2015年11月30日月曜日

ウルトラマンコスモス 第19話 星の恋人

アングリラ登場


5年前、「地球平和宣言」が採択された際に、軍事衛星は宇宙へ廃棄処分された。


広大無辺な宇宙は、無限のゴミ箱ではない。


自分達が造り出した物を、最後まで面倒を見ずに安易に放置していた為に、今回の悲劇が起きてしまった。


旧軍事衛星「アンジェリカ」(DS36-0529)が、誤って未確認飛行物体を攻撃。


自動迎撃プログラムをインプットしたまま、放置していたからだ。


その中には、ミゲロン星人レダとレカが乗っていた。


レダの恋人、レカは亡くなっていた。


アヤノ隊員は、ムサシ隊員をお供にしてショッピングを満喫。


ムサシは、尻に敷かれるタイプなのかもしれない。


買い物の紙袋には、あの「カエル」のイラストが。


復讐に燃えるレダは、知的な報復を開始。


洗脳した車の運転手をアヤノに突っ込ませ、彼女を救い心を掴む。


「施設見学」の案内日が、アヤノの担当日を狙い彼女を洗脳。


「TEAM EYES」の指令室に潜入し、コンピューターを操作させる。


「アンジェリカ」を再起動し、何と「ジェルミナⅢ」へ衝突させようというのだ。


我々も「ジェルミナⅢ」の歴史を知っているので、二重にショック。


ムサシは「復讐と破壊は、何も生み出さない。」とレダに訴えるが、限界が近い体でありながら、彼の耳には届かない。


「怒りと憎しみの情念」が、1匹の怪獣アングリラを生み出した。


そま歪んだ心ゆえか、おぞましい姿をしている。


レダは「ウルトラマンコスモス」と口にしていたが、既知のようだ。


苦戦するコスモスを救ったのは、今は亡き恋人のレカ。


アヤノを利用したつもりが、レカの心がアヤノの中に入り込み、凍てついたレダの復讐心を溶かしてしまった。


2人は、やがて「光」になり昇天。


怪獣アングリラ、そして衛星「アンジェリカ」もコスモスにより消滅させられた。


地球人が、地球中心の考え方を改め、宇宙規模の思考に改めなければ、同じ悲劇が繰り返されるだろう。

2015年11月29日日曜日

ウルトラマンコスモス 第18話 二人山(にびとやま)伝説

戀鬼(れんき)登場


岩手県閉伊部香野ですか。


川上脚本は、いつも時間がゆるやかに流れ、安堵感がありますね。


シノブリーダーは、かつての上官・竹越チーフに思いを寄せていた事が発覚。


妻を亡くし、娘・みどりちゃんがいるようだ。


話が逸れるが、「TEAM EYES」の指令室の壁は、コンディションレベル(レッドなら赤色)に応じて変色しているのだ。


竹越から「シノブ、良かったら、ここで暮さないか。」と、間接的にプロポーズを受けるシノブ。


出会いから、6年が経過していた。


その返事は、ラストまでお預け・・・。


ダムの建設業者が、封印の刀石を破壊した為に謎の地震が発生。


いや、何者かが地面の下を移動している為で、テックダイバー(ランドダイバー)が出撃。


地中に潜るのだが、地表に穴を開けなければ、怨霊鬼・戀鬼が地上に姿を現す事は無かったかも。


戀鬼を封印していたのは、錦田(小十朗)景竜だった。


彼が封印していたのは、宿那鬼(『ウルトラマンティガ』第16話「よみがえる鬼神」)だけではなかったのだ。


川上脚本の成せる技だ。


シノブと竹越が乗ったシェパードを鷲掴みにする戀鬼。


フロントガラスから覗き込む戀鬼が、結構怖い。


ライドメカやコスモスの光線技を一切受け付けず、透過させてしまう戀鬼。


ある種の無敵状態だっが、それを打ち破ったのはシノブの「心」だった。


「いつの時代だって、恋をするって大変な事なの。人を愛するって、簡単な事じゃない。みんなが、悩んで苦しんで、そして傷ついたりしてるの。自分の恋が成就しないからって他の人を傷つけるなんてヒドイよ。」と、涙ながらに訴えるシノブの後ろには、竹越親子が。


竹越チーフも娘のみどりも、シノブの心中を知り、彼女の苦悩を垣間見たのだろう。


決して、悩んでいるのは自分達だけではないと。


やがて戀鬼は地に伏し、赤と青の光になって昇天。


やはり、武力行使だけでは、根本的な解決にはならないのだ。


「思い出を、ありがとうございました。」と竹越に対し、敬礼するシノプ。


彼は、問い掛ける。


「君の幸せは?」と。


シノブは躊躇う事なく「TEAM YEYSの一員である事。」と答える。


駅で帰路につくシノブの元へ「シノブさん」と、みどりが見送りに。


「これからは、シノブ姉さんと呼びなさい。」と優しく微笑みかける。


「わかりました。シノブ姉さん。いつでも、来て下さい。」と、みどりが応じるのだった。

2015年11月28日土曜日

ウルトラマンコスモス 第17話 異次元の罠

ギギ登場


「ヒウラちゃん」


キヤップの事を、こう呼べるサワグチ女史。


ラウンダーショットやりストペーサーなど、様々なメカを生み出したサワグチ女史が、新たな装備品を開発。


しかも、完璧すぎる出来栄え。


ヒウラキャップの主張「科学があって人間があるんじゃなくて、人間がいて科学を・。」の言葉さえ遮ってしまう。


しかも彼の事を「大雑把で不完全」と言い切ってしまう。


デシダルとアナログの攻防戦のようだ。


が、ヒウラに言わせれば、彼女の開発装備品には「使う人間にも、完璧が求められる。」そうだ。


キヤップがムサシを伴い、サワグチ女史のいるSRC開発施設に到着した時には、既にギギ達の支配に陥っていた。


2人もキギ達の手により、縮小され、迷路の中に放り込まれてしまう。


これは、キギの体表の縞模様からのアイデアなのだろう。ギギ達は、飛躍的に進んだ量子学を応用し、次元を移動するシステムを完成させた。


彼らの次元は、崩壊の危機に直面しているのだ。


そこで、2000億人を地球へ移住させる事を目的にやって来たのだ。


しかも、100億人の地球人は「100分の1に縮小」して暮せと。


今回の実験が成功し、彼らなりに手ごたえを掴んだのだから迷惑な話だ。


「論理的で完璧」と自らを誇示するギギに、サワグチ女史は自分を重ね合わせたのだろうか。


「完璧なんて、世の中にある訳無いでしょう。」と言い返す。


その後ろで、少し遠慮がちに「その通り。」と言うキャップが、少しオチャメ。


リストペーサーによる通信は不可能だったが、古いタイプのラウンダーグリップは通信可能で、施設の内部の様子を外部に伝える事に成功。


ムサシは「脱出口を探して来ます。」とヒウラキャップ達の元を離れ、いきなりコスモスが登場。


ヒウラ達を等身大の姿に戻す。


「ムサシ隊員は、先に救出した。」と言い訳をしていたが、バレバレなのでは・・・。


ギギ達3体は、合体し巨大化。


しかし、輸送装置を破壊され、コスモスに留めを刺される。


今回は、ヒウラからの唯一のプレゼントであるリングが、サワグチ女史が入れ替わっていた事を知るキッカケになった。


サワグチ女史は「相変わらず、不完全な人ね。」とヒウラに言い放つ。


彼も、それを肯定しエンゲージリングを送る日は来そうに無いとの意を口にする。


しかし「世の中に、完璧なんて無いんだから。」とサラリと言うサワグチ女史の言葉が、2人の未来を照らし出しているようだ。

2015年11月26日木曜日

ウルトラマンコスモス 第26話 カオスを倒す力

カオスヘッダー・イブリース登場


遂に地球上のR6エリア、湾岸町の三番倉庫で自らを実体化させたカオスヘッダー(あくまでも、地球人の呼称)が出現。


東京では、謎の光を見た人々の失踪事件が相次いでいた。


回想シーンに登場する、正太くんの父親である犠牲者の、狩野(かのう)良一パパが、バルタン星人のお面をつけ、両手のハサミの代わりにスリッパを2つ折りにして代用していたが、生活感がありホノボノとします。


目の前にあった、「東京-群馬」間の宅急便(社名は「パンダ便」)で、群馬県から上京して、パパの救出に向かう正太くん。


この間に、ムサシの幼い頃のエピソードが語られる。


地方に行っていた父が災害に巻き込まれ、しは゛らく連絡が取れない事があった。


ムサシは家を飛び出し、「父に会いたい一心」で、一晩中歩いたそうだ。


「人の感情は、おもしろい。」と言い放ち、地球人の身体に取り付き、分析を繰り返していたカオスヘッダー。


正太くんの父親の姿で、ムサシに攻撃を仕掛けるも、息子である正太くんの呼び掛けに敵意を保つ事が出来ず、遂に実体化。


コスモスとのバトルは細かいカットで区切られており、コスモスの苦戦を上手く表現していた。


そして、コスモスの分析を始めるカオスヘッダー。


コロナモードにチェンジしても、大苦戦だ。


バトルーンの手前に、狩野親子とシノブリーダーがワンカットに収められており、リアリティ満点。


意識を取り戻し、正太を抱きしめる父親の慈愛がカオスヘッダーにシンクロしたのか、動きが乱れコスモスに倒されてしまった。


コスモスがエネルギーを使い果たし、片膝を付いたまま縮小化するのだが、出来ればムサシの姿まで繋げて欲しいカットだった。


結果的に、誕生日におねだりしていた携帯電話が、父親の救出に一役買ったのだから、間接的とはいえ正太くんの大手柄だ。


彼のパソコンのメールソフトが「COSMOS MAIL」になっており、隊員セットに身を包んでいる正太くんにピッタリ。


もし、カオスヘッダーが正太くんのパパに取り付かず、暴走族や犯罪者、変質者等に取り付いていたとしたら、かなりヤバかったかも。


と言う事は、ムサシ隊員も「人の心にあるのは、怒りや憎しみばかりじゃないんだ。」と言っていたが、善人に取り付かせれば、どうなるのだろうか。


PS 狩野家が住む町の看板「群馬ハレルヤニュー」(画面で映し出されたのは、ここまで)と、父親が治療(入院?)を受けた「愛育病院」の看板の作りが酷似していたようでしたが・・・。


予算の関係かな。 

ウルトラマンコスモス 第15話 深海の死闘

ジェルガ登場


防衛軍空手選手権の3連覇の猛者、フブキ隊員。


空手着の胸には、「TEAM EYES」のマークが。


しかし、3連覇を達成した時は、途中から意識が無いまま戦っていたのだった。


だが、彼の特異な?体質が、ムサシを救う事になろうとは・・・。


深海のシールドに保護されている、怪獣ジェルガ。


既存している怪獣の日常の断面を描写するというのも、世界観の拡がりを感じさせてくれる。


今回は、テックダイバーが初出動。


「EYES」の基地から深海への発進シーンはCGだったが、海の描写に違和感が。


ここは、「吊り」による特撮の方が画面に馴染んだと思われるのだが・・・。


今回も、「春風コンビ」が出撃。


ヒウラキャップは、2人の本質を見極めた上でコンビを組ませていた。


「あいつらは、仲が悪くてぶつかりあっている訳じゃない。2人とも、自分の考えをちゃんと持っているからな。まあ、意見のぶつかり合いってとこだ。」と。


さすがは、キャップ。


なあなあの馴れ合いや、表面的なうわべだけのの繋がりよりは、好ましい人間関係ではなかろうか。


カオスヘッダーにより、ジェルガが凶暴化。


テックダイバーは破損。


艦内の酸素が低下。


ここで、ムサシがコスモスに変身すれば、テックダイバーもジェルガも救える。


しかし、フブキが近くにいるため変身を躊躇う。


自分がウルトラマンである事を知られてはならないという、「王道」である正体隠しだ。


カオスヘッダーが海底にまで現れる事を、事前に想定していたフブキ。


だからこそ彼は、海底シールドに賛成したと。


それが、カオスヘッダーからか怪獣を守る「盾」になるのならと。


生命のピンチ、極限状態の中でフブキの考えを知り、ムサシは態度を改める。


「そこまで、怪獣の事を。なのに、なのに僕は、偉そうな事ばかり言って、結局何も解っていなかったんだ。」


自らが無言のうちに、破損した酸素ボンベを使用していたフブキの行いが、余計にムサシの思いを募らせた。


だからこそ、自分がウルトラマンである事を知られてしまう「リスク」を承知のうえで、コスモプラックをかざしたのであろう。


脱出したはずのフブキがテックダイバーを操縦し、コスモスとジェルガの戦いの場所へと戻って来た。


これには、ムサシも観念したようだ。


だが、フブキの記憶が飛んでいようとは・・・。ムサシ隊員、良かったね。



2015年11月25日水曜日

ウルトラマンコスモス 第14話 時の娘(後編)

ワロガ ガルバス 登場


防衛軍戦車部隊「ベンガルズ」の出撃により、凶暴化したガルバスだが、何とか地底に逃げ込んだ。


戦車部隊の進行の際、黄色い自転車が転倒。


『ウルトラマンガイア』の赤い自転車のように、定番になるのかな。


しかし、「TEAM YEYS」は出動停止に。


さらに、ガルバスによる被害により、首都圏のライフライン(電気、ガス)が一時停止。


「こんな事位で怪獣の保護を諦めるなんて、馬鹿げてます。」と粋がるムサシだったが、シノブリーダーが突き付けた現実、「ライフラインが止まれば、もっとも被害を受けるのは、病人や乳幼児、老人なのよ。」には反論出来なかった。


怪獣の捕獲、保護は一歩間違えば、今回のように弱者を苦しめる事に成りかねない。


『コスモス』のテーマに対するアンチテーゼであり、製作スタッフの挑戦のようにも感じられた。


ワロガが消滅すれば、レニの命も消えてしまう事を耳にしたムサシは、彼女を探し救す。


だが、レニを助けるつもりのムサシは、逆にレニに励まされるのだった。


怪獣の保護を諦め、意気消沈するムサシだが、レニは不可能を可能にした。


過去の様々な史実を挙げ、「実現するまでは、いつも夢物語だったんだよ。」(これは、後世に残る名セリフだ。)と、優しく語りかける。


建設クルーが、ジェルミナⅢを「時の娘」と呼んだのは、「自分達が、夢を継ぐ者のひとりだっていう誇りがあったからだよ。」と。


レニとの出会いは、ムサシにとって、コスモスとの出会いに次ぐターニングポイントのようだ。


シノブリーダーは推測した。


ワロガの狙いは、人間が怪獣との共存を否定し、それらを排除する事により、人類を自滅に追い込む事なのではないかと。


ワロガにより、頭部に変調機を埋め込まれたガルバスは、G2エリアのエネルギープラントを目指す。


遠景でガルバスが、夕焼け雲の下を前進するカットは、操られる者の哀愁を醸し出していた。


それに引き換え、戦車部隊の砲塔から発射される際の、炎のCGは迫力不足。


ここは、やはり火薬を仕込んで「特撮」して欲しかった。


エネルギープラントの、タービン停止に成功したレニとムサシ。


と同時に、ガルバスは自我意識を取り戻した。


チャンスとばかりに、戦車部隊が攻撃を仕掛ける。


劇場版『ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』でのワンシーン、音楽で眠りについたバルタン星人を、チャンスとばかりに攻撃した防衛軍国家緊急部隊「シャークス」と同じやり方には激怒!!


後退するガルバスに、ワロガが襲いかかる。


ガルバスを救うには、怪獣を保護するためには、ワロガを倒すしかない。


しかし、それはレニの消滅をも意味している。


「僕には、出来ない。」と躊躇するムサシ。


「あいつを倒して、私を眠らせて、ウルトラマンコスモス。」とレニ。


コスモスの優しさを利用し、レニを生かす為には、自分を倒す事をためらうであろうと計算した上で、ニセの記憶を植え付けていたワロガ。


何という、卑怯で卑劣な生命体なのだろう。


それでも、ムサシに会えて良かったとの思いを告げるレニ。


「あんたの手で、あたしを人間に戻して。あの空に、時の娘を造ろうとしてた、レニに戻して。」と。


ここで言う「人間に戻して。」とは、レニの消滅。


だが、ムサシに、もう迷いは無かった。


優しい光が、ムサシの身体を包み、コスモスが登場。


夜に佇むコスモス(ルナモード)は、なんとも神秘的。


優雅な佇まいとでも言うのだろうか。


コロナモードにチェンジして、ピアノの調べをバックに激突する両者。


姿を消し卑怯な戦法を駆使するが、皮肉にも自分が送り込んだレニの能力により、姿を露呈してしまう。


必殺技を放つ直前、コスモスはレニとアイコンタクト。


レニは・・・。


「レニ、僕は夢を継いでいく。人間と怪獣と、この星を守る夢だ。」の決意を、ムサシは決して忘れないだろう。

2015年11月24日火曜日

ウルトラマンコスモス 第13話 時の娘(前編)

ワロガ ガルバス 登場


遂に、太田愛さんの脚本だ。


今回は、『コスモス』初の前後編という事で、更に期待が高まる。


オープニングの映像が、一部変更に。


テンポアップした映像は、より主題歌にマッチしているようだ。


ある夜、J9エリアに出現した未確認の生命体ワロガ。


なぜか、若き女性を襲撃。


コスモスとの第1ラウンドは、顔合わせ程度だった。


ムサシに「トレジャーベース」へと運ばれた女性は、記憶喪失だった。


彼女は、ムサシのタイプのようです。


その頃、誰も知らないところで、ワロガの手によってガルバスが目覚めようとしていた。


彼女の正体は、レニ・クロサキ。


4年前に、本格的居住型宇宙ステーション「ジェルミナⅢ」(時の娘)の建設クルーとして参加していたが、事故により既に死亡していた。


だが、何者かに前頭葉にバイオチップを埋め込まれていたのだ。


ワロガと同質のパルスを発するチップにより、擬似生命活動を開始していたのだ。


それにしても、人の運命とは不思議なものだ。


彼女が事故で宇宙に吸い込まれた時に、ワロガではなくウルトラマンと遭遇していたら、全く異なった人生になっていたはず。


バイオチップを外せば、彼女は数分で死んでしまうとの事。


そこで、「コールドスリープ」の処置が取られる事に。


医療基地で、記憶の回復を行う為に、右田医師(演、右田昌万氏)に案内されるレニを救ったのはムサシだった。


しかも、規律を破ってまでも。


ムサシは、彼女を「女性」として見ていたに違いない。


しかし、こんな時にガルバスが出現。


ワロガの計画通りなのだろうか。


ガルバスはムサシの言によれば、一度保護した事があるそうだ。


映像化されていない、時間の経過の中での出来事なのだろう。


世界観が広がります。


一方トレジャーベースでは、レニのバイオチップを解析した時に、メインのコンピューターが汚染されており使用不能に。


ムサシが、関教授を訪ねた折に受け取っていた写真を、シェパードの車内で発見したレニ。


彼女は自分の過去を、自分の死を思い出した。


ガルバスに苦戦するコスモス。


その頭上には、ワロガの光球が浮かんでいる。


ムサシとレニの間には、いったいどんな「愛」が芽生えるのだろうか。


次回に、期待だ!!

2015年11月23日月曜日

ウルトラマンコスモス 第12話 生命(いのち)の輝き

イフェメラ登場


500年毎に現れる怪獣イフェメラ。


今は亡き、フブキ隊員の妹サヤカは、3才でこの世を去ってしまった。


なのに、成長した姿で、兄のフブキ隊員の前に姿を現した。


彼女が言う、イフェメラとは。


それは、カゲロウを捕獲したフブキ少年の前に現れた。


(少年時代のフブキも、第5話「蛍の復讐」と同じキャストだ。)


1日しか成虫の姿で生きられないカゲロウと、3才で亡くなった妹を重ね合わせるには十分だ。


イフェメラとは、ラテン語で「1日の生命(いのち)」との意味。


幼くして亡くなてしまった彼女だからこそ、生命の重さを誰よりも知っているのだろう。


悲しいかな若干の被害はあったものの、放置しておいても息絶えてしまう存在。


されど、「防衛軍」の佐原指令の命令により、ミサイルが発射されてしまった。


まるでフブキはイフェメラを、いや亡くなった妹を守るかのように、ミサイルの迎撃に向かった。


間一髪、イフェメラの寿命を知っていたコスモスは、先程とは状況が異なっていたため姿を現した。


ミサイルの迎撃は、1発を除き成功。


だが、その1発はイフェメラに命中してしまった。


やがて、絶命。


ティグリス(『ウルトラマンガイア』)の姿を、思い出してしまった。


しかし、イフェメラの亡骸の後には、一筋の光明が。


卵を産み落とす為だけに、その1日を生きていたかのようだ。


500年後には、鏑矢諸島で姿を現すのだろう。


アメリカのテロ事件(2001年9月11日)により、世界の情勢が一変しつつあるのは紛れもない事実。


だからこそ私達は、1日1日を精一杯生きて、生命を輝かせていかなければならない。


自分は何のために生まれ、何のために生きているのかという事を自問しながら。


サヤカちゃんの「今日も、セミがいっぱい鳴いているね(大勢の人たちが、精一杯生きているね)。」の言葉を忘れないように。

2015年11月22日日曜日

ウルトラマンコスモス 第16話 飛ぶクジラ

カオスジラーク登場


「クジラと一緒に泳ぐのが夢。」と語る茜ちゃん。


それを、真っ向から否定する浩太少年。


茜は身体が弱くて泳ぐ事が出来ないからだ、と。


「叶わない夢なら、見ない方がマシだよ。」と、冷たく言い放つ。


『コスモス』のテーマである、「夢に挑戦し続けて、それを現実のものにする。」に対する、ひとつの答えが本話なのだろう。


茜は「あたし、絶対にクジラと泳ぐんだから。」と強がったが、次の日は学校を休んでしまった。


空には幻のクジラが現れた。


それには、カオスヘッダーの反応が。


邪悪なエネルギー生命体は、小学生の女の子の心に寄生していたのだ。


「ムサシさん、絶対に茜を助けて。」と懇願する浩太。


「ああ、男と男の約束だ。」と笑顔で応えるムサシ。


友達の女の子を救う為に、「男同士」の約束を見事に対比させている。


浩太に悲しませられ傷つけられた、その心を利用し、茜をも体内に取り込み実体化したカオスジラーク。


昨今の「アフガニスタン・タリバン政権壊滅のための、米国主導の攻撃」と考え合わせてみても、それは決して他人事では無くなっている。


無用な争いを防ぎ、平和を築くすべてのカギは、その出発点である人の心に委ねられている。


人の心にまで寄生してしまうカオスヘッダーの、何と恐ろしい事か。


新たな歌声(新挿入歌)と共に、夜の街でコスモスとカオスジラークが激突。


コスモスのルナモードって、本当に夜に溶け込んでキレイ。


ライトアップされた光や、敵の光線などが池の水面に映し照らされる場面は、これぞ「特撮」の底力を感じさせられる。


凶暴さを増し、苦戦するコスモス。


「本当は、あの時、悔しかったんだ。僕には夢なんて無かったから。嬉しそうに、夢の話をする茜が羨ましかったんだ。」


浩太が叫んでも、カオスジラークの怒りは収まらない。


しかし、「クジラと泳げる場所があるんだ。ドミニカ共和国云々。茜と一緒にクジラと泳ぐ。それが、今の僕の夢だ。」との言葉が、体内に取り込まれた茜の心を動かした。


自分の歪んだ心に対し素直に謝罪し、本音を語り、現実に自分の夢を茜に重ね合わせたからだろう。


茜も無事に助けられた。


その翌朝、茜の家の窓の外には、浩太が焼いた「クジラパン」が。


友達も、各々がパンを持っていた。


浩太の家が、「パン屋さん」という事が、キチンと生かされているのだ。


日常の平和が蘇ったのだ。

ウルトラマンコスモス 第11話 動け!怪獣

ムードン登場


冴え渡る、北浦嗣巳監督(本編、特技)の「夏休み争奪」戦の演出。


画面効果を生かしながらの手法は、とくに『ウルトラマンダイナ』第13話「怪獣工場」から注目。


北浦監督で印象的なのは、小道具に手作り感まるだしの「紙」を使ってのソフトタッチな画面の中に収められている映像が、そのひとつだと思う。


アヤノ隊員の水着姿がお披露目されたのも、功績大。


H4エリアのトンネル工事現場に出現した怪獣の保護を巡り、「TEAM EYES」のメンバーが「秋休み」にならないように、「夏休み」を優先的に取得すべく様々な「作戦」が繰り広げられた。


アヤノ隊員が緊急出動し、同乗するために発進が遅れたテックサンダー1号だったが、フブキ隊員よマッハ10で飛ばして良いのかな?


たしか、1号の最高速度はマッハ7だったはず。


しかも、最優先で行ったフブキの「初めの一歩大作戦!!」は、あえなく失敗。


アヤノの手書きによる、「ムードン対策本部」の看板は、どう見ても「学芸会」のノリだ。


ムードンと命名したのも、彼女。


「動かない」は英語で「don’t move」。


ひっくり返して、ムードンと言う事だ。


後に、MURANOCRAPHDON=ムラノクラフドン、草食恐竜と判明。


わさわざ「ひっくり返した」のは、彼女が中心だったエピソード第8話「乙女の眠り」の「カエルの騎士」、カエル、ひっくり返るに引っ掛けたものなのだろうか。


彼女が遂行した「ネコじゃらし作戦」は、カエルの騎士型のメカ(KAERU TANK)とコントローラーが使用されていたからだ。


ムサシは、「ハーメルンの笛吹き大作戦」を敢行。


その曲目は「シューベルトの子守歌」。


『劇場版ウルトラマンコスモス THE FIRST CONTACT』にて、バルタン星人を眠らせたメロディだ。


でも、今回の作戦では、眠らせてはダメですよね。


ドイガキの作戦(野菜でおびき出す)時に判明した事だが、お好み焼きの好みは、アヤノ(マイエプロンには、カエルの騎士のイラストが。しかも、彼女の足音はカエル?)は広島風で、シノブリーダーは関西風だそうだ。


シノブの作戦が決行される前に、「辰石組」の工事現場の方々の怒りが爆発。


「こんな、くだらない作戦ばかり立てて。」と言っていたが、きっと私も含めて視聴者は同感だっただろう。


結構、楽しませてもらいましたが・・・。


その爆発は単なる怒りに止まらず、ダイナマイトの使用に繋がり、大人しいはずのムードンが大暴れ。


結局、ムードンに効果があったのはムサシの第2作戦。


ムードンの子供のイラストを立て看板で作製し、泣き声を合成してスピーカーから流すというものだった。


コスモスの慈愛に満ちた「光」が、その立て看板を立体化させた。


こういう「光」の使い方は大歓迎。


とても、「夢」があるからだ。


でも、それに触れた途端に、ムードンは砂に返ってしまった。


ちょっぴり悲しい現実。


でも、ムードンにとっては「保護」されるより幸せだったのだろう。


かくして、「夏休み取得第1号」はムサシに決定。


「たまには、家にでも帰ろうかな。」と言っていたが、実家の事なのかな。


今後の両親の登場に、期待が高まった。

2015年11月21日土曜日

ウルトラマンコスモス 第10話 青銅の魔神

ゲシュート登場。


城南大学考古学研究室か・・・。


我夢(『ウルトラマンガイア』)は元気にしているのかな?


研究室の吉井ちゃんとドイガキ隊員が大学時代の友達という事は、我夢とドイガキは、先輩、後輩の関係なのかな。


大先輩としては、本郷猛(『仮面ライダー』)が・・・。


紀元前5000年に、空からの友人(宇宙から来た誰か)がくれた青銅像ゲシュート。


人間のストレスを吸収してくれるのだが、使い方を間違わなければ一家に一体欲しい置物だ。


ヒウラキャップの「胃が痛い」や、シノブリーダーの「ストレス性扁桃痛」のセリフが、大人にはリアルだ。


子供には、ちょっと理解しにくいかな。


人々のストレスを吸収して、巨大化したゲシュート。


逃げ惑う人々。


細かいカットの積み重ねが、「特撮怪獣物」の醍醐味を醸し出してくれる。


ストレスの塊を両眼から放つ怪獣は、『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラマンタロウ』のような、懐かしいノリだ。


だが、コスモスの前では、敵ではなかった。


ストレスエネルギーを吸収され、増幅して返された。


許容範囲を超えた為に大爆発。


ラストで、青銅像が保管され、土の中に戻される事になったが、これって大爆発したのだから、存在しない方が良かったのでは・・・。


ドイガキが自分の気持ちを、安易に吉井ちゃんに伝えなかったという事は、彼女の再登場への伏線なのかな。

2015年11月20日金曜日

ウルトラマンコスモス 第9話 森の友だち

ヤマワラワ登場


大人になって、失ってしまうもの。


それは、子供が持つ純粋な心。


この中には、「正義」や「友情」等の様々な要素が含まれている。


ヤマワラワ山脈で、父親とはぐれてしまった祐一くん。


洞窟でやマワラワと出会ったが、父親には信じてもらえない。


だが、ムサシは違った。


「実はね僕も昔、君みたいに本当の事を信じてもらえなくてね。悲しい思いをした事があるんだ。」、「いや、僕が会ったのはウルトラマンだよ。」と、2人だけの秘密を作ってあげた。


決して、自分がウルトラマンコスモスだとは語っていない。


岩田親子とシノブリーダー、ムサシの旅荘「山琶羅倭(ヤマワラワ)」でのやりとりが、結構怖かった。


怪しげな音楽と、光をぼやかしたような画面処理のせいでもあるのだろう。


祐一くんが、無理やりに連れ去られていると思ったヤマワラワは、巨大化して岩田親子に襲いかかる。


怒ると巨大化するというのも、妖怪らしい。


テックサンダー1号、2号で出撃するフブキとドイガキ両隊員。


第6話で苦手意識を克服したのだから、ドイガキには3号で出撃して欲しかった。


まあ、作戦や目的によるセレクトなのだろうが。


「民話」ではなく、「実話」だったヤマワラワの存在。


実は、父親の康祐も少年時代にヤマワラワと出会っていたのだ。


誰にも信じてもらえず、「狼少年」のように扱われてしまった。


だからこそ、「世間」の中での「常識」を知るが故に、息子を「狼少年」のように扱われないようにとの「親心」だったのだろう。


従来のような「狼少年」の物語ではなく、「真実」を知るがゆえに、「狼少年」を一段高いところから眺める事が出来た本話だと思う。


父親である康祐との再会によって、姿を消してしまったヤマワラワ。


本当は、康祐と遊びたかったのだろう。


しかし、康祐が大人になってしまったがために、ヤマワラワと遊べなくなってしまった。


ヤマワラワは、自分がいつまでも子供である事に寂しさを感じつつ、背を向けたのだ。


「肉体」だけでなく、「精神的」にも「大人」になっていかなければならない「人間」の「成長」や「生き方」などを再考するキッカケになるエピソード。


冒頭ではカオスヘッダーが地球に飛来したが、結局は、そのまま過ぎ去ってしまった。


やって来たら、必ず何かに取り付く訳ではないというのも、結構リアリティあり。


我々の知らないところで、何かが行われているのだから・・・。

2015年11月19日木曜日

ウルトラマンコスモス 第8話 

インキュラス登場


「アヤノちゃん」、「アヤノ」、「アヤピー」、「アヤピョン」とヒウラキャップを含め、男性隊員に子供扱いされるアヤノ隊員が本話はメインだ。


左手の薬指にリングを通して、握りしめている「カエルの騎士」のキーホルダー。


このワンカットに秘められた思い出があったのだが、何と素晴らしい演出だろう。


夜空に輝いていたオーロラを見た途端に、「レム睡眠」状態に陥ってしまったアヤノ。


少女時代の出来事を、夢の中で見る羽目になる。


2人の男の子と、「カエルの騎士」のお芝居をしている。


そうか、ジュン(『燃えろ!!ロボコン』、演・小池城太朗くん)が同級生だったのか!?


いきなり現れた「SRC科学分析センター」の大森。


「ドリームシアター」なるものを持参していた。


アヤノが見ている夢を、モニターに映し出す装置だ。


これが無ければ、隊員達はアヤノの夢の中でのコスモスとインキュラスとの激闘を目の当たりにする事は無かった。


前田さん(好青年)に、海外のお土産『THE KNIGHT OF FROG』というタイトルの絵本を貰う少女アヤノ。


ムサシはコスモスに、「行こう、夢の世界へ」と呼びかける。


「私にとっても未体験な空間」ではあるが、「危険」と知りつつもコスモスはムサシと共に、夢の中に行こうと「挑戦」する。


夢の中では、アヤノが前田に絵本を読んでもらっている。


アヤノは前田さんのお手伝いをしたいが為に、「動物が好き。動物を助けたい。」と、大きくなってからの夢を話す。


さらに、「アヤノを、前田さんのお嫁さんにして。」とプロポーズ。


その時に、婚約指輪の代わりに左手の薬指にはめてもらったのが、「カエルの騎士」のキーホルダーだった。


だが、前田は海外で伴侶を見つけたため、結局は「子供扱い」されたのだった。


この時の体験が、アヤノのトラウマになっていたのかな。


自分達をオタマジャクシに例え、少女アヤノを励ますアヤノ。


大人に、カエルになる頃には、また違う人を好きになるから、野生動物(怪獣)を助ける「夢」は大切にしたいと。


「失恋」と「夢」を分別して、「現実」を直視する2人のアヤノ。


だが、アヤノ隊員の夢の中では、外見は可愛らしい羊が数多く重ね合わさり、インキュラスが姿を現す。


夢の中でのコスモスとインキュラスの戦いは、木や建物が全て紙に描いたものでセッティングされており、不思議な空間を醸し出していた。


それは、アヤノが演じたお芝居のセットや、それを見つめるアヤノ隊員の頭に被せられていた冠と共通であり、みごとな調和であった。


苦戦するコスモスを救ったのは、「カエルの騎士」のキーホルダーを握りしめていたアヤノだった。


彼女のラウンダーショットにより、ピンチを脱出したコスモスは、空中でインキュラスを蹴りまくる。


しかも、ワンカットで。


倒れるインキュラスの手前には、人間の両足が描かれたセットが画面に収められており、細やかな演出が、ここでも冴えわたっている。


そして、コスモスの、アヤノの勝利。


夢から覚める、アヤノ。


ムサシは、「アヤノ隊員」と呼びかけるものの、「カエルの騎士」のキーホルダーを、「婚約指環」と言って手渡してしまう大チョンボ?


彼女の「TEAM EYES」の一員としての信念が込められている「カエルの騎士」のキーホルダーは、自作してみたいですね。


アヤノ隊員は、「都立修央高等学校」の第三十三回目の卒業生です(エンディングの、本編未使用カットより)。



2015年11月18日水曜日

ウルトラマンコスモス 第7話 空からのプレゼント

ガモラン ミーニン 登場


第5話で結成した「春風コンビ」が颯爽と登場。


昨夜落下した謎の隕石を、ひとつ発見。


もうひとつは、長野惣介くんが発見。


算数のテストが25点だったのを、ほっぽり出してだ。


隕石を持ち帰り、怪獣の卵だと信じていた。


卵を孵化させようと風呂に入れたものの、母親に「あれじゃあ、ゆで卵になっちゃうわよ。」とたしなめられた。


そこで、仲間のいる「子供センター」へ持って行く事に。


残りのひとつは、シノブリーダーが「J1エリア」で発見。


その頃、「春風コンビ」により本部に持ち帰られていた謎の隕石から出てきた金属の箱が、ドイガキ隊員により開けられようとしていた。


それより、少しだけ早くアヤノ隊員が、金属の箱の表面に記されていた文字を解析。


「この箱を、すみやかに 開けるべし」


やがて、箱を開ける事ができたが、更に中にはメッセージが記された金属プレートが埋め込まれていた。


解析の結果、そこには「この箱を開けし文明を持てるもの ガモランにより滅ぼされるべし」と記されていた。


送り主と同等以上の生命の存在を、許さないという事なのか。


あまりにも、身勝手である。


金属の箱の中扉が自動的に開くと、シノブが発見した隕石から、子供の身長位のミーニン(後に、惣介らが命名)が現れ、同梱されていた「ヒトデの形をしたバイオコントローラー」が額に貼り付くと、バイオ兵器ガモランへと巨大化してしまった。


ドイガキは、自分が開けてしまった事に責任を感じ、ヒウラキャップの命令によりテックサンダー1号で出撃。


しかし、ここは前回(第6話)、苦手意識を克服した3号で出撃してほしかった。


惣介たちが孵化させたミーニンにまで襲いかかるガモラン(まるで、ガラモンとピグモンの共演のようだ)。


だが、ショウコの指摘により、コスモスはガモランの額の装着物のみを破壊し、ガモランはミーニンの姿へと戻った。


そして、2体になったミーニンは「怪獣保護管理センター」に収容された。


天空には、リドリアスが飛ぶカットが挿入されていたが、元気を取り戻していたようだ。


巨大なガモランを見た時、小さなミーニンの父親だと思っていた惣介たちは、等身大の2体のミーニンを見て、「友達か恋人」なのでは、との思いを巡らせるのだった。

2015年11月17日火曜日

ウルトラマンコスモス 第6話 怪獣一本釣り

モグルドン 登場 


T2エリアに、M8の直下型地震。


震源地が移動。


怪獣の仕業だった。


工事現場での出来事だが、逃げ回る群衆の描写は無し。


ドイガキ隊員の飛行訓練の、反省会中に出現した怪獣であり、飛行訓練から逃げ出したかった彼にとっては渡りに船のようであった。


得意の分析を行い、御丁寧にもアタッシュケースから取り出した「紙芝居」で作戦の立案を行う。


名付けて「怪獣一本釣り作戦」。


モグルドンと命名したのは彼だが、結構軽いノリでのネーミングだった。


しかし、得意満面の笑みはここまで。


ヒウラキャップの命令により、ドイガキ自身が苦手なテックサンダー3号に乗り込んでの、任務遂行を命じられる。


ヒウラの思いつきのような「言い出しっぺがする。それがEYESのルールだ。」の一言による。


本当は、ドイガキの苦手意識を克服してもらう為の思いやりだ。


怪獣の再度の出現(T4エリア)に、ヒウラキャップもノリノリ。


「怪獣一本釣り作戦、オペレーション・スタート!」の掛け声と共に、一本釣りのポージングなのだ。


その真横ではアヤノ隊員が「スタート!」と叫び、同じくポージング。


「ZAT」(『ウルトラマンタロウ』)のような、ほのぼのとした組織のようだ。


ドイガキは周囲の期待をよそに、恐怖心から戦線離脱。


だが、自らのトラウマを克服すべく、「一本釣り」の極意を知る為に携帯電話で実家に連絡。


父親には相手にされず、母親がアドバイス。


見事に、怪獣の引き上げに成功。


魚の怪獣ではなく、地底に住む怪獣だ。


モグルドンは、モグラ型の怪獣だが、背中には魚類のようなデザインが成されている。


また、腹部は「顔」のような模様である。


ドイガキの成長物語は、彼のキャラゆえか全体的に「お笑い」の要素に目を奪われがちだが、怪獣の要素をないがしろにしてはいない。


怪獣初出現時は尾だけで、コスモスとの遭遇は「笑い」を誘うような腹部だった。


モグルドンの全体像、全身は最後の最後になってから。




いきなり、顔を出したりするのではなく、部分的に露出させてからの出現が「怪獣」の「王道」であるからだ。


最後は、コスモスの慈愛に包まれるかのように、イビキをかいて眠ってしまったモグルドン。


その間に、ドイガキが操縦するテックサンダー3号で、鏑矢諸島にある「怪獣保護センター」に運ばれた。


今から、見学ツアーが殺到しているようです。

2015年11月16日月曜日

ウルトラマンコスモス 第5話 蛍の復讐

カオスバグ登場。


遂に、平成の最強タッグ「春風コンビ」が誕生した。


坊や(ムサシ)とおじさん(フブキ)が、どんな「お笑い」を見せてくれるのだろうか。


命名は、ヒウラキャップなのだ。


フブキ隊員は群馬県蛍が村で、少年時代に療養生活を送っていた。


(少しキツメの性格は、少年時代の反動か。でも、大好物がプリンという事は、本質的には変わっていない気がする。)


久しく叫び続けられている「環境問題」を扱った本話だが、被害者である「蛍」の視点が一切描写されていないのは、川上脚本の成せる技だ。


10年前にトンネルが開通してから、蛍の数が激減。


現実問題として、人々が「便利さ」や「スピード」を求めたが為に環境破壊を引き起こし、生態系のバランスを崩してしまったからだ。


「便利さ」の追求は、やがてゴミの不法投棄まで引き起こしてしまった。


しかし、現代には、それを見逃さない者がいた。


大自然の怒りどころではなく、宇宙からカオスヘッダーが降り注ぐ時代になっていたのだ。


蛍の復讐心と、ゴミの山に取り付いたカオスヘッダー。


カオスバグの姿を目の当たりにした時、とても可哀想に思えた。


(尺の関係もあるのだろうが、カオスバグの後頭部にあるドクロの模様を、もう少しハッキリと見せて欲しかった。)


第3者の力の作用によって、蛍が不法投棄のゴミと融合してしまったからだ。


あまりにも、哀れな姿だ。


カオスヘッダーの「光のウイルス(意思を持っている)」の影響を受けたのは事実だが、人々が自然の保護を怠らずルールを守っていれば防げた、いや発生しなかった事件だ。


いわば、人災である。


最後は、コスモス(コロナモード)の光線を吸収し切れず、爆発飛散してしまった。


ここでも、コスモスの、そしてムサシの蛍に対する感情は明快には表現されてはいなかった。


しかし、それは「SRC」の「環境保護チーム」に委ねられた。


いつの日か、本物の蛍が戻って来る事を信じて・・・。 

2015年11月15日日曜日

ウルトラマンコスモス 第4話 落ちてきたロボット

イゴマス登場


ビビン星の、ゲバンの落し物イゴマス。


しかも、その友達ロボットは、電池切れの巨大なおもちゃ。


篤史、竜也、尚子の3人が第一発見者となった。


現地に急行したのは、ムサシとドイガキ隊員。


ドイガキは、よほど嬉しかったのか、3人に自己紹介し握手までする始末(そういえば、彼だけなのか、ジャケットを脱いだ時スボンに吊りバンドを使用)。


ここで活躍したのが、ラウンダーショット。


その、ほとんどが攻撃用であった従来の携帯銃と異なり、分析機能が備えられている。


コスモス同様に、怪獣退治だけではないという、作品のテーマを重ね合わせる事が出来る。


イゴマスは、ゲバンと旅行中に宇宙船から落ちてしまったそうだ。


ムサシ、ドイガキ、3人と会話を続けていたが、封印とおぼしきステッカーが剥がれてしまった途端、イゴマスは本来の姿である2つ足歩行のロボットに変形し暴れ始めた。


それまでの、ノホホンとしたホンワカムードが、ここで一変。


攻撃装備が無いようだが、その巨体ゆえに移動するだけで建物を破壊してしまう。


さらに、3人に追い打ちをかけたのは、剥がれたステッカーに記されていた「廃棄処分シール」(ポルトガル語に似た文法形式を、自称・天才科学者のドイガキが解読。)。


製造年が古く、エネルギー源である電池の販売も停止したために、スクラップとして廃棄処分されるのだ。


巨大な落し物と思い、アヤノ隊員は落とし主を心配していたが、実はリサイクルが出来ない粗大ゴミだったのだ。


ここまでの展開が思いやりに満ち溢れていただけに、いきなり奈落の底に落とされたようだ。


「明」が一瞬で「暗」に、180度変わってしまったのだ。


3人の優しい思いやりの気持が、踏みにじられたようでもあった。


暗く重苦しい雰囲気のイゴマスの歩行の音が、耳に残ってしまう。


やむなく、「TEAM EYES」のコンディションレベル・オレンジ(捕獲活動)が、コンディションレベル。レッド(攻撃)に切り替わってしまった。


イゴマスが、花の拡がる大地を歩行する姿が湖に映り込むシーンが美しいだけに、BGMの効果も相まって、余計に悲しさを増してしまう。


コスモスに変身するムサシ。


今回の変身シーンは、ムサシの胸部が光を放ち、コスモプラックを握りしめた右手と、左手を腕の前で回転させてから右手を上げての変身。


初めて見る変身ポーズだ。


コスモスを相手に暴れ回るイゴマスだが、放り投げた建造物が3人を直撃しようとする。


しかし、コスモスの機転により事無きを得る。


その瞬間に、動きがおとなしくなったイゴマス。


廃棄処分されたくないばかりに暴れていたようだが、「3人の友達」がイゴマスの心を救ったのだ。


自分の存在の大きさが迷惑になると思い、電池が無い事を知っているイゴマスは、潔くコスモスに自分の破壊を言い残し、電池切れに。


しかし、そこは慈愛に満ちたコスモス。


自分のエネルギーを使い切ってまでも、イゴマスを人間の子供のおもちゃのサイズにする事により、その姿を留める事に。


3人に拾い上げられ、文字通り最後のエネルギーを絞り出すように「篤史、竜也、尚子、ボクの友達。」、「ありがとう、みんな。あ・り・が・・・。」との言葉を残し、全てのエネルギーを消耗。


ドイガキ隊員でも、現在の科学の力では、イゴマスの電池は作れないそうだ。


だが、篤史は決意した。


自分が勉強して、電池を作ると。


そして、もう1度イゴマスと遊ぶと。


自分達の子供、また、その子供が遊べば「ずっと、ずっとイゴマスは子供のおもちゃで生き続けられる。」と。


イゴマスは、尚子の家に引き取られる事に。


イゴマスは、ピンクの屋根のお家に入れられるらしい。


尚子ちゃんは、自分の好きなピンク色の「お洋服」をこしらえて着せてあげるのかもしれません。


3人を見守るムサシと、夕陽に浮かぶコスモス。


2人は、8年前の自分達の出会いを思い出しているのだろうか。


宇宙から来た友と出会い、その約束に、将来の夢に向かって歩み始めた3人が、第2のムサシに見えたかもしれないからだ。


川上英幸氏の脚本は、「笑い(笑顔)」と「優しい心」が上手い具合にブレンドされており、本作は教育現場に携わる方にも、見て頂きたいですね。


「TEAM EYES」に誰かが増える度に何かが起こると言って、アヤノ隊員をからかい、さらに「ジンクス」だと途中で呟いていたヒウラキャップ。


今後、それが何なのか展開があるのかもしれない。


ラストシーンで、ムサシと夕陽に浮かぶコスモスが互いを見つめて頷きあっていた。


コスモスの姿は、イメージそれとも・・・。

2015年11月14日土曜日

ウルトラマンコスモス 第3話 飛べ!ムサシ

スピットル登場


何だかんだで、ムサシ隊員はテックサンダー4号をゲット。


しかし、新入隊員の彼には「午前中は飛行訓練、午後は本部内の清掃、夜は研修及びデータの整理。」と、緊急時以外のタイムスケジュールが組まれている。


突然、地上に現れた怪獣を見るなり「スピットル」と言い、特徴を言い当てるムサシ。


既に、存在を確認されていた怪獣という事なのだろう。


しかし、それならば「TEAM EYES」のデータベースに在ってしかるべきなのでは・・・。


隊長の作戦許可も取らず、勝手な行動で仲間の機体を損傷させてしまったムサシは、ここぞとばかりに「困った時の神頼み」ならぬコスモスの力を借りようとする。


だが、変身出来なかった。


新人だからといって、甘やかされる事なく、自らの責任を取らされる事に。


『帰ってきたウルトラマン』で印象深い、「主人公の慢心による過失」、「変身不可能」といった基本的な要素が丁寧に描かれており、第3話においても、「第2期ウルトラシリーズ」への原点回帰がなされている。


また、ヒウラキャップがムサシを「TEAM EYES」迎えた理由がキチンと第2話と統一されている。


ムサシもまた、「怪獣たちの本当の心を知りたい。」と、原点へと立ち返った。


キャップの語る「真実を見極める目」、それが「TEAM EYES」の語源なのだろう。


初心に戻ろうとするムサシが、「怪獣保護管理センター」に立ち寄り、イケヤマ管理官と交わすリドリアスについての会話は、時間軸にこだわりを持つ脚本家、長谷川圭一氏らしい描写だ。


また、処分を余儀なくされたムサシは、ずっとアーマードベストを着用したままで、彼のショックの大きさを表しているのだろう。


彼のプライベートルームのデスクには、両親とクレバーゴンと一緒に写した幼い頃の写真が飾られていた。


自分の為ではなく、自分が所属する組織「TEAM EYES」のために(それは、多くの人々を守る事)働きたいとの願いにより、出撃許可を得るムサシ。


マシントラブルによる民間の航空機と、スピットルの両方を救うために自らが囮となり、危険な任務の遂行を申し出る彼の言葉に、納得の表情を浮かべるヒウラキャップ。


作戦成功寸前で、スピットルに4号機を攻撃され、落下するムサシの耳に聞こえたのは「ムサシ、救うのだ。その力で、その心で。」とのコスモスの声。


コスモプラッグが、光を放つ。


青いウルトラマン(ルナモード)が大活躍。


スピットルと、その卵も保護でき、悪運?の強いムサシもカスリ傷で事無きを得た。


今回は、言わずと知れたムサシの成長物語。


しかし、先輩達にジュースをそ注がなければならない彼の進む道のりは、まだまだ始まったばかり。


基本設定であるカオスヘッダーの描写が、一切無かった本話でした。
  

2015年11月13日金曜日

ウルトラマンコスモス 第2話 カオスヘッダーの影

ゴルメデ カオスゴルメデ 登場


ムサシが「TEAM EYES」に入隊した理由は、ヒウラ隊長の説得はもとより、「リドリアスの本当の心って、わかるか?俺は、知りたい。彼らが、何を考えているのか。どうしたいのか。彼らの、本当の心を。」と言う問い掛けに共感したからであろう。


後輩(10ケ月の差)が出来て、大喜びのアヤノ隊員。


しかし、リーダーのシノブは冷静だった。


ムサシ生還の謎を、本人に問いただそうとしていた。


第1話の、その該当シーンをインサートしていれば、良かったのですが、尺の関係でしょうか。


フブキ隊員とは、今後もひと悶着ありそうだ。


「怪獣の保護」を目的にしていながら、「EYES」が、その機能を果たしていない事を口にした途端、「現実の見えないお坊ちゃん」と、ムサシの一言をさえぎってしまったからだ。


怪獣出現に伴い、テックサンダー1と2が発進。


1をマットアロー1号に、2をウルトラホーク3号にダブらせたのは、私だけだろうか。


テックサンダー3はウルトラホーク1号、4はタックスペースと言ったところだ。


ゴルメデとはドイガキ隊員の言葉によれば、「以前、SRCが一度、捕獲に失敗した怪獣。」との事(ムサシが、コスモスと再会するまでの8年間を描写)。


さらに、「光のウイルス」をカオスヘッダーと命名したのも彼。


さすがは、自らを「天才科学者」と名乗るだけの事はありそうだ(ムサシとの顔合わせとの時に、「花と話が出来る云々」とベタな事も言っていたが・・・)。


ゴルメデの反撃を受け、撃墜されたテックサンダー1。


脱出を試みるが、破損した機体に足を挟まれ、身動きの取れないシノブ。


ドイガキは、先に脱出したが、ムサシは彼女の救出を敢行。


「あれが現実。怪獣はペットを捕まえるのと訳が違う。あたしだって、1匹でも多くの怪獣を救う事を夢見てEYESに入った。でも・・・。」と彼女は語り始める。


しかし、ムサシは「諦めない、ギリギリまで頑張れば(『ガイア』を思い出して感激!)、きっと、きっと奇跡だって起きる。」と救出に成功。


しかし、時すでに遅く、ゴルメデの足が迫って来た。


ここで、定番通りなら、コスモス登場といったところだが、ゴルメデを蹴り倒したのはリドリアスだ。


シノブは「まさか、奇跡。」と言っていたが、もしも前回のリドリアスとの戦いで葬り去っていたら、この「奇跡」は起きていなかった。


だから「奇跡」と言うよりは、他者を守ったがゆえの恩返しといったところかもしれない。


最近、誤った使われ方をしている事が多いそうだが、「情けは人のためならず」という事である。


他社を慈しむ心がテーマである、『コスモス』の主張でもある。


ムサシを助けるために、シールドを突っ切って自らの翼を負傷してまで駆け付けたリドリアスだったが、体力(戦闘力)の差は歴然。


ゴルメデ対リドリアスは怪獣番組の醍醐味を堪能させてくれる。


ムサシは、フブキ隊員に反発してまでも「どっちがいいとか、悪いとかじゃないんだ。」と、両者を救おうと試みる。


ゴルメデを引き離そうとして、ラウンダーショットの銃口を向けつつも、それを投げ捨てる。


崖っぷちに追い込まれたムサシに、奇跡が起こる。


「輝石」が光を放ち、ムサシの手の中でコスモプラッグに姿を変えた。


彼の耳には「諦めるな」との声が。


崖に落下しながらも、ウルトラマンコスモスへ変身を遂げた。


強力な抑制効果を持つ光をゴルメデに照射し救おうとしたが、コスモヘッダーがそれを見逃さなかった。


ゴルメデの生命エネルギーを奪い、カオスゴルメデを現出させた。


カオスヘッダーは実体化するためだけに、ゴルメデを蘇らせたのだ。


カオスヘッダーが取り付いてゴルメデを変形させるのではなく、別個体として出現させる点は、第1話のカオスリドリアスとは別のパターンだ。


そこには、カオスゴルメデ対ゴルメデの構図もあり、ゴルメデを撃破。


しかし、カオスゴルメデも赤いウルトラマン(コロナモード)の敵ではなかった。


カオスゴルメデの口からの熱線を、光のシールドで受けながら、胸のカラータイマーが青から赤へ。


「ウルトラマンが、この星で活動出来るのは、地球時間でおよそ3分。頑張れ、ウルトラマンコスモス」とのナレーション。


負傷したリドリアスの元へ、ムサシとアヤノが駆け寄る。


隊員が全員揃ったところで、シノブリーダーが語りだす。


「キャップ、あたしたち確かに現実って言葉を、逃げるための口実に使ってたのかもしれませんね。」


それに対し、「怪獣を救う為に、もっと努力しろか。ムサシに感化されたな。けどな、それは決して生易しい事じゃない。これから、いろんな矛盾にも、きっとぶち当たる。」とヒウラは応える。


シノブは「わかってます。でも、努力すれば、きっと奇跡に出会える。そんな気がするんです。」と、しみじみと話すのであった。


「俺だって、奇跡は見たいさ。」と、さらに応えるヒウラの言葉は「自分も、決して傍観者にはならない。」という彼の強い意思のようでもあった。


2人の会話を肯定するかのように、リドリアスが元気よく鳴いていた。


キャップとリーダーの会話は、我々が現実社会で生きて行くうえでの教訓でもある。


シノブがここで口にした「奇跡」とは、決して現実離れしたものではなく、「努力して、夢や希望を現実のものにしていく。」という意味に違いないからだ。





2015年11月12日木曜日

ウルトラマンコスモス 第1話 光との再会

リドリアス カオスリドリアス 登場


オープニングタイトルの『ウルトラマンコスモス』のロゴが、赤色から青色へと変色しており、見事にコスモスのモードチェンジをも表現しているのはお見事。


音楽担当は、『うルトラセブンや』『ウルトラマンネオス』等でお馴染の冬木透氏であるが、今回は過去の作品との差別化が感じられる。


また、プロデューサーの渋谷浩康氏は、当初から最終回のシチュエーション(ムサシが笑顔で手を振って、ウルトラマンコスモスを見送る。)を明快に持っているのだ。


オープニング主題歌の歌詞に「ウルトラの誓い」とあるのも、昭和からのファンにとっては嬉しい。


さて、いよいよ本編だが、冒頭の夜の街は、『ウルトラセブン』第1話ほ彷彿させてくれた。


ヒウラキャップを演じているのは、『超獣戦隊ライブマン』で、レッドファルコンこと天宮勇介を演じた嶋大輔氏。


アヤノ隊員の「ぶつぶーつ、ぶつぶーつ」は、彼女のセリフの定番として期待したいところだ(『ウルトラマンネオス』のアユミ隊員のタメ口を超えて欲しい)。


衝撃を受けたのは、「平成ウルトラマン(『ティガ』、『ダイナ』、『ガイア』)」ではウルトラマンの象徴であった「光」が、本作では「光のウイルス」としても描かれている点。


それが地球へ降臨し、街が大規模にわたり破壊されてしまったのだ。


ムサシと仲良しのリドリアスの名称は、『ウルトラQ』第1話に登場したリトラへのオマージュ。


ここにも、原点回帰への一端を垣間見る事が出来る。


「光のウイルス」が体内に溶け込んでしまい、その姿と共に凶暴化してしまったカオスリドリアス。


1度はムサシが奏でた「輝石」の音によって元の姿を取り戻したが、防衛軍の無認識な攻撃によって、またしても凶暴な姿になってしまった。


リドリアスが本来の姿を取り戻そうとして必死に抵抗し、カオスリドリアスが防衛軍へ反撃する場面を見た場面。


それは、リドリアス自身が「光のウイルス」だけでなく、人類の被害者のようでもあり、少なからず切ない気持になってしまった。


不本意ながら、カオスリドリアスの攻撃を受け、脱出出来ず機体諸共落下しようとした時、ムサシの「輝石」が光り輝いた。


それは、巨大な生命エネルギーを地球に呼び寄せ、ムサシの機体を貫いた。


誰もがムサシの死を覚悟した時だが、それはムサシとコスモスの8年振りの「再会」だったのだ。


一定の期間を経て地球に戻って来て滞在するウルトラマンは、「セブン」以来である。


相手を慈しむようなファイトで「光のウイルス」を切り離し、本来の姿を取り戻したリドリアスは、SRC怪獣保護区域・鏑矢諸島へと戻って行った。


私の心も童心に戻ったようだ。


至福の1年間(結果的には、1年以上)のスタートだ。


サブタイトルとエンディング(本話の名場面)は、『ティガ』、『ガイア』、『ダイナ』と同様であり、好感を持てた。


新しいものを求めるだけではなく、良いものは良いものとして引き継いでいけば良いという姿勢を感じ取れたからである。



2015年11月11日水曜日

モスラ3 キングギドラ来襲

「平成モスラ3部作」の最終作には、遂にキングギドラが登場。


やはり、興業的にネームバリューの高い人気怪獣をチョイス。


キングギドラは白亜紀型も登場するが、それは過去に地球に飛来していた際の姿なのだ。


本作はタイムトラベルもので、モスラの幼虫は白亜紀体も登場し、原子モスラと呼称されていた。


ゴツゴツとした体表で、個人的には好きなデザイン。


レインボーモスラは現代で、鎧モスラへと変化。


堅い体表に覆われており、キングギドラを撃破した。


ちょっと残念だったのが、白亜紀に登場する恐竜の特撮シーン。


「百聞は一見に如かず」ですが、かなりショボイ出来です。


平成の時代とは思えない、よくゴーサインが出たなという感じの映像で、公開時に衝撃を受けたものです。


まあ、モスラとキングギドラの戦いに巻き込まれた恐竜達こそ迷惑だったようですが・・・。


フェアリー(モスラ)、ガルガルⅢも登場し、モル、ロラ、ベルベラも出演しているのですが、残念な事も。


事務所の方針なのでしょうが、ロラ役が前回までの山口沙弥加さんから、建みさとさんに交代してしまったいました。


物語の世界観(当初のストーリー)にも影響を及ぼしており「本末転倒」になってしまいました。


今後、「モスラ」が主役の映画が製作される可能性は、残念ながら少ないと思われます。


そういう点に於いては、貴重な「3部作」でした。



2015年11月10日火曜日

モスラ2 海底の大決戦

「平成モスラ3部作」の第2弾。


まさか、「モスラ」が単発ではなく、シリーズ化されるとは「夢」にも思いませんでした。


ポスターには「奇跡の大変身!」の文字が。


そう、今回はタイトルにもあるように、「海底」で動き回るモスラの姿を見られるのです。


前作『モスラ』(1996年版)で、親モスラが海中に沈みゆく場面が「因縁」として思い出されます。


水中で敵怪獣のダガーラと戦う為の姿なのだ。


当時、ダガーラのスタンダードサイズのソフビは、発売されませんでした。


ミニサイズのセット販売が発売されたのみです。


モスラは、レインボーモスラへと変化。


これは、次回作『モスラ3 キングギドラ襲来』にも登場します。


本作には、ゴーゴという小さな生物が登場。


ウー(『ウルトラマン』)の両手を省いたようなデザインです。


ベーレムは、ヒトデ状の姿をしており、ダガーラから排出される。


見るからに、猛毒を持っていそうな深海生物みたいだ。


もちろん、モル、ロラ、ベルベラも登場。


前作からの世界観の継続だからですね。


フェアリー(モスラ)はもとより、ガルガルⅡも姿を見せています。


ニライ・カナイの王女ユナを、野波麻帆さんが演じています。


ゴーゴと遭遇する女の子を満島ひかりちゃんが演じて、女の子の観客動員対策をしていますが、男の子にとっては「好き嫌い」が別れてしまうのが、このモスラ映画第2弾ですね。

2015年11月9日月曜日

モスラ(1996年)

平成ゴジラシリーズ終了後に製作された、「平成モスラ3部作」の第1作。


モスラの羽根も、蛍光色に近いカラフルな色合いに。


劇場公開時、2度映画館に足を運びました。


実は、ある場面に感動して涙してしまったからです。


その場面とは、モスラの親子の別れのシーンです。


海上で、残り少ない命の成虫モスラと、新たに誕生した幼虫モスラが対面。


だが、成虫モスラは命尽き海底に沈んでしまう。


生命誕生の神秘、親子の愛情が描かれているからだ。


『モスラ対ゴジラ』とは違った形で表現、演出されている感動作。


興業的にモスラ単体では弱かったのだろうか、対戦怪獣が用意された。


デスギドラである。


キンギギドラ同様、3つ首を持つ強敵。


キングギドラに前足を2本足した感じのデザインで、体色は赤い羽根を除けば地味な色合いで、モスラと対比させているようだ。


モスラとセットである小美人は、モルとロラなる2人の女性として登場。


さらに、モルとロラの敵役として、ベルベラが登場するが、なんと彼女達の姉なのだ。


しかも、それぞれフェアリー(小さいモスラの分身)とガルガル(小さいのは同様で、首が1本のデスギドラ風デザン)に乗り、他人の家の中で空中戦を繰り広げるのだから驚きだ。


ポスターには、「守るために、戦う!」との文字が躍っていますが、破壊王でもあるゴジラとの差別化を謳っているのです。


劇場では、小さな女の子が観賞する姿も多く見受けられました。

2015年11月8日日曜日

決戦!南海の大怪獣

東宝特撮にしては珍しく、実在する生物が巨大化した3種類の怪獣が登場。


だが、海外のB級作品の映画のようになっておらず、アレンジが加えられてはいるが、見事な生物感を醸し出している怪獣デザインなのだ。


宇宙生物が乗り移った事により、カミナリイカがゲゾラ、カルイシガニがガニメ、マタマタガメがカメーバへと巨大化して変化。


ちなみに、スチール写真で有名な、3匹の怪獣戦う場面は本編にはありません。


ゲゾラは低体温なので火に弱く、それにより撃退されてしまう。


ガニメは2体登場するが、もちろん着ぐるみは一着のみの製作。


劇中に、2体登場すると言うのもリアルで、この2匹目がカメーバと戦うのだ。


カメーバは、敢えて言うなら「東宝版ガメラ」と言ったところでしょうか。


ちなみにカメーバは、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』に、死体とはいえ姿を見せてくれました。


着ぐるみは、製作されなかったのです。


『怪獣総進撃』での、バランのような扱いです。


ゴジラのような想像上のデザインではなく、実在する生物の恐怖を描いた本作は、ゴジラシリーズに興味が無い人には未見の方が多いかもしれない。


私も社会人になって初めて観賞したのだが、様々なファンタジーな要素にアブラートされているとは言え、リアリティに感心させられたのだ。


玩具展開が弱いキャラなのは否めないが、味わい深い怪獣達なのである。


本編の見どころのひとつは、ゆるーい演技の髙橋厚子さんかな。

2015年11月7日土曜日

キングコングの逆襲

日本で製作された、キングコングが主役の映画。


対ゴジラ戦(別個体)を経ているとはいえ、幼い頃は興味が薄かった。


だが、「復活フェティバル ゴジラ1983」で劇場で観賞してからは、評価が一変。


おもしろい、大人の映画だったのだ。


浜三枝さん演じるマダム・ピラニアの大人の色気はもとより、天本英世さん扮するドクター・フーの怪演も一見の価値あり。


いや、必見なのだ。


当初は、「ロビンソン・クルーソー作戦 キングコング対エビラ」で製作が進められていたのだが、これはこれで観たいものです。


実際に登場した怪獣は、本作ではメカニコング、ゴロザウルス、大海ヘビ。


メカニコング、ゴロザウルスは後年バンダイから、素晴らしい造型のソフビ人形が発売されました。


ゴロザウルスの着ぐるみはリアルで、恐竜のような皮膚感を醸し出していた。


残念ながら、平成シリーズでは復活しなかった1体でもあります。


キングコングとの戦いでは、その大きな口を上下に引き裂かれ泡を吹きながら絶命。


自然界の摂理の恐ろしさを描写しているようでもあります。


メカニコングは、東京タワーによじ登るものの、落下してバラバラに。


スチール写真では、キングコング、メカニコング、ゴロザウルスが三つ巴で戦っている場面がありますが、本編では実現していないカットです。


『コジラ対メカニコング』、『キングコング対メカゴジラ』等、現代で製作して欲しい題材が、まだ残っているようですね。 

2015年11月6日金曜日

フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編と思われがちだが、世界観の継続ではなく「姉妹編的な内容。


子供の頃は恐くて遠慮していたが、ある程度大人になって観賞すると、とても味わい深いさ作品でもある。


山彦=ヤマヒコ=山をサンと読む、海彦=ウミヒコ=海をカイと読むから、それぞれサンダとガイラと命名。


兄がサンダで、弟がガイラ。


身長はサンダが30メートルで、ガイラより5メートル大きい。


ガイラは、サンダの細胞から誕生。


ガイラは、兄のサンダに隠れて人間を食していた。


兄は、これが許せなかったのだ。


ガイラが人間を食べる場面は、上手くイメージで処理されているが、暗闇にアップで映し出されるガイラの顔のアップには、ドッキリ。


かなり、恐い。


東宝特撮では、これが限界の表現なのだろう。


特技監督の円谷英二氏は、「生理的に憎悪感を覚えるような演出はしない。」(趣意)との理念を述べられていたが、ギリギリのラインでの演出のように感じられる。


有名なのは、メーサー殺獣光線車。


大木の中を逃げる廻るガイラを、徹底的に追い詰める。


この場面は後に、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』に流用されており、名場面である。


史上最大の兄弟喧嘩は街を破壊しながら海へと。


最後は、海底火山の爆発に巻き込まれ、両者はそれに巻き込まれてしまうのだ。


怪獣も、自然の営みには勝てないという事なのだろうか。


続編への期待も残されているという事です。

2015年11月5日木曜日

フランケンシュタイン対地底怪獣

当初は、『フランケンシュタイン対ゴジラ』等の案もあったようだが、コジラの新作ではなく、新作の怪獣映画として製作された。


等身大の恐怖とでも言うのだろうか、フランケンシュタインの設定身長は巨大化時が20メートルだからだ。


セットも大きな物が作り込まれ、リアリティを増していた。


バラゴンは25メートルなので、当初のゴジラの1/2の設定。


人間体のヒーローと怪獣が戦う構図なのだが、爽快感は無く切なさが隠せない。


バラゴンは2足歩行、4足歩行共に様になっており、人気が高いのも頷ける。


ドイツから広島に送られていた不死身の兵士の心臓が、フランケンシュタインなのだ。


「戦争」の影響が、本作でも扱われている。


水野久美さんが演じる戸上季子との絡みは、悲しくも切ない。


例え醜い姿であっても、心まで同じとは限らないのである。


ナイトシーンも多く、フランケンシュタインの出現にはドキっとさせられたものです。


だが、本作の注目点は、やはり「海外版」の存在だろう。


土曜日の夕方4時だったと記憶している(あくまでも、個人のおぼろげな固定された認識)。


当時は、「怪獣映画」がテレビ放映される日は、ある種の「お祭り」でもあった。


だが、子供なりに入手していた知識とは、異なる内容に驚いた。


ラストに、大きなタコが出現してフランケンシュタインと戦ったからだ。


ちょっと得した気分でもあったが、混乱も隠せませんでした。


ビデオソフトが発売され始めた頃は、「海外版=大ダコの出現」とされていたが、近年では、それが覆されている。


「東宝特撮 巨大生物箱(DVD-BOX)」には、海外版の「フランケンシュタイン対地底怪獣」が収録されているのだが、大ダコは出現しないのだ。

2015年11月4日水曜日

宇宙大怪獣ドゴラ

タイトルは凄いのだが、登場する怪獣はクラゲ状の生物。


キングギドラより先に登場した「宇宙怪獣」なのだが、見た目のインパクトはあるものの、カッコイイとは言い難いデザイン。


1年に1本だけでなく、2本の特撮映画が制作され続けていた、古き良き時代の産物なのかもしれない。


怪獣映画というより、スパイ・ギャング団の要素が強く、好き嫌いがハツキリと別れるであろう怪獣映画なのだ。


ポスターには「地球SOS!ビルも人間も吸い上げる恐怖の大怪獣」の文字が躍っている。


ダイヤモンドの消失事件が発生。


ドゴラは、炭素をエネルギー源としているからだ。


このドゴラという怪獣、実は放射能に関わりがある。


宇宙に存在する単細胞が、放射能の影響で突然変異したからだ。


やはり、この作品も「反戦・反核」を内包しているのだ。実態はあるが、不定形状なので子供の人気は低かったようだ。


何よりも、子供が喜ぶおもちゃ(玩具)が造り難かったようです。


凄まじい吸引力で、巨大な若戸大橋をも巻き上げ破壊。


かなり手ごわい怪獣なのだが、意外な弱点があった。


地球の地パチが苦手なようで、その毒を散布されると結晶化してしまったのだ。


石の塊ですね。


個人的には、若林映子さんのエキゾチックな美しさに浸る事をお勧めします。

2015年11月3日火曜日

海底軍艦

劇場で、改訂版を観た数少ない作品のひとつ。


オリジナルは、ビデオソフト化されて初めて観賞。


冒頭、銀色の鱗を付けたアクアラングマンのような蒸気人間が登場。


子供心に、胡散臭いなぁと思った記憶がある。


子供の目には、ショボイ宇宙人のように映ったからだ。


登場する怪獣は、マンダのみ。


ムー帝国の守護竜である、怪竜。


東洋の竜のようなデザインで、後に『ウルトラQ』第6話に流用された。


轟天号は、かつて第二次世界大戦時に日本国が建造していたが、完成する事なく終戦を迎えていた。


本作も、「反戦」色の濃い作品なのである。


だが、神宮司大佐らにより、極秘に完成されていた。


潜水艦仕様で、艦隊の先端にはドリルが装備されており、あげくの果ては空中を飛行する事が出来る万能型戦艦なのである。


後に、シンプルな造りのディスプレイ用のプラモデルが発売されました。


伊福部サウンドにより、「ムー帝国」撃滅の為に出発するシーンは鳥肌モノだ。


男の子が大好きな、メカ者の真骨頂でもある。


マンダとの絡みは少ないが、艦隊ボディの電圧とドリル先端からの冷凍砲で、マンダ退治に成功している。


マンダは2代目が『怪獣総進撃』に登場しているが、本作の初代とはデザインが大きく異なっている。
2代目は、竜ではなく海ヘビのような頭部で、角等が無くなっているからです。

2015年11月2日月曜日

マタンゴ

東宝特撮作品としては珍しく、海外版の小説である原作「夜の声」を題材にした作品。


怪獣映画というよりはホラーテイストの強い作品で、タイトルの「マタンゴ」も等身大のものが活躍、暗躍、動き回る。


その鳴き声は、バルタン星人(『ウルトラマン』)等に流用されており、一度は耳にした事がある人が多いようだ。


物語は、久保明演じる村井研二の回想シーンから始まる。


つまり、我々が目にする映画の内容は、すべて後日談であり過去の話なのである。


東宝特撮シリーズでは、数少ない部類に入る演出です。


それぞれの思惑を持った7人の若者達が、豪華客船で遭難。


辿り着いたのは無人島なのだが、人のような気配があった。


何かの生物が存在していたのだ。


難破船に残っていた食料が、各人の欲望、醜さを露呈する結果に。


人は生きるためなら、どんな残酷な事でも犯してしまうと言う事を目の当たりにするのです。


そこには、男女の性(さが)も盛り込まれています。


食べてはならないキノコを食するシーンは、必要悪的な欲望を抑えきれない人間の内面をも表現。


そのキノコを食すると、食べた人が次々とキノコ人間=マタンゴへと姿が変貌してしまうのだ。


水野久美さん演じる関口麻美は、妖艶な雰囲気を醸し出し、恐ろしくも美しくもありました。


村井は結果的に救出され目出度し目出度しでした、とはならない。


ほら吹き話として精神異常者としてのレッテルを張られていたのですが、彼の話が事実として証明される事に。


それは、彼自身のマタンゴ化への兆しでした。


ホラーらしい、恐いオチでした。


このオチも、東宝特撮では珍しいですね。

2015年11月1日日曜日

妖星ゴラス

セイウチに似た怪獣、マグマが登場。


当初は怪獣の登場予定は無かったそうなのだが、興業的なテコ入れの為、急遽怪獣マグマを投入。


でも、このワンポイントが重要で、怪獣ファンにとっては嬉しいのだ。


謎の妖星ゴラスが、地球に衝突する事が判明。


地球そのものを動かして、この衝突の危機を回避しようとする壮大なスケールの物語。


だが、マグマが出現し突貫工事を遅らせてしまう。


ジェットパイプの工事が南極に温暖化を招き、人的要因でマグマが出現してしまう。


見ていてハラハラどきどきの展開。


怪獣の出現により、本来の目的に支障が生じてしまうという、怪獣映画の重要なエッセンスを内包する事により、メリハリが出ている。


国連のVTOL機も活躍。


後に、カラーリングを変えて、『ウルトラマン』のジェットビートルに流用されたのは有名。


また、マグマは『ウルトラQ』のトドラとして、着ぐるみを改造して登場しています。


劇中で流れる「俺(おい)ら宇宙のパイロット」も素晴らしく、後年発売されたLPレコードやカセットテープにも収録されていました。


当時の「軍歌」のようでもありますが、良い意味での燃える歌でもありました。


怪獣マグマが主役ではありませんが、特撮のエッセンスを自然な形で組み込む事により、不可抗力に対する猛威に立ち向かうという内容を盛り込んでいます。