グインジェ登場
殺伐とした社会情勢にあって、人々の中にある「善の心」を垣間見せられた、「心温まる」良質な作品だった。
ムサシが、J4エリアをパトロール中に出会った風貌の冴えない男が、SRCの名物男カワヤ ノボル医師だったとは。
演じる影丸茂樹さんの、芸の幅って広いですね。
SRCの全女性職員にふられていたとは。
しかも、シノブリーダー、アヤノ隊員も含まれているのだから・・・。
でも、その都度、自称「王子様」が「お姫様達」にキスしているのだから、それはそれで美味しい気もするのだが・・・。
S2エリア上空を通過した未確認飛行物体に、いきなり攻撃を仕掛ける「防衛軍」の戦闘機。
「シャークス」時代の体質が、そのまま残っているようだ。
墜落した人工冬眠装置の中の異星人を追う、防衛軍のリーダー格の男。
なんと、「リザード」(『ウルトラマンガイア』)の瀬沼さん(石井 浩氏)では。
そうか、同業他社に転職していたのか・・・。
いえいえ、もちろん違います。
街中を蹂躙する防衛軍戦車部隊「ベンガル」の光景は、特撮の世界では、ある種定番の非日常的な世界。
戦車が通過すると、自転車が倒れるのは、もはや(お遊びの)の定番だ。
ラミアの星は、他の星からの攻撃で文明を崩壊させられた過去を持っていた。
そこで、「転ばぬ先の杖」の如く、事前に危険な星を抹消する任務「破壊指令ゼロゼロ」を帯びて、グインジェを伴い地球にやって来たのだった。
彼女達なりの、正当な理由に違いない。
ある種、氷のように冷え切ったラミアの心を溶かしたのは、事前に好戦的な星と調査され、一度は、それを見せつけられた地球人であった。
ラミアから、グインジェのコントロール装置を奪った3人の若者達は、カワヤ医師の優しさに触れ、それを返却。
防衛軍の男達から、ラミアを守ろうとして被弾したカワヤ医師の、自分を犠牲にしても他人を守ろうとする行為。
それが、偏っていたラミアの認識、評価を覆した。
振られ続けのカワヤ医師が、ラミアに恋心を抱いていなければ、地球のコアはグインジェの惑星消滅ミサイルを免れていなかったかもしれない。
つまり、間接的だが、「カワヤ医師の限りなきチャレンジ魂」(『ウルトラマン80』第45話のサブタイトルのようだ!)が地球を救ってくれたのだ。
最初は、ラミアにチョッカイを出し、カワヤ医師に暴行を働いた3人の若者達の1人が、足を負傷。
それをカワヤ医師に救われ、彼らは口々に「ありがとう」の言葉を。
誰の中にも、「善の心」があるのだという、この場面が昨今のドラマに欠けている大切な部分だと思う。
ラミアは、グインジェと共に故郷の星に帰り、「地球人が必ずしも好戦的な種族だけではない事。」を訴えるとの事。
ラミアの誇りとピアノ伴奏が、見事な二重奏を奏でていた。
「私は、あなたに会えて良かった。」との言葉を、直接耳にする事が無かったカワヤ医師だが、その身体からは、銃弾が取り除かれていた。
カワヤ医師、トレジャーベースに復帰したのでした。
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