」と、冷たく言い放つ。


『コスモス』のテーマである、「夢に挑戦し続けて、それを現実のものにする。」に対する、ひとつの答えが本話なのだろう。


茜は「あたし、絶対にクジラと泳ぐんだから。」と強がったが、次の日は学校を休んでしまった。


空には幻のクジラが現れた。


それには、カオスヘッダーの反応が。


邪悪なエネルギー生命体は、小学生の女の子の心に寄生していたのだ。


「ムサシさん、絶対に茜を助けて。」と懇願する浩太。


「ああ、男と男の約束だ。」と笑顔で応えるムサシ。


友達の女の子を救う為に、「男同士」の約束を見事に対比させている。


浩太に悲しませられ傷つけられた、その心を利用し、茜をも体内に取り込み実体化したカオスジラーク。


昨今の「アフガニスタン・タリバン政権壊滅のための、米国主導の攻撃」と考え合わせてみても、それは決して他人事では無くなっている。


無用な争いを防ぎ、平和を築くすべてのカギは、その出発点である人の心に委ねられている。


人の心にまで寄生してしまうカオスヘッダーの、何と恐ろしい事か。


新たな歌声(新挿入歌)と共に、夜の街でコスモスとカオスジラークが激突。


コスモスのルナモードって、本当に夜に溶け込んでキレイ。


ライトアップされた光や、敵の光線などが池の水面に映し照らされる場面は、これぞ「特撮」の底力を感じさせられる。


凶暴さを増し、苦戦するコスモス。


「本当は、あの時、悔しかったんだ。僕には夢なんて無かったから。嬉しそうに、夢の話をする茜が羨ましかったんだ。」


浩太が叫んでも、カオスジラークの怒りは収まらない。


しかし、「クジラと泳げる場所があるんだ。ドミニカ共和国云々。茜と一緒にクジラと泳ぐ。それが、今の僕の夢だ。」との言葉が、体内に取り込まれた茜の心を動かした。


自分の歪んだ心に対し素直に謝罪し、本音を語り、現実に自分の夢を茜に重ね合わせたからだろう。


茜も無事に助けられた。


その翌朝、茜の家の窓の外には、浩太が焼いた「クジラパン」が。


友達も、各々がパンを持っていた。


浩太の家が、「パン屋さん」という事が、キチンと生かされているのだ。


日常の平和が蘇ったのだ。

ウルトラマンコスモス 第11話 動け!怪獣

ムードン登場


冴え渡る、北浦嗣巳監督(本編、特技)の「夏休み争奪」戦の演出。


画面効果を生かしながらの手法は、とくに『ウルトラマンダイナ』第13話「怪獣工場」から注目。


北浦監督で印象的なのは、小道具に手作り感まるだしの「紙」を使ってのソフトタッチな画面の中に収められている映像が、そのひとつだと思う。


アヤノ隊員の水着姿がお披露目されたのも、功績大。


H4エリアのトンネル工事現場に出現した怪獣の保護を巡り、「TEAM EYES」のメンバーが「秋休み」にならないように、「夏休み」を優先的に取得すべく様々な「作戦」が繰り広げられた。


アヤノ隊員が緊急出動し、同乗するために発進が遅れたテックサンダー1号だったが、フブキ隊員よマッハ10で飛ばして良いのかな?


たしか、1号の最高速度はマッハ7だったはず。


しかも、最優先で行ったフブキの「初めの一歩大作戦!!」は、あえなく失敗。


アヤノの手書きによる、「ムードン対策本部」の看板は、どう見ても「学芸会」のノリだ。


ムードンと命名したのも、彼女。


「動かない」は英語で「don’t move」。


ひっくり返して、ムードンと言う事だ。


後に、MURANOCRAPHDON=ムラノクラフドン、草食恐竜と判明。


わさわざ「ひっくり返した」のは、彼女が中心だったエピソード第8話「乙女の眠り」の「カエルの騎士」、カエル、ひっくり返るに引っ掛けたものなのだろうか。


彼女が遂行した「ネコじゃらし作戦」は、カエルの騎士型のメカ(KAERU TANK)とコントローラーが使用されていたからだ。


ムサシは、「ハーメルンの笛吹き大作戦」を敢行。


その曲目は「シューベルトの子守歌」。


『劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』にて、バルタン星人を眠らせたメロディだ。


でも、今回の作戦では、眠らせてはダメですよね。


ドイガキの作戦(野菜でおびき出す)時に判明した事だが、お好み焼きの好みは、アヤノ(マイエプロンには、カエルの騎士のイラストが。しかも、彼女の足音はカエル?)は広島風で、シノブリーダーは関西風だそうだ。


シノブの作戦が決行される前に、「辰石組」の工事現場の方々の怒りが爆発。


「こんな、くだらない作戦ばかり立てて。」と言っていたが、きっと私も含めて視聴者は同感だっただろう。


結構、楽しませてもらいましたが・・・。


その爆発は単なる怒りに止まらず、ダイナマイトの使用に繋がり、大人しいはずのムードンが大暴れ。


結局、ムードンに効果があったのはムサシの第2作戦。


ムードンの子供のイラストを立て看板で作製し、泣き声を合成してスピーカーから流すというものだった。


コスモスの慈愛に満ちた「光」が、その立て看板を立体化させた。


こういう「光」の使い方は大歓迎。


とても、「夢」があるからだ。


でも、それに触れた途端に、ムードンは砂に返ってしまった。


ちょっぴり悲しい現実。


でも、ムードンにとっては「保護」されるより幸せだったのだろう。


かくして、「夏休み取得第1号」はムサシに決定。


「たまには、家にでも帰ろうかな。」と言っていたが、実家の事なのかな。


今後の両親の登場に、期待が高まった。

2015年11月21日土曜日

ウルトラマンコスモス 第10話 青銅の魔神

ゲシュート登場。


城南大学考古学研究室か・・・。


我夢(『ウルトラマンガイア』)は元気にしているのかな?


研究室の吉井ちゃんとドイガキ隊員が大学時代の友達という事は、我夢とドイガキは、先輩、後輩の関係なのかな。


大先輩としては、本郷猛(『仮面ライダー』)が・・・。


紀元前5000年に、空からの友人(宇宙から来た誰か)がくれた青銅像ゲシュート。


人間のストレスを吸収してくれるのだが、使い方を間違わなければ一家に一体欲しい置物だ。


ヒウラキャップの「胃が痛い」や、シノブリーダーの「ストレス性扁桃痛」のセリフが、大人にはリアルだ。


子供には、ちょっと理解しにくいかな。


人々のストレスを吸収して、巨大化したゲシュート。


逃げ惑う人々。


細かいカットの積み重ねが、「特撮怪獣物」の醍醐味を醸し出してくれる。


ストレスの塊を両眼から放つ怪獣は、『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンタロウ』のような、懐かしいノリだ。


だが、コスモスの前では、敵ではなかった。


ストレスエネルギーを吸収され、増幅して返された。


許容範囲を超えた為に大爆発。


ラストで、青銅像が保管され、土の中に戻される事になったが、これって大爆発したのだから、存在しない方が良かったのでは・・・。


ドイガキが自分の気持ちを、安易に吉井ちゃんに伝えなかったという事は、彼女の再登場への伏線なのかな。

2015年11月20日金曜日

ウルトラマンコスモス 第9話 森の友だち

ヤマワラワ登場


大人になって、失ってしまうもの。


それは、子供が持つ純粋な心。


この中には、「正義」や「友情」等の様々な要素が含まれている。


ヤマワラワ山脈で、父親とはぐれてしまった祐一くん。


洞窟でやマワラワと出会ったが、父親には信じてもらえない。


だが、ムサシは違った。


「実はね僕も昔、君みたいに本当の事を信じてもらえなくてね。悲しい思いをした事があるんだ。」、「いや、僕が会ったのはウルトラマンだよ。」と、2人だけの秘密を作ってあげた。


決して、自分がウルトラマンコスモスだとは語っていない。


岩田親子とシノブリーダー、ムサシの旅荘「山琶羅倭(ヤマワラワ)」でのやりとりが、結構怖かった。


怪しげな音楽と、光をぼやかしたような画面処理のせいでもあるのだろう。


祐一くんが、無理やりに連れ去られていると思ったヤマワラワは、巨大化して岩田親子に襲いかかる。


怒ると巨大化するというのも、妖怪らしい。


テックサンダー1号、2号で出撃するフブキとドイガキ両隊員。


第6話で苦手意識を克服したのだから、ドイガキには3号で出撃して欲しかった。


まあ、作戦や目的によるセレクトなのだろうが。


「民話」ではなく、「実話」だったヤマワラワの存在。


実は、父親の康祐も少年時代にヤマワラワと出会っていたのだ。


誰にも信じてもらえず、「狼少年」のように扱われてしまった。


だからこそ、「世間」の中での「常識」を知るが故に、息子を「狼少年」のように扱われないようにとの「親心」だったのだろう。


従来のような「狼少年」の物語ではなく、「真実」を知るがゆえに、「狼少年」を一段高いところから眺める事が出来た本話だと思う。


父親である康祐との再会によって、姿を消してしまったヤマワラワ。


本当は、康祐と遊びたかったのだろう。


しかし、康祐が大人になってしまったがために、ヤマワラワと遊べなくなってしまった。


ヤマワラワは、自分がいつまでも子供である事に寂しさを感じつつ、背を向けたのだ。


「肉体」だけでなく、「精神的」にも「大人」になっていかなければならない「人間」の「成長」や「生き方」などを再考するキッカケになるエピソード。


冒頭ではカオスヘッダーが地球に飛来したが、結局は、そのまま過ぎ去ってしまった。


やって来たら、必ず何かに取り付く訳ではないというのも、結構リアリティあり。


我々の知らないところで、何かが行われているのだから・・・。

2015年11月19日木曜日

ウルトラマンコスモス 第8話 

インキュラス登場


「アヤノちゃん」、「アヤノ」、「アヤピー」、「アヤピョン」とヒウラキャップを含め、男性隊員に子供扱いされるアヤノ隊員が本話はメインだ。


左手の薬指にリングを通して、握りしめている「カエルの騎士」のキーホルダー。


このワンカットに秘められた思い出があったのだが、何と素晴らしい演出だろう。


夜空に輝いていたオーロラを見た途端に、「レム睡眠」状態に陥ってしまったアヤノ。


少女時代の出来事を、夢の中で見る羽目になる。


2人の男の子と、「カエルの騎士」のお芝居をしている。


そうか、ジュン(『燃えろ!!ロボコン』、演・小池城太朗くん)が同級生だったのか!?


いきなり現れた「SRC科学分析センター」の大森。


「ドリームシアター」なるものを持参していた。


アヤノが見ている夢を、モニターに映し出す装置だ。


これが無ければ、隊員達はアヤノの夢の中でのコスモスとインキュラスとの激闘を目の当たりにする事は無かった。


前田さん(好青年)に、海外のお土産『THE KNIGHT OF FROG』というタイトルの絵本を貰う少女アヤノ。


ムサシはコスモスに、「行こう、夢の世界へ」と呼びかける。


「私にとっても未体験な空間」ではあるが、「危険」と知りつつもコスモスはムサシと共に、夢の中に行こうと「挑戦」する。


夢の中では、アヤノが前田に絵本を読んでもらっている。


アヤノは前田さんのお手伝いをしたいが為に、「動物が好き。動物を助けたい。」と、大きくなってからの夢を話す。


さらに、「アヤノを、前田さんのお嫁さんにして。」とプロポーズ。


その時に、婚約指輪の代わりに左手の薬指にはめてもらったのが、「カエルの騎士」のキーホルダーだった。


だが、前田は海外で伴侶を見つけたため、結局は「子供扱い」されたのだった。


この時の体験が、アヤノのトラウマになっていたのかな。


自分達をオタマジャクシに例え、少女アヤノを励ますアヤノ。


大人に、カエルになる頃には、また違う人を好きになるから、野生動物(怪獣)を助ける「夢」は大切にしたいと。


「失恋」と「夢」を分別して、「現実」を直視する2人のアヤノ。


だが、アヤノ隊員の夢の中では、外見は可愛らしい羊が数多く重ね合わさり、インキュラスが姿を現す。


夢の中でのコスモスとインキュラスの戦いは、木や建物が全て紙に描いたものでセッティングされており、不思議な空間を醸し出していた。


それは、アヤノが演じたお芝居のセットや、それを見つめるアヤノ隊員の頭に被せられていた冠と共通であり、みごとな調和であった。


苦戦するコスモスを救ったのは、「カエルの騎士」のキーホルダーを握りしめていたアヤノだった。


彼女のラウンダーショットにより、ピンチを脱出したコスモスは、空中でインキュラスを蹴りまくる。


しかも、ワンカットで。


倒れるインキュラスの手前には、人間の両足が描かれたセットが画面に収められており、細やかな演出が、ここでも冴えわたっている。


そして、コスモスの、アヤノの勝利。


夢から覚める、アヤノ。


ムサシは、「アヤノ隊員」と呼びかけるものの、「カエルの騎士」のキーホルダーを、「婚約指環」と言って手渡してしまう大チョンボ?


彼女の「TEAM EYES」の一員としての信念が込められている「カエルの騎士」のキーホルダーは、自作してみたいですね。


アヤノ隊員は、「都立修央高等学校」の第三十三回目の卒業生です(エンディングの、本編未使用カットより)。



2015年11月18日水曜日

ウルトラマンコスモス 第7話 空からのプレゼント

ガモラン ミーニン 登場


第5話で結成した「春風コンビ」が颯爽と登場。


昨夜落下した謎の隕石を、ひとつ発見。


もうひとつは、長野惣介くんが発見。


算数のテストが25点だったのを、ほっぽり出してだ。


隕石を持ち帰り、怪獣の卵だと信じていた。


卵を孵化させようと風呂に入れたものの、母親に「あれじゃあ、ゆで卵になっちゃうわよ。」とたしなめられた。


そこで、仲間のいる「子供センター」へ持って行く事に。


残りのひとつは、シノブリーダーが「J1エリア」で発見。


その頃、「春風コンビ」により本部に持ち帰られていた謎の隕石から出てきた金属の箱が、ドイガキ隊員により開けられようとしていた。


それより、少しだけ早くアヤノ隊員が、金属の箱の表面に記されていた文字を解析。


「この箱を、すみやかに 開けるべし」


やがて、箱を開ける事ができたが、更に中にはメッセージが記された金属プレートが埋め込まれていた。


解析の結果、そこには「この箱を開けし文明を持てるもの ガモランにより滅ぼされるべし」と記されていた。


送り主と同等以上の生命の存在を、許さないという事なのか。


あまりにも、身勝手である。


金属の箱の中扉が自動的に開くと、シノブが発見した隕石から、子供の身長位のミーニン(後に、惣介らが命名)が現れ、同梱されていた「ヒトデの形をしたバイオコントローラー」が額に貼り付くと、バイオ兵器ガモランへと巨大化してしまった。


ドイガキは、自分が開けてしまった事に責任を感じ、ヒウラキャップの命令によりテックサンダー1号で出撃。


しかし、ここは前回(第6話)、苦手意識を克服した3号で出撃してほしかった。


惣介たちが孵化させたミーニンにまで襲いかかるガモラン(まるで、ガラモンとピグモンの共演のようだ)。


だが、ショウコの指摘により、コスモスはガモランの額の装着物のみを破壊し、ガモランはミーニンの姿へと戻った。


そして、2体になったミーニンは「怪獣保護管理センター」に収容された。


天空には、リドリアスが飛ぶカットが挿入されていたが、元気を取り戻していたようだ。


巨大なガモランを見た時、小さなミーニンの父親だと思っていた惣介たちは、等身大の2体のミーニンを見て、「友達か恋人」なのでは、との思いを巡らせるのだった。

2015年11月17日火曜日

ウルトラマンコスモス 第6話 怪獣一本釣り

モグルドン 登場 


T2エリアに、M8の直下型地震。


震源地が移動。


怪獣の仕業だった。


工事現場での出来事だが、逃げ回る群衆の描写は無し。


ドイガキ隊員の飛行訓練の、反省会中に出現した怪獣であり、飛行訓練から逃げ出したかった彼にとっては渡りに船のようであった。


得意の分析を行い、御丁寧にもアタッシュケースから取り出した「紙芝居」で作戦の立案を行う。


名付けて「怪獣一本釣り作戦」。


モグルドンと命名したのは彼だが、結構軽いノリでのネーミングだった。


しかし、得意満面の笑みはここまで。


ヒウラキャップの命令により、ドイガキ自身が苦手なテックサンダー3号に乗り込んでの、任務遂行を命じられる。


ヒウラの思いつきのような「言い出しっぺがする。それがEYESのルールだ。」の一言による。


本当は、ドイガキの苦手意識を克服してもらう為の思いやりだ。


怪獣の再度の出現(T4エリア)に、ヒウラキャップもノリノリ。


「怪獣一本釣り作戦、オペレーション・スタート!」の掛け声と共に、一本釣りのポージングなのだ。


その真横ではアヤノ隊員が「スタート!」と叫び、同じくポージング。


「ZAT」(『ウルトラマンタロウ』)のような、ほのぼのとした組織のようだ。


ドイガキは周囲の期待をよそに、恐怖心から戦線離脱。


だが、自らのトラウマを克服すべく、「一本釣り」の極意を知る為に携帯電話で実家に連絡。


父親には相手にされず、母親がアドバイス。


見事に、怪獣の引き上げに成功。


魚の怪獣ではなく、地底に住む怪獣だ。


モグルドンは、モグラ型の怪獣だが、背中には魚類のようなデザインが成されている。


また、腹部は「顔」のような模様である。


ドイガキの成長物語は、彼のキャラゆえか全体的に「お笑い」の要素に目を奪われがちだが、怪獣の要素をないがしろにしてはいない。


怪獣初出現時は尾だけで、コスモスとの遭遇は「笑い」を誘うような腹部だった。


モグルドンの全体像、全身は最後の最後になってから。




いきなり、顔を出したりするのではなく、部分的に露出させてからの出現が「怪獣」の「王道」であるからだ。


最後は、コスモスの慈愛に包まれるかのように、イビキをかいて眠ってしまったモグルドン。


その間に、ドイガキが操縦するテックサンダー3号で、鏑矢諸島にある「怪獣保護センター」に運ばれた。


今から、見学ツアーが殺到しているようです。

2015年11月16日月曜日

ウルトラマンコスモス 第5話 蛍の復讐

カオスバグ登場。


遂に、平成の最強タッグ「春風コンビ」が誕生した。


坊や(ムサシ)とおじさん(フブキ)が、どんな「お笑い」を見せてくれるのだろうか。


命名は、ヒウラキャップなのだ。


フブキ隊員は群馬県蛍が村で、少年時代に療養生活を送っていた。


(少しキツメの性格は、少年時代の反動か。でも、大好物がプリンという事は、本質的には変わっていない気がする。)


久しく叫び続けられている「環境問題」を扱った本話だが、被害者である「蛍」の視点が一切描写されていないのは、川上脚本の成せる技だ。


10年前にトンネルが開通してから、蛍の数が激減。


現実問題として、人々が「便利さ」や「スピード」を求めたが為に環境破壊を引き起こし、生態系のバランスを崩してしまったからだ。


「便利さ」の追求は、やがてゴミの不法投棄まで引き起こしてしまった。


しかし、現代には、それを見逃さない者がいた。


大自然の怒りどころではなく、宇宙からカオスヘッダーが降り注ぐ時代になっていたのだ。


蛍の復讐心と、ゴミの山に取り付いたカオスヘッダー。


カオスバグの姿を目の当たりにした時、とても可哀想に思えた。


(尺の関係もあるのだろうが、カオスバグの後頭部にあるドクロの模様を、もう少しハッキリと見せて欲しかった。)


第3者の力の作用によって、蛍が不法投棄のゴミと融合してしまったからだ。


あまりにも、哀れな姿だ。


カオスヘッダーの「光のウイルス(意思を持っている)」の影響を受けたのは事実だが、人々が自然の保護を怠らずルールを守っていれば防げた、いや発生しなかった事件だ。


いわば、人災である。


最後は、コスモス(コロナモード)の光線を吸収し切れず、爆発飛散してしまった。


ここでも、コスモスの、そしてムサシの蛍に対する感情は明快には表現されてはいなかった。


しかし、それは「SRC」の「環境保護チーム」に委ねられた。


いつの日か、本物の蛍が戻って来る事を信じて・・・。 

2015年11月15日日曜日

ウルトラマンコスモス 第4話 落ちてきたロボット

イゴマス登場


ビビン星の、ゲバンの落し物イゴマス。


しかも、その友達ロボットは、電池切れの巨大なおもちゃ。


篤史、竜也、尚子の3人が第一発見者となった。


現地に急行したのは、ムサシとドイガキ隊員。


ドイガキは、よほど嬉しかったのか、3人に自己紹介し握手までする始末(そういえば、彼だけなのか、ジャケットを脱いだ時スボンに吊りバンドを使用)。


ここで活躍したのが、ラウンダーショット。


その、ほとんどが攻撃用であった従来の携帯銃と異なり、分析機能が備えられている。


コスモス同様に、怪獣退治だけではないという、作品のテーマを重ね合わせる事が出来る。


イゴマスは、ゲバンと旅行中に宇宙船から落ちてしまったそうだ。


ムサシ、ドイガキ、3人と会話を続けていたが、封印とおぼしきステッカーが剥がれてしまった途端、イゴマスは本来の姿である2つ足歩行のロボットに変形し暴れ始めた。


それまでの、ノホホンとしたホンワカムードが、ここで一変。


攻撃装備が無いようだが、その巨体ゆえに移動するだけで建物を破壊してしまう。


さらに、3人に追い打ちをかけたのは、剥がれたステッカーに記されていた「廃棄処分シール」(ポルトガル語に似た文法形式を、自称・天才科学者のドイガキが解読。)。


製造年が古く、エネルギー源である電池の販売も停止したために、スクラップとして廃棄処分されるのだ。


巨大な落し物と思い、アヤノ隊員は落とし主を心配していたが、実はリサイクルが出来ない粗大ゴミだったのだ。


ここまでの展開が思いやりに満ち溢れていただけに、いきなり奈落の底に落とされたようだ。


「明」が一瞬で「暗」に、180度変わってしまったのだ。


3人の優しい思いやりの気持が、踏みにじられたようでもあった。


暗く重苦しい雰囲気のイゴマスの歩行の音が、耳に残ってしまう。


やむなく、「TEAM EYES」のコンディションレベル・オレンジ(捕獲活動)が、コンディションレベル。レッド(攻撃)に切り替わってしまった。


イゴマスが、花の拡がる大地を歩行する姿が湖に映り込むシーンが美しいだけに、BGMの効果も相まって、余計に悲しさを増してしまう。


コスモスに変身するムサシ。


今回の変身シーンは、ムサシの胸部が光を放ち、コスモプラックを握りしめた右手と、左手を腕の前で回転させてから右手を上げての変身。


初めて見る変身ポーズだ。


コスモスを相手に暴れ回るイゴマスだが、放り投げた建造物が3人を直撃しようとする。


しかし、コスモスの機転により事無きを得る。


その瞬間に、動きがおとなしくなったイゴマス。


廃棄処分されたくないばかりに暴れていたようだが、「3人の友達」がイゴマスの心を救ったのだ。


自分の存在の大きさが迷惑になると思い、電池が無い事を知っているイゴマスは、潔くコスモスに自分の破壊を言い残し、電池切れに。


しかし、そこは慈愛に満ちたコスモス。


自分のエネルギーを使い切ってまでも、イゴマスを人間の子供のおもちゃのサイズにする事により、その姿を留める事に。


3人に拾い上げられ、文字通り最後のエネルギーを絞り出すように「篤史、竜也、尚子、ボクの友達。」、「ありがとう、みんな。あ・り・が・・・。」との言葉を残し、全てのエネルギーを消耗。


ドイガキ隊員でも、現在の科学の力では、イゴマスの電池は作れないそうだ。


だが、篤史は決意した。


自分が勉強して、電池を作ると。


そして、もう1度イゴマスと遊ぶと。


自分達の子供、また、その子供が遊べば「ずっと、ずっとイゴマスは子供のおもちゃで生き続けられる。」と。


イゴマスは、尚子の家に引き取られる事に。


イゴマスは、ピンクの屋根のお家に入れられるらしい。


尚子ちゃんは、自分の好きなピンク色の「お洋服」をこしらえて着せてあげるのかもしれません。


3人を見守るムサシと、夕陽に浮かぶコスモス。


2人は、8年前の自分達の出会いを思い出しているのだろうか。


宇宙から来た友と出会い、その約束に、将来の夢に向かって歩み始めた3人が、第2のムサシに見えたかもしれないからだ。


川上英幸氏の脚本は、「笑い(笑顔)」と「優しい心」が上手い具合にブレンドされており、本作は教育現場に携わる方にも、見て頂きたいですね。


「TEAM EYES」に誰かが増える度に何かが起こると言って、アヤノ隊員をからかい、さらに「ジンクス」だと途中で呟いていたヒウラキャップ。


今後、それが何なのか展開があるのかもしれない。


ラストシーンで、ムサシと夕陽に浮かぶコスモスが互いを見つめて頷きあっていた。


コスモスの姿は、イメージそれとも・・・。

2015年11月14日土曜日

ウルトラマンコスモス 第3話 飛べ!ムサシ

スピットル登場


何だかんだで、ムサシ隊員はテックサンダー4号をゲット。


しかし、新入隊員の彼には「午前中は飛行訓練、午後は本部内の清掃、夜は研修及びデータの整理。」と、緊急時以外のタイムスケジュールが組まれている。


突然、地上に現れた怪獣を見るなり「スピットル」と言い、特徴を言い当てるムサシ。


既に、存在を確認されていた怪獣という事なのだろう。


しかし、それならば「TEAM EYES」のデータベースに在ってしかるべきなのでは・・・。


隊長の作戦許可も取らず、勝手な行動で仲間の機体を損傷させてしまったムサシは、ここぞとばかりに「困った時の神頼み」ならぬコスモスの力を借りようとする。


だが、変身出来なかった。


新人だからといって、甘やかされる事なく、自らの責任を取らされる事に。


『帰ってきたウルトラマン』で印象深い、「主人公の慢心による過失」、「変身不可能」といった基本的な要素が丁寧に描かれており、第3話においても、「第2期ウルトラシリーズ」への原点回帰がなされている。


また、ヒウラキャップがムサシを「TEAM EYES」迎えた理由がキチンと第2話と統一されている。


ムサシもまた、「怪獣たちの本当の心を知りたい。」と、原点へと立ち返った。


キャップの語る「真実を見極める目」、それが「TEAM EYES」の語源なのだろう。


初心に戻ろうとするムサシが、「怪獣保護管理センター」に立ち寄り、イケヤマ管理官と交わすリドリアスについての会話は、時間軸にこだわりを持つ脚本家、長谷川圭一氏らしい描写だ。


また、処分を余儀なくされたムサシは、ずっとアーマードベストを着用したままで、彼のショックの大きさを表しているのだろう。


彼のプライベートルームのデスクには、両親とクレバーゴンと一緒に写した幼い頃の写真が飾られていた。


自分の為ではなく、自分が所属する組織「TEAM EYES」のために(それは、多くの人々を守る事)働きたいとの願いにより、出撃許可を得るムサシ。


マシントラブルによる民間の航空機と、スピットルの両方を救うために自らが囮となり、危険な任務の遂行を申し出る彼の言葉に、納得の表情を浮かべるヒウラキャップ。


作戦成功寸前で、スピットルに4号機を攻撃され、落下するムサシの耳に聞こえたのは「ムサシ、救うのだ。その力で、その心で。」とのコスモスの声。


コスモプラッグが、光を放つ。


青いウルトラマン(ルナモード)が大活躍。


スピットルと、その卵も保護でき、悪運?の強いムサシもカスリ傷で事無きを得た。


今回は、言わずと知れたムサシの成長物語。


しかし、先輩達にジュースをそ注がなければならない彼の進む道のりは、まだまだ始まったばかり。


基本設定であるカオスヘッダーの描写が、一切無かった本話でした。
  

2015年11月13日金曜日

ウルトラマンコスモス 第2話 カオスヘッダーの影

ゴルメデ カオスゴルメデ 登場


ムサシが「TEAM EYES」に入隊した理由は、ヒウラ隊長の説得はもとより、「リドリアスの本当の心って、わかるか?俺は、知りたい。彼らが、何を考えているのか。どうしたいのか。彼らの、本当の心を。」と言う問い掛けに共感したからであろう。


後輩(10ケ月の差)が出来て、大喜びのアヤノ隊員。


しかし、リーダーのシノブは冷静だった。


ムサシ生還の謎を、本人に問いただそうとしていた。


第1話の、その該当シーンをインサートしていれば、良かったのですが、尺の関係でしょうか。


フブキ隊員とは、今後もひと悶着ありそうだ。


「怪獣の保護」を目的にしていながら、「EYES」が、その機能を果たしていない事を口にした途端、「現実の見えないお坊ちゃん」と、ムサシの一言をさえぎってしまったからだ。


怪獣出現に伴い、テックサンダー1と2が発進。


1をマットアロー1号に、2をウルトラホーク3号にダブらせたのは、私だけだろうか。


テックサンダー3はウルトラホーク1号、4はタックスペースと言ったところだ。


ゴルメデとはドイガキ隊員の言葉によれば、「以前、SRCが一度、捕獲に失敗した怪獣。」との事(ムサシが、コスモスと再会するまでの8年間を描写)。


さらに、「光のウイルス」をカオスヘッダーと命名したのも彼。


さすがは、自らを「天才科学者」と名乗るだけの事はありそうだ(ムサシとの顔合わせとの時に、「花と話が出来る云々」とベタな事も言っていたが・・・)。


ゴルメデの反撃を受け、撃墜されたテックサンダー1。


脱出を試みるが、破損した機体に足を挟まれ、身動きの取れないシノブ。


ドイガキは、先に脱出したが、ムサシは彼女の救出を敢行。


「あれが現実。怪獣はペットを捕まえるのと訳が違う。あたしだって、1匹でも多くの怪獣を救う事を夢見てEYESに入った。でも・・・。」と彼女は語り始める。


しかし、ムサシは「諦めない、ギリギリまで頑張れば(『ガイア』を思い出して感激!)、きっと、きっと奇跡だって起きる。」と救出に成功。


しかし、時すでに遅く、ゴルメデの足が迫って来た。


ここで、定番通りなら、コスモス登場といったところだが、ゴルメデを蹴り倒したのはリドリアスだ。


シノブは「まさか、奇跡。」と言っていたが、もしも前回のリドリアスとの戦いで葬り去っていたら、この「奇跡」は起きていなかった。


だから「奇跡」と言うよりは、他者を守ったがゆえの恩返しといったところかもしれない。


最近、誤った使われ方をしている事が多いそうだが、「情けは人のためならず」という事である。


他社を慈しむ心がテーマである、『コスモス』の主張でもある。


ムサシを助けるために、シールドを突っ切って自らの翼を負傷してまで駆け付けたリドリアスだったが、体力(戦闘力)の差は歴然。


ゴルメデ対リドリアスは怪獣番組の醍醐味を堪能させてくれる。


ムサシは、フブキ隊員に反発してまでも「どっちがいいとか、悪いとかじゃないんだ。」と、両者を救おうと試みる。


ゴルメデを引き離そうとして、ラウンダーショットの銃口を向けつつも、それを投げ捨てる。


崖っぷちに追い込まれたムサシに、奇跡が起こる。


「輝石」が光を放ち、ムサシの手の中でコスモプラッグに姿を変えた。


彼の耳には「諦めるな」との声が。


崖に落下しながらも、ウルトラマンコスモスへ変身を遂げた。


強力な抑制効果を持つ光をゴルメデに照射し救おうとしたが、コスモヘッダーがそれを見逃さなかった。


ゴルメデの生命エネルギーを奪い、カオスゴルメデを現出させた。


カオスヘッダーは実体化するためだけに、ゴルメデを蘇らせたのだ。


カオスヘッダーが取り付いてゴルメデを変形させるのではなく、別個体として出現させる点は、第1話のカオスリドリアスとは別のパターンだ。


そこには、カオスゴルメデ対ゴルメデの構図もあり、ゴルメデを撃破。


しかし、カオスゴルメデも赤いウルトラマン(コロナモード)の敵ではなかった。


カオスゴルメデの口からの熱線を、光のシールドで受けながら、胸のカラータイマーが青から赤へ。


「ウルトラマンが、この星で活動出来るのは、地球時間でおよそ3分。頑張れ、ウルトラマンコスモス」とのナレーション。


負傷したリドリアスの元へ、ムサシとアヤノが駆け寄る。


隊員が全員揃ったところで、シノブリーダーが語りだす。


「キャップ、あたしたち確かに現実って言葉を、逃げるための口実に使ってたのかもしれませんね。」


それに対し、「怪獣を救う為に、もっと努力しろか。ムサシに感化されたな。けどな、それは決して生易しい事じゃない。これから、いろんな矛盾にも、きっとぶち当たる。」とヒウラは応える。


シノブは「わかってます。でも、努力すれば、きっと奇跡に出会える。そんな気がするんです。」と、しみじみと話すのであった。


「俺だって、奇跡は見たいさ。」と、さらに応えるヒウラの言葉は「自分も、決して傍観者にはならない。」という彼の強い意思のようでもあった。


2人の会話を肯定するかのように、リドリアスが元気よく鳴いていた。


キャップとリーダーの会話は、我々が現実社会で生きて行くうえでの教訓でもある。


シノブがここで口にした「奇跡」とは、決して現実離れしたものではなく、「努力して、夢や希望を現実のものにしていく。」という意味に違いないからだ。





2015年11月12日木曜日

ウルトラマンコスモス 第1話 光との再会

リドリアス カオスリドリアス 登場


オープニングタイトルの『ウルトラマンコスモス』のロゴが、赤色から青色へと変色しており、見事にコスモスのモードチェンジをも表現しているのはお見事。


音楽担当は、『うルトラセブンや』『ウルトラマンネオス』等でお馴染の冬木透氏であるが、今回は過去の作品との差別化が感じられる。


また、プロデューサーの渋谷浩康氏は、当初から最終回のシチュエーション(ムサシが笑顔で手を振って、ウルトラマンコスモスを見送る。)を明快に持っているのだ。


オープニング主題歌の歌詞に「ウルトラの誓い」とあるのも、昭和からのファンにとっては嬉しい。


さて、いよいよ本編だが、冒頭の夜の街は、『ウルトラセブン』第1話ほ彷彿させてくれた。


ヒウラキャップを演じているのは、『超獣戦隊ライブマン』で、レッドファルコンこと天宮勇介を演じた嶋大輔氏。


アヤノ隊員の「ぶつぶーつ、ぶつぶーつ」は、彼女のセリフの定番として期待したいところだ(『ウルトラマンネオス』のアユミ隊員のタメ口を超えて欲しい)。


衝撃を受けたのは、「平成ウルトラマン(『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』)」ではウルトラマンの象徴であった「光」が、本作では「光のウイルス」としても描かれている点。


それが地球へ降臨し、街が大規模にわたり破壊されてしまったのだ。


ムサシと仲良しのリドリアスの名称は、『ウルトラQ』第1話に登場したリトラへのオマージュ。


ここにも、原点回帰への一端を垣間見る事が出来る。


「光のウイルス」が体内に溶け込んでしまい、その姿と共に凶暴化してしまったカオスリドリアス。


1度はムサシが奏でた「輝石」の音によって元の姿を取り戻したが、防衛軍の無認識な攻撃によって、またしても凶暴な姿になってしまった。


リドリアスが本来の姿を取り戻そうとして必死に抵抗し、カオスリドリアスが防衛軍へ反撃する場面を見た場面。


それは、リドリアス自身が「光のウイルス」だけでなく、人類の被害者のようでもあり、少なからず切ない気持になってしまった。


不本意ながら、カオスリドリアスの攻撃を受け、脱出出来ず機体諸共落下しようとした時、ムサシの「輝石」が光り輝いた。


それは、巨大な生命エネルギーを地球に呼び寄せ、ムサシの機体を貫いた。


誰もがムサシの死を覚悟した時だが、それはムサシとコスモスの8年振りの「再会」だったのだ。


一定の期間を経て地球に戻って来て滞在するウルトラマンは、「セブン」以来である。


相手を慈しむようなファイトで「光のウイルス」を切り離し、本来の姿を取り戻したリドリアスは、SRC怪獣保護区域・鏑矢諸島へと戻って行った。


私の心も童心に戻ったようだ。


至福の1年間(結果的には、1年以上)のスタートだ。


サブタイトルとエンディング(本話の名場面)は、『ティガ』、『ガイア』、『ダイナ』と同様であり、好感を持てた。


新しいものを求めるだけではなく、良いものは良いものとして引き継いでいけば良いという姿勢を感じ取れたからである。



2015年11月11日水曜日

モスラ3 キングギドラ来襲

「平成モスラ3部作」の最終作には、遂にキングギドラが登場。


やはり、興業的にネームバリューの高い人気怪獣をチョイス。


キングギドラは白亜紀型も登場するが、それは過去に地球に飛来していた際の姿なのだ。


本作はタイムトラベルもので、モスラの幼虫は白亜紀体も登場し、原子モスラと呼称されていた。


ゴツゴツとした体表で、個人的には好きなデザイン。


レインボーモスラは現代で、鎧モスラへと変化。


堅い体表に覆われており、キングギドラを撃破した。


ちょっと残念だったのが、白亜紀に登場する恐竜の特撮シーン。


「百聞は一見に如かず」ですが、かなりショボイ出来です。


平成の時代とは思えない、よくゴーサインが出たなという感じの映像で、公開時に衝撃を受けたものです。


まあ、モスラとキングギドラの戦いに巻き込まれた恐竜達こそ迷惑だったようですが・・・。


フェアリー(モスラ)、ガルガルⅢも登場し、モル、ロラ、ベルベラも出演しているのですが、残念な事も。


事務所の方針なのでしょうが、ロラ役が前回までの山口沙弥加さんから、建みさとさんに交代してしまったいました。


物語の世界観(当初のストーリー)にも影響を及ぼしており「本末転倒」になってしまいました。


今後、「モスラ」が主役の映画が製作される可能性は、残念ながら少ないと思われます。


そういう点に於いては、貴重な「3部作」でした。



2015年11月10日火曜日

モスラ2 海底の大決戦

「平成モスラ3部作」の第2弾。


まさか、「モスラ」が単発ではなく、シリーズ化されるとは「夢」にも思いませんでした。


ポスターには「奇跡の大変身!」の文字が。


そう、今回はタイトルにもあるように、「海底」で動き回るモスラの姿を見られるのです。


前作『モスラ』(1996年版)で、親モスラが海中に沈みゆく場面が「因縁」として思い出されます。


水中で敵怪獣のダガーラと戦う為の姿なのだ。


当時、ダガーラのスタンダードサイズのソフビは、発売されませんでした。


ミニサイズのセット販売が発売されたのみです。


モスラは、レインボーモスラへと変化。


これは、次回作『モスラ3 キングギドラ襲来』にも登場します。


本作には、ゴーゴという小さな生物が登場。


ウー(『ウルトラマン』)の両手を省いたようなデザインです。


ベーレムは、ヒトデ状の姿をしており、ダガーラから排出される。


見るからに、猛毒を持っていそうな深海生物みたいだ。


もちろん、モル、ロラ、ベルベラも登場。


前作からの世界観の継続だからですね。


フェアリー(モスラ)はもとより、ガルガルⅡも姿を見せています。


ニライ・カナイの王女ユナを、野波麻帆さんが演じています。


ゴーゴと遭遇する女の子を満島ひかりちゃんが演じて、女の子の観客動員対策をしていますが、男の子にとっては「好き嫌い」が別れてしまうのが、このモスラ映画第2弾ですね。

2015年11月9日月曜日

モスラ(1996年)

平成ゴジラシリーズ終了後に製作された、「平成モスラ3部作」の第1作。


モスラの羽根も、蛍光色に近いカラフルな色合いに。


劇場公開時、2度映画館に足を運びました。


実は、ある場面に感動して涙してしまったからです。


その場面とは、モスラの親子の別れのシーンです。


海上で、残り少ない命の成虫モスラと、新たに誕生した幼虫モスラが対面。


だが、成虫モスラは命尽き海底に沈んでしまう。


生命誕生の神秘、親子の愛情が描かれているからだ。


『モスラ対ゴジラ』とは違った形で表現、演出されている感動作。


興業的にモスラ単体では弱かったのだろうか、対戦怪獣が用意された。


デスギドラである。


キンギギドラ同様、3つ首を持つ強敵。


キングギドラに前足を2本足した感じのデザインで、体色は赤い羽根を除けば地味な色合いで、モスラと対比させているようだ。


モスラとセットである小美人は、モルとロラなる2人の女性として登場。


さらに、モルとロラの敵役として、ベルベラが登場するが、なんと彼女達の姉なのだ。


しかも、それぞれフェアリー(小さいモスラの分身)とガルガル(小さいのは同様で、首が1本のデスギドラ風デザン)に乗り、他人の家の中で空中戦を繰り広げるのだから驚きだ。


ポスターには、「守るために、戦う!」との文字が躍っていますが、破壊王でもあるゴジラとの差別化を謳っているのです。


劇場では、小さな女の子が観賞する姿も多く見受けられました。

2015年11月8日日曜日

決戦!南海の大怪獣

東宝特撮にしては珍しく、実在する生物が巨大化した3種類の怪獣が登場。


だが、海外のB級作品の映画のようになっておらず、アレンジが加えられてはいるが、見事な生物感を醸し出している怪獣デザインなのだ。


宇宙生物が乗り移った事により、カミナリイカがゲゾラ、カルイシガニがガニメ、マタマタガメがカメーバへと巨大化して変化。


ちなみに、スチール写真で有名な、3匹の怪獣戦う場面は本編にはありません。


ゲゾラは低体温なので火に弱く、それにより撃退されてしまう。


ガニメは2体登場するが、もちろん着ぐるみは一着のみの製作。


劇中に、2体登場すると言うのもリアルで、この2匹目がカメーバと戦うのだ。


カメーバは、敢えて言うなら「東宝版ガメラ」と言ったところでしょうか。


ちなみにカメーバは、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に、死体とはいえ姿を見せてくれました。


着ぐるみは、製作されなかったのです。


『怪獣総進撃』での、バランのような扱いです。


ゴジラのような想像上のデザインではなく、実在する生物の恐怖を描いた本作は、ゴジラシリーズに興味が無い人には未見の方が多いかもしれない。


私も社会人になって初めて観賞したのだが、様々なファンタジーな要素にアブラートされているとは言え、リアリティに感心させられたのだ。


玩具展開が弱いキャラなのは否めないが、味わい深い怪獣達なのである。


本編の見どころのひとつは、ゆるーい演技の髙橋厚子さんかな。

2015年11月7日土曜日

キングコングの逆襲

日本で製作された、キングコングが主役の映画。


対ゴジラ戦(別個体)を経ているとはいえ、幼い頃は興味が薄かった。


だが、「復活フェティバル ゴジラ1983」で劇場で観賞してからは、評価が一変。


おもしろい、大人の映画だったのだ。


浜三枝さん演じるマダム・ピラニアの大人の色気はもとより、天本英世さん扮するドクター・フーの怪演も一見の価値あり。


いや、必見なのだ。


当初は、「ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ」で製作が進められていたのだが、これはこれで観たいものです。


実際に登場した怪獣は、本作ではメカニコング、ゴロザウルス、大海ヘビ。


メカニコング、ゴロザウルスは後年バンダイから、素晴らしい造型のソフビ人形が発売されました。


ゴロザウルスの着ぐるみはリアルで、恐竜のような皮膚感を醸し出していた。


残念ながら、平成シリーズでは復活しなかった1体でもあります。


キングコングとの戦いでは、その大きな口を上下に引き裂かれ泡を吹きながら絶命。


自然界の摂理の恐ろしさを描写しているようでもあります。


メカニコングは、東京タワーによじ登るものの、落下してバラバラに。


スチール写真では、キングコング、メカニコング、ゴロザウルスが三つ巴で戦っている場面がありますが、本編では実現していないカットです。


『コジラ対メカニコング』、『キングコング対メカゴジラ』等、現代で製作して欲しい題材が、まだ残っているようですね。 

2015年11月6日金曜日

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編と思われがちだが、世界観の継続ではなく「姉妹編的な内容。


子供の頃は恐くて遠慮していたが、ある程度大人になって観賞すると、とても味わい深いさ作品でもある。


山彦=ヤマヒコ=山をサンと読む、海彦=ウミヒコ=海をカイと読むから、それぞれサンダとガイラと命名。


兄がサンダで、弟がガイラ。


身長はサンダが30メートルで、ガイラより5メートル大きい。


ガイラは、サンダの細胞から誕生。


ガイラは、兄のサンダに隠れて人間を食していた。


兄は、これが許せなかったのだ。


ガイラが人間を食べる場面は、上手くイメージで処理されているが、暗闇にアップで映し出されるガイラの顔のアップには、ドッキリ。


かなり、恐い。


東宝特撮では、これが限界の表現なのだろう。


特技監督の円谷英二氏は、「生理的に憎悪感を覚えるような演出はしない。」(趣意)との理念を述べられていたが、ギリギリのラインでの演出のように感じられる。


有名なのは、メーサー殺獣光線車。


大木の中を逃げる廻るガイラを、徹底的に追い詰める。


この場面は後に、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に流用されており、名場面である。


史上最大の兄弟喧嘩は街を破壊しながら海へと。


最後は、海底火山の爆発に巻き込まれ、両者はそれに巻き込まれてしまうのだ。


怪獣も、自然の営みには勝てないという事なのだろうか。


続編への期待も残されているという事です。

2015年11月5日木曜日

フランケンシュタイン対地底怪獣

当初は、『フランケンシュタイン対ゴジラ』等の案もあったようだが、コジラの新作ではなく、新作の怪獣映画として製作された。


等身大の恐怖とでも言うのだろうか、フランケンシュタインの設定身長は巨大化時が20メートルだからだ。


セットも大きな物が作り込まれ、リアリティを増していた。


バラゴンは25メートルなので、当初のゴジラの1/2の設定。


人間体のヒーローと怪獣が戦う構図なのだが、爽快感は無く切なさが隠せない。


バラゴンは2足歩行、4足歩行共に様になっており、人気が高いのも頷ける。


ドイツから広島に送られていた不死身の兵士の心臓が、フランケンシュタインなのだ。


「戦争」の影響が、本作でも扱われている。


水野久美さんが演じる戸上季子との絡みは、悲しくも切ない。


例え醜い姿であっても、心まで同じとは限らないのである。


ナイトシーンも多く、フランケンシュタインの出現にはドキっとさせられたものです。


だが、本作の注目点は、やはり「海外版」の存在だろう。


土曜日の夕方4時だったと記憶している(あくまでも、個人のおぼろげな固定された認識)。


当時は、「怪獣映画」がテレビ放映される日は、ある種の「お祭り」でもあった。


だが、子供なりに入手していた知識とは、異なる内容に驚いた。


ラストに、大きなタコが出現してフランケンシュタインと戦ったからだ。


ちょっと得した気分でもあったが、混乱も隠せませんでした。


ビデオソフトが発売され始めた頃は、「海外版=大ダコの出現」とされていたが、近年では、それが覆されている。


「東宝特撮 巨大生物箱(DVD-BOX)」には、海外版の「フランケンシュタイン対地底怪獣」が収録されているのだが、大ダコは出現しないのだ。

2015年11月4日水曜日

宇宙大怪獣ドゴラ

タイトルは凄いのだが、登場する怪獣はクラゲ状の生物。


キングギドラより先に登場した「宇宙怪獣」なのだが、見た目のインパクトはあるものの、カッコイイとは言い難いデザイン。


1年に1本だけでなく、2本の特撮映画が制作され続けていた、古き良き時代の産物なのかもしれない。


怪獣映画というより、スパイ・ギャング団の要素が強く、好き嫌いがハツキリと別れるであろう怪獣映画なのだ。


ポスターには「地球SOS!ビルも人間も吸い上げる恐怖の大怪獣」の文字が躍っている。


ダイヤモンドの消失事件が発生。


ドゴラは、炭素をエネルギー源としているからだ。


このドゴラという怪獣、実は放射能に関わりがある。


宇宙に存在する単細胞が、放射能の影響で突然変異したからだ。


やはり、この作品も「反戦・反核」を内包しているのだ。実態はあるが、不定形状なので子供の人気は低かったようだ。


何よりも、子供が喜ぶおもちゃ(玩具)が造り難かったようです。


凄まじい吸引力で、巨大な若戸大橋をも巻き上げ破壊。


かなり手ごわい怪獣なのだが、意外な弱点があった。


地球の地パチが苦手なようで、その毒を散布されると結晶化してしまったのだ。


石の塊ですね。


個人的には、若林映子さんのエキゾチックな美しさに浸る事をお勧めします。

2015年11月3日火曜日

海底軍艦

劇場で、改訂版を観た数少ない作品のひとつ。


オリジナルは、ビデオソフト化されて初めて観賞。


冒頭、銀色の鱗を付けたアクアラングマンのような蒸気人間が登場。


子供心に、胡散臭いなぁと思った記憶がある。


子供の目には、ショボイ宇宙人のように映ったからだ。


登場する怪獣は、マンダのみ。


ムー帝国の守護竜である、怪竜。


東洋の竜のようなデザインで、後に『ウルトラQ』第6話に流用された。


轟天号は、かつて第二次世界大戦時に日本国が建造していたが、完成する事なく終戦を迎えていた。


本作も、「反戦」色の濃い作品なのである。


だが、神宮司大佐らにより、極秘に完成されていた。


潜水艦仕様で、艦隊の先端にはドリルが装備されており、あげくの果ては空中を飛行する事が出来る万能型戦艦なのである。


後に、シンプルな造りのディスプレイ用のプラモデルが発売されました。


伊福部サウンドにより、「ムー帝国」撃滅の為に出発するシーンは鳥肌モノだ。


男の子が大好きな、メカ者の真骨頂でもある。


マンダとの絡みは少ないが、艦隊ボディの電圧とドリル先端からの冷凍砲で、マンダ退治に成功している。


マンダは2代目が『怪獣総進撃』に登場しているが、本作の初代とはデザインが大きく異なっている。
2代目は、竜ではなく海ヘビのような頭部で、角等が無くなっているからです。

2015年11月2日月曜日

マタンゴ

東宝特撮作品としては珍しく、海外版の小説である原作「夜の声」を題材にした作品。


怪獣映画というよりはホラーテイストの強い作品で、タイトルの「マタンゴ」も等身大のものが活躍、暗躍、動き回る。


その鳴き声は、バルタン星人(『ウルトラマン』)等に流用されており、一度は耳にした事がある人が多いようだ。


物語は、久保明演じる村井研二の回想シーンから始まる。


つまり、我々が目にする映画の内容は、すべて後日談であり過去の話なのである。


東宝特撮シリーズでは、数少ない部類に入る演出です。


それぞれの思惑を持った7人の若者達が、豪華客船で遭難。


辿り着いたのは無人島なのだが、人のような気配があった。


何かの生物が存在していたのだ。


難破船に残っていた食料が、各人の欲望、醜さを露呈する結果に。


人は生きるためなら、どんな残酷な事でも犯してしまうと言う事を目の当たりにするのです。


そこには、男女の性(さが)も盛り込まれています。


食べてはならないキノコを食するシーンは、必要悪的な欲望を抑えきれない人間の内面をも表現。


そのキノコを食すると、食べた人が次々とキノコ人間=マタンゴへと姿が変貌してしまうのだ。


水野久美さん演じる関口麻美は、妖艶な雰囲気を醸し出し、恐ろしくも美しくもありました。


村井は結果的に救出され目出度し目出度しでした、とはならない。


ほら吹き話として精神異常者としてのレッテルを張られていたのですが、彼の話が事実として証明される事に。


それは、彼自身のマタンゴ化への兆しでした。


ホラーらしい、恐いオチでした。


このオチも、東宝特撮では珍しいですね。

2015年11月1日日曜日

妖星ゴラス

セイウチに似た怪獣、マグマが登場。


当初は怪獣の登場予定は無かったそうなのだが、興業的なテコ入れの為、急遽怪獣マグマを投入。


でも、このワンポイントが重要で、怪獣ファンにとっては嬉しいのだ。


謎の妖星ゴラスが、地球に衝突する事が判明。


地球そのものを動かして、この衝突の危機を回避しようとする壮大なスケールの物語。


だが、マグマが出現し突貫工事を遅らせてしまう。


ジェットパイプの工事が南極に温暖化を招き、人的要因でマグマが出現してしまう。


見ていてハラハラどきどきの展開。


怪獣の出現により、本来の目的に支障が生じてしまうという、怪獣映画の重要なエッセンスを内包する事により、メリハリが出ている。


国連のVTOL機も活躍。


後に、カラーリングを変えて、『ウルトラマン』のジェットビートルに流用されたのは有名。


また、マグマは『ウルトラQ』のトドラとして、着ぐるみを改造して登場しています。


劇中で流れる「俺(おい)ら宇宙のパイロット」も素晴らしく、後年発売されたLPレコードやカセットテープにも収録されていました。


当時の「軍歌」のようでもありますが、良い意味での燃える歌でもありました。


怪獣マグマが主役ではありませんが、特撮のエッセンスを自然な形で組み込む事により、不可抗力に対する猛威に立ち向かうという内容を盛り込んでいます。

2015年10月31日土曜日

モスラ

子供の時は思いました。


大きな蛾の怪獣は、弱そうでカッコ悪いと。


幼虫は、芋虫なので気持ち悪いと。


でも、後年、リバイバル(「復活フェスティバル ゴジラ1983」)で劇場スクリーンで観た時は、その面白さの虜に。


インファント島、日本、ロリシカ国のニューカークシティを舞台に、モスラ並びに小美人を巡るストーリー。


勿論、主役はモスラの特撮である。


卵の殻を突き破って誕生した、モスラの幼虫。


目は青色に発光している。


東京の街を蹂躙するモスラの幼虫は、巨大なセットが広範囲に渡って組まれている中を突き進む。


今では考えられない広さで、どのカメラアングルから撮っても問題が無いのだ。


等身大サイズの顔の大きさの造形物も使用されているので、迫力満点なのです。


東京タワーに身体をよじらせ口から糸を吐き、繭を作るシーンは夜の街と重なり、神秘的に。


そして、繭から首を出し、成虫モスラが誕生。


生命の神秘を垣間見るような、幻想的な演出でした。


幼虫の目が青いので、成虫のモスラも目は青い。


本編では、小美人を見せものにして稼ごうとする、人間の醜い心を描きだしていた。


小美人と呼ばれるだけあって、視覚的にも彼女達の非力さを表現していました。


有名なのは、劇中で小美人が歌う「モスラの歌」。


生命の鼓動を感じさせる、ダイナミックな側面を持ち合わせたメロディなのだ。

2015年10月30日金曜日

大怪獣バラン

元々は、アメリカのテレビプログラム用に製作されていた作品で、近年、音声のみのテープが発見され、映画本編の映像を流用したものが、DVDソフト等に収録されるようになっている。


バランの着ぐるみが登場するのは、本作のみ。


『怪獣総進撃』にバランは姿を見せているが、飛び人形のみだからだ。


低予算のためか、モノクロフィルムの作品であり、スケールも若干小さく感じられる。


作品内の「東北のチベット」という言葉が、放送禁止用語という事で状況に応じてカットされていた事は有名。


婆羅陀魏山神として祀られていたようで、土着信仰的な側面もある怪獣がバラン。


正面と横から見る顔が異なったイメージを持っているが、やはり横向きのシルエットは最高。


ゴジラとは異なり、首と胴体の間が絞られて(細くなって)いるのが、正面と横向きの印象の違いを引き起こしているのかもしれません。


また珍しく、バンダイからはソフビ人形が発売されませんでした。


バランは光に対して敏感であり、パラシュートに付けた照明弾を口にする習性がありました。


結局は、この習性を利用され、特殊火薬を飲み込んだため退治されてしまいました。


バランの背中にある角は、ビニールホースを加工したもので、劇中でも透き通っているのが確認できます。


日本色の濃い怪獣映画なので、私の好きな作品でもあります。

2015年10月29日木曜日

地球防衛軍

怪獣が出てこないので、子供の頃はあまり関心が無い作品だった。


だが社会人になって、初めてビデオソフトで見てみると、面白い。


やはり、大人向けのドラマなのだ。


怪獣は出ないものの、ロボットのモゲラが登場する。


しかも、2号まで登場するのだ。


でも、最初に登場するモゲラで印象深いのは、やはり白川由美さんのお風呂のシーン。


妙に印象に残るのは、大人になったからでしょう。


2号は、マーカーライトファーブに押しつぶされ、呆気無く活動停止。


ちょっと間抜けに見えたものです。


2号とは言っても、外見上は同じなので、2台目と言った方がスムーズかもしれのせん。


やはり、「見せ場」はひとつという事なのでしょう。


怪遊星人ミステリアンは、地球の女性目当てで来訪。


彼らのみでは子孫を残せないからだ。


母性であるミステロイドは、核戦争で消滅してしまったためだ。


ここにも、「反戦」に対するテーマがあり、今回は宇宙規模で描かれている。


ミステリアンドームと、α号、β号、第2β号の攻防も必見。


伊福部サウンドが、地湧き肉躍るが如く盛り上げてくれる。


また、櫓を組んでの盆踊りのシーンは、古き良き昭和の時代を映しており、今となっては貴重な風俗史料に匹敵すると言うのも、あながち大げさではありません。


また、後年バンダイから発売されたソフビ人形は、非の打ちどころの無い逸品でした。

2015年10月28日水曜日

空の大怪獣 ラドン

東宝特撮怪獣映画初のカラー作品。


ポスターには、「イーストマンカラー」、「総天然色」の文字が。


映し出される、透き通った空。


何かの飛行音が聞こえるが、姿は何も見えない。


でも、そこには正体不明の飛行物体が存在している事を現しているのだ。


ラドンの羽ばたきで、吹き飛ばされる街並み。


家屋の屋根が吹き飛ばされるシーンは圧巻。


これらの特撮シーンは後年、ライブフィルムとしていくつかの作品に流用されている。


ラドンの餌は、メガヌロン。


特撮シーンでは、人が入る実物大のものも作られ、そこに存在する恐怖を演出してくれた。


ラドンは飛行時に、衝撃波を起こす。


地上を走るジープが、ラドンの飛行下で吹き飛ばれるシーンも、有名だ。


阿蘇山の大噴火に、ラドンが巻き込まれるシーンがラストにある。


撮影中に、吊り用の糸が切れてしまった。


マグマ用の溶鉱が高熱であるためだ。


そのため、当初、円谷英二特技監督が意図としていた演出とは異なってしまう事に。


だが、撮り直しをする事なく、そのままフィルムを回し続けたのだ。


このアクシデントに、逆にリアリティを求めた、見たのだ。


手作りの、アナログ時代の好例だと思います。


個人的に印象に残っているのはポスターでの表記、「石原忠改め佐原健二」の文字です。


古き良き時代ですね。


また8年後に、ラドンがゴジラと激突(『三大怪獣地球最大の決戦』)するとは、当時は「夢」にも思わなかったでしょうね。

2015年10月27日火曜日

ゴジラ ファイナルウォーズ

ゴジラ誕生50周年の記念すべき映画。


ゴジラ映画の集大成であり、総決算であったが、内容は散々なもの。


見どころは、オープニングナレーション後のバックに流された、かつてのゴジラの映像のみと言うのは言い過ぎだろうか。


マンダ、アンギラス、キングシーサー、カマキラス、クモンガ、ミニラ、エビラ、ガイガン、ヘドラと復活怪獣も多かったのだが、全く個性が生かされていなかった。


この怪獣が出現する意味、意義付けが欠けているのだ。


やたらと無意味に長いアクションシーン。


対エビラ戦でのM機関の肉弾戦も、視点がずれていたようだ。


観客は、ゴジラを観に劇場に足を運んでいるのだ。


復活した平成シリーズを経ての作品とは、到底思えない演出が多々目についたのだ。


怪獣をゴミの山のように扱うのが、その最たるものだ。


海外版『GODZILLA』のゴジラのデザインをイメージした、ジラの登場も、一見さんなのだ。


モンスターXがカイザーギドラへと姿を変える「隠し玉」も、焼け石に水のような展開に。


材料が最上級でも、調理の仕方を間違えると「美味しくない」という事の見本のような作品なのだ。


それほど、ゴジラに対する期待は計り知れないのである。


あくまでも、ゴジラは「反戦」への関わり無くしては存在し得ないのである。


やたら、画面の色調を変えていたのも、マイナスの要因になってしまいました。 

2015年10月26日月曜日

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

前作『ゴジラ×メカゴジラ』に、人気怪獣のモスラを加え更なるヒットを狙った作品。


ゴジラは前作での戦いの際の、メカゴジラからアブソリュート・ゼロを受けた胸の傷が癒えていない事からも、「続編」である事が明白。


本作では更に『モスラ』(1961年)にスポットライトを当て、中條信一役で小泉博氏が出演している。


メカゴジラこと3式機竜は改修され、右手はドリル状の武器(スパイラル・クロウ)へと変形可能になっている。


バックユニットも健在だが一新され、分離してゴジラへとアタックする事を前提としている。


吉岡美穂ちゃんが出演していますが、正直セリフが難しかったようで、見ていても、ちょっと大変そうです。


当初の脚本でのセリフを、かなりカットされたという事で残念でした。


モスラの幼虫は双子で登場。


小美人は、『モスラ』(1961年)の衣装に似通っており、かつてのインファント島の風俗を感じられました。


何より以外で、サプライズだったのはカメーバ(『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』)の登場。


ゴジラの爪に引っ掛かれ、息を引き取った状態でしたが、「昭和(から)のファン」にとっては嬉しい客演でした。


本当は、動き回っている姿、ゴジラとの戦いを見たいのは勿論です。


限られた予算内ですが、アイデアにより世界観が広がっているのは事実。


怪獣映画を見続けていると、やはり歴史、作品の積み重ねにより「世界観」が継続、発展していくという好例だと思います。 

2015年10月25日日曜日

ゴジラ×メカゴジラ

「対」、「VS」、「×」と変われども、両者3度目の激突タイトル。


本作のメカゴジラは、ゴジラのDNAを持ち、3式機龍と呼ばれる「対G特殊兵器」。


世界観は今回もリセットされており、前作との繋がりは無い。


だが、かつての『ゴジラ』(1954年)以外の「ゴジラシリーズ」を除外して、さらに「東宝特撮怪獣映画」を史実としており、モスラ(『モスラ』1961年)やガイラ(『サンダ対ガイラ』)に蹂躙された日本が舞台なのだ。


メカゴジラはバックユニットを装着するものの、基本は1対1の激突という近年では珍しい戦いだった。


メカゴジラの基本は遠隔操作なのだが、ラストで釈由美子ちゃん演じる「特生自衛隊」の家城茜が、メカゴジラの体内に入り込み操縦する場面は、やはり定番の盛り上がりがありました。


当初の釈ちゃんは、自分の不注意で葉山特自二尉がゴジラに殺されてしまい、その弟にいびられまくっていました。


その弟を演じていたのは、『仮面ライダーアギト』で、ギルスを演じていた友井雄亮氏だ。


最後は、紆余曲折を経て「和解」するのですが、結構シビアなドラマの一面もありました。


メカゴジラのデザインはカッコ良く人気を博したようで、恒例の次回作での再登場へと繋がります。


また、 釈ちゃんの演技も評判が良かったようです。


ヒステリックに自分を追いこんで鍛える場面にも、その一端が垣間見えました。


個人的にも、好きな女優さんの一人だからかもしれませんが。



2015年10月24日土曜日

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

タイトル欄に、バラゴンの文字が無いのは残念。


やはり、知名度の高い人気怪獣が表記されるのはやむ終えないのだろう。


登場怪獣は、ゴジラ、バラゴン、モスラ、キングギドラなのだが、ゴジラ以外は護国聖獣という設定であるので、モスラには若干の違和感を覚えてしまう。


ここは、思い切って、バランもしくはアンギラスを登場させて欲しかった。


バランなら、設定に当てはまるというものだ。


結局、バランが復活する事はありませんでした。


本作のゴジラは、戦争で亡くなられた方々の残留思念であるため、白眼むき出しのまま。


視点が定まらないだけに、余計に恐怖感を味わう事が出来る。


やはり、「ゴジラ」は反戦映画の旗頭なのだ。


ゴジラ対バラゴンが、遂に実現。


バラゴンは狛犬のようなイメージで、体表が赤、ゴジラよりも小さめ。
着ぐるみの中には、女性が入っていました。


劇中では、ゴジラに散々いたぶられたあげくに息を引き取ってしまいます。


久々に、ゴジラ映画で泣いてしまいました。バラゴンに感情移入してしまうのです。


モスラには、インファント島の設定が取り外されているので、先入観を取り払うのが大変です。


キングギドラは千年竜王という、日本国の怪獣という肩書きが。


竜なので、あまり違和感は無いようです。


本編では、BS放送局の「デジテルQ」での佐野史郎氏の怪演や、「自分の知らない他の太誰か」が印象的な父と娘の葛藤、ドラマも盛り込まれており、素晴らしい内容になっています。


「平成ゴジラシリーズ」で一番好きな作品ですが、惜しむべきは伊福部サウンドでは無いという点。

2015年10月23日金曜日

ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

首都が大阪に移っており、全く世界観が異なる世界。


前作との繋がりを廃しているものの、ゴジラの着ぐるみデザインは同タイプだ。


かつて、『ラドン』に登場していたメガヌロンがリニューアルされたデザインで登場。


トンボのヤゴみたいな感じ。


『ラドンでは』では成長する前にラドンの餌になっていましたが、本作では成体の姿を披露。


成体はメガニューラと呼ばれていましたが、モスラのように、「幼虫」と「成虫」で区別して、名前は変えない方が良かったですね。


メガニューラは更に一匹だけ巨大化させられ、メガギラスと呼ばれるようになってしまうからでもあります。


ここはストレートに、メガヌロン~メガギラスの方がベター。


Gグラスパーの隊長である辻森桐子を演じた田中美里さん。


彼女のゴジラの体表、背びれでの演技は迫力満点。


CGでの描写の好例でした。


劇場公開の頃は、パニック障害だったそうですが、今は御元気なられたようです。


映画本編のラストのカットに、少年の顔がアップになるシーンがありますが、これは不要だったと思います。


もちろん、賛否両論ありますが、何を伝えたいのかと言うより、これで一気に子供向け作品に(悪い意味で)なってしまったように感じられるからです。


玩具展開も難しかったようで、メガギラスはちょっとマニアックなようですね。

2015年10月22日木曜日

ゴジラ2000ミレニアム

タイトルには「2000」の文字がありますが、1999年12月11日公開の、2000年お正月用の映画です。


久々に、「キンゴジ」仕様(体型)の着ぐるみのゴジラを用いながらも、さらにシャープエッジを利かした、シルエット的にはベストな体型。


だが、敵のミレニアンは不評です。


まるで、昭和40年代前半に雑誌に掲載されていた、火星人のようなデザインだからだ。


昭和の匂いがプンプンとしていたが、回顧と言うより、なぜ、このような試行錯誤的なデザインを採用してしまったのだろうかと言う事だ。


このミレニアンは、オルガへと怪獣化するのですが、劇場で予備知識無しにミレニアンを観た時には、失笑どころか愕然とし呆気に取られたものでした。


3年振りのゴジラ映画が・・・。


この時代に、謎のUFOが出現という設定自体に無理があったようです。


宇宙人に対するワクワク感も薄れているからでもあります。


私は、昭和のワーストゴジラ作品を、『ゴジラ対メガロ』(あくまでも私的な見解で、切り口が変われば、評価する点は多いのは史実)だと思っています。


そして、平成のワーストゴジラ作品が、この『ゴジラ2000ミレニアム』もしくは『ゴジラ ファィナルウォーズ』と位置付けています。


ですが、翌年以降もゴジラ映画が製作され続けた事を考えると、その役割は立派に果たしてくれているようです。

2015年10月21日水曜日

ゴジラVSデストロイア

当初は、『ゴジラVSゴーストゴジラ』のタイトル案もあったが、『VSメカゴジラ』、『VSスペースゴジラ』と続いていたので、『ゴジラVSデストロイア』に決定。


雑誌「宇宙船」での早期の告知では「ゴジラVSデストロイヤー」との表記もあり、一瞬、今度は覆面レスラーが相手なのかとも思ったものです。


オープニングは圧巻で、『ゴジラVSメカゴジラ』とは異なったシチュエーションでMAXなのだ。


いきなり、真っ赤なゴジラが姿を現し暴走。


嫌が上でも期待が高まる。


観客は、「最後のゴジラ」と認識した上で見ているので尚更だ。


鬼気迫るとんでもない緊張感が、伊福部サウンドと共に覆いかぶさってくるのだ。


メルトダウン寸前で、大暴走、狂喜乱舞しているのです。


第1作の『ゴジラ』で使用されたオキシジェンデストロイヤーは、ゴジラを白骨化させたのと同時に、未知の生物を生み出していたのだった。


河内桃子さんが恵美子役で出演しているのが、映画の歴史に重みを与えている。


デストロイアは単独でゴジラと戦うため、形態の変化で観客を飽きさせないようにしている。



幼体の集合体のデストロイアが、自動車から逃げ遅れた石野陽子さん演じる山根ゆかりを襲うシーンは、迫力満点。


見ていて、同じように身体を動かして脱出しようとしてしまうのでした。










リトルゴジラは、ゴジラジュニアとして成長した姿で登場。


デストロイアに殺されてしまいましたが、メルトダウン後のゴジラの放射能を吸収し、ラストでは復活したシルエットを見せています。




本作で、「ゴジラ」は終了。


しかし、「モスラ」の3部作を間に挟み、1999年の年末には新たなシルエットで復活するのでした。

2015年10月20日火曜日

ゴジラVSスペースゴジラ

ゴジラ細胞が、またまたクローズアップ。


詳細は省くが、スペースゴジラはゴジラ細胞、ビオランテの粒子と関わりがある存在なのだ。


なので、ゴジラに酷似した容姿に。


ゴジラに角を生やして、両肩にクリスタル状の突起物を付けた感じですね。


それよりも、モゲラがリニューアルされたデザインとは言え、復活した方が拍手多し。


しかも、人類の対ゴジラ兵器のロボットとして、2機のメカが合体するのだ。


モゲラ=MOGERAとは、モビル・オペレーション・ゴジラ・エキスパート・ロボット・エアロタイプの頭文字を取ったもの。


復活したメカゴジラとは逆に、平成のモゲラは丸みよりもエッジの効いたデザインになっている。


前作で登場したベビーゴジラは、成長した姿リトルゴジラとして再登場。


モスラの成虫も姿を見せ、妖精(フェアリー)モスラを形成し、地球の危機を知らせるために一役買ってくれました。


本編で気になったのは、本作は音楽担当が伊福部昭氏では無いという事。


劇中の音楽が伊福部サウンドなら、もっと違った印象になっていた事でしょう。


これは、(あくまでも個人的な意見ですが)『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』にも当てはまる事かもしれません。


モゲラは劇場公開時に、劇中通りに再現可能な合体仕様の玩具が発売されました。


もちろん、買ってしまいました。


本作は、ハリウッド版『GODGLLA』の製作が遅れた事により作られたもの。


当初の予定通りにハリウッド版が公開されていれば、その後のゴジラ映画の流れが変わっていた事を思うと、分岐点的な作品でもあります。

2015年10月19日月曜日

ゴジラVSメカゴジラ

オープニングは、圧巻。


伊福部サウンドに乗せて、過去の戦いのナレーションと共に、メカゴジラがドック゜で待機しているのだ。


何度繰り返して見ても鳥肌モノで、飽きません。


男の子には貯まらない、メカモノなのだ。


今回のメカゴジラは、人類の味方であり、対ゴジラ兵器。


シルエットは丸みを帯びており、昭和のメカゴジラ(『ゴジラ対メカゴジラ』、『メカゴジラの逆襲』)と差別化を図っている。


リアリティの追求のためか、本作のメカゴジラはガンガン動くより、空中での浮遊状態が印象に残っている。


ガルーダとの合体による、スーパーメカゴジラでは尚更だ。


実は、ファイヤーラドン(ラドンが復活した姿)の生命エネルギーを受けて復活、パワーアップするゴジラと対になっていんですね。


メカ同士と、生命を持つもの同士の融合をも対比しており、最終的には生命を持つゴジラがメカゴジラに勝利するのだ。


我が子である、ベビーゴジラを守るためにだ。


「メカゴジラ対ラドン」、「ゴジラ対ラドン」、「ゴジラ対メカゴジラ」と戦いもバリエーションにとんでおり、贅沢な対戦カードが続出。


ちなみに、次回作でメカゴジラ2の登場予定もあったのですが、モゲラが取って変わる事になりました。


平成のメカゴジラ2は、『ゴジラ×メカゴジラ』、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』にて実現するまで、もう少し年数が必要でした。