エリガル カオスエリガル登場
今回のムサシは、ちょっと変で、かなりイライラしている。
カオスヘッダー・イブリースとの戦い(第26話「カオスを倒す力」)で、自分の力不足を感じたからだろうが、唐突の感が否めない。
せっかく長期のシリーズ構成が出来ているのだから、第27話で多少なりとも、ムサシの微妙な心理を表現して欲しかった。
でも、サブタイトルは素晴らしい。
第26話の「カオスを倒す力」には、今回の「強さ」が必要だという「力」が、合わせ鏡のようになっているからだ。
怪獣保護に賛同していた我々だったが、収録に訪れたテレビレポーターの言葉「怪獣の生き死にの権利を、あなた(ヒウラキャップ)や、TEAM EYESが握っているわけですよね。」は、結構ショックだった。
しかも、「安易に攻撃に移りすぎている。」と。
たしかに、そうかもしれない。
他者の生存権を左右する事は、誰にも出来ないはず。
主題歌の歌詞にもある「力で勝つだけじゃ何かが足りない♪」に対する双方からの疑問を、2クールを過ぎて、作品にしてしまうとは思ってもいなかった。
何を焦っているんだ、ムサシ隊員。
ヒウラキャップは、彼の全てを見通していた。
「強くなる事と、力をつける事は同じだと思うか。」、「力に頼らない、強さもあると思うがな。」と優しく諭す。
38連敗中の対フブキ戦での空手に、初勝利したムサシの後味の悪さを見事に指摘していた。
今のムサシの姿は、「勝つ為なら、何でもしてやる。」という、一昔前の凶器を振りかざしていた外人レスラーのように見えてしまった。
初代、2代と現れた怪獣エリガル。
見かけは可愛らしいが、ストーリーは結構シビア。
初代はやむおえず退治されたが、2代目は自分の力で取り付いていたカオスヘッダーを抑えつけていた。
しかし、「TEAM EYES」が決行した事が、カオスヘッダーの力を解放してしまった。
良かれと思った事が仇となり、「小さな親切、大きなお世話」状態になってしまったのだ。
我々の日常にも多々ある事だが、悲しいかなカオスエリガルを倒したものの、コロナエキストラクトを最大の力で放っていたために、2代目エリガルも絶命。
まるで、エリガルの種族が呪われているかのように。
夕陽が沈むまで、エリガルの亡骸を抱き抱えるコスモス。
ムサシが叫ぶ。
「何故だ、何故なんだコスモス。僕が力を、力を求め過ぎたのがいけなかったのか。力は、優しさを消してしまうのか。返事をしてくれ、コスモス、コスモス。」
ウルトラマンを宿す人間が、ここまで不信感を露わにした事が、かつてあっただろうか。
ムサシとコスモスの存在が対等である以上に、お互いの信頼関係に亀裂が入ろうとしているようだ。
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